Miwo

Life is a work of art / I am my world. 日々のおもしろかったり美しいと感じるモノゴトを、言葉と写真で表現してそこに置くような、そんな営みとして、ここに書いていけたらと思っています。

Miwo

Life is a work of art / I am my world. 日々のおもしろかったり美しいと感じるモノゴトを、言葉と写真で表現してそこに置くような、そんな営みとして、ここに書いていけたらと思っています。

最近の記事

落ち葉をひろいに

気持ちの良い庭をつくるのに、落ち葉は欠かせない。 春に芽吹いた落葉樹は、陽の光を浴び風にそよぎ、夏に向かってわさわさと賑やかさを増していく。涼やかな風が木陰を流れる夏を過ぎれば、葉は日に日に色づいて、木枯らしにその枝を離れる時を迎える。大地に降り立った葉は、再び大地に還っていく。季節がまた巡って、そこには水と空気が循環する健やかで豊かな大地が育まれていく。 土中環境の改善には欠かすことのできない落ち葉。でも自宅周辺では集められるところがほぼ無い。杉は至るところにあるが、落

    • 2018/09/01 before 10 pm 「またね」

      「おはよう!」06:42 「昨夜なんとか一人トイレット成功」06:55 「ごはんばべます」08:14 目が覚めると、3つもLineが入っていた。 「一人トイレット」だなんて、感無量だ。 「pineapple激ウマ」 朝ごはん報告が続き、ついで「何時にくる?」と聞いてくる。 仕事のない土曜日だ。面会に行く前に、片付けや軽い掃除もやっておきたい。 「いろいろやって12時半頃かな」 「水がないです、たくさん」 「先生がおれだけ一日一個ヨーグルトOK」 「よろぴく」 . 病

      • 2018/08/31 「帰りたい」

        仕事を終えて、ビッケの散歩に出かける。亮くんと良く行く、桜の名所とされる公園へ。 「人工透析がんばってね!」「人工透析おつかれさま!」、仕事の合間合間に、Lineで意気揚々とメッセージを送っていた。 17時半頃、この日初めての返信が来る。 「おつかへさん」(原文ママ) ひとつの返信がこれほどに嬉しい。再びの恋愛中だ。 今日は行けないけど明日は行くからね、とLineを返す。 「帰りたい」 即座に返ってきたその4文字に、胸が潰れるかと思った。 「あす!」 と、すぐ

        • 2018/08/30 「今日はひま」

          今日は終日仕事だ。 出張も多く激務だった7月。8月は一度休んでゆっくり過ごそうと、請けるプロジェクトを少数に絞っていたのが幸いして、面会時間を最大限に活用して亮くんの側にいることができていた。 しかし。 もうすぐ一ヶ月。 フリーランスは、仕事量と収入が直結している。 亮くんも回復してきた。仕事量を少しずつ戻していかないと。 それに、亮くんもフリーランスなのだ。(これ以上は考えまい) 目の前にある仕事。頭の中にいる病院の亮くん。 現実が2つあるみたいだ。 病院でなくここ

          2018/08/29 「フルーツとヨーグルトのパーティ」

          15時半には仕事を終え、ハナと病院に向かった。 「亮さん、お家に帰ったら食べたいものありますか?」 ハナが聞くと、 「朝はフルーツとアサイーヨーグルト。帰ったらフルーツとヨーグルトのパーティがしたい」 「フルーツとヨーグルトのパーティ?」 パイナップルとかアサイーボールをみんなで楽しむというそのパーティ。「素敵」「いいねいいね」。ハナと亮くんが盛り上がっている。 「今まで食べてきたものじゃなくて、朝はフルーツとかヨーグルトとか、健康的な生活をしたい」と亮くん。 こ

          2018/08/29 「フルーツとヨーグルトのパーティ」

          2018/08/28 「第二の人生」

          22:00 ハナ(妹)と一緒に面会へ。 義父母も来て、病室はいつになく賑やかだ。 代わりばんこに、写真を撮った。 亮くんと義父母と私。亮くんとハナと私。 写真の中の亮くんは、しっかりとこちらを見つめて、お腹の上に置いた右手で、🤙🏻(腕を上げることはまだ難しい)。🤙🏻に、「亮くん」が戻ってきたのを感じて、何度も写真を見返しては口角が上がってしまう。 亮くんの言葉メモ 第二の人生、生まれ変わった。CMでも泣いちゃう、感動屋 健康に過ごすことに、真剣に生きようと思う

          2018/08/28 「第二の人生」

          2018/08/27 亮くん感のない、仕事の日

          10:18 東京に向かう特急の中で仕事をする。 今日の大一番への、プレッシャーと緊張。 飴が2個、丸っこい小さな手にのって、目の前ににゅっと登場した。隣に座る母親くらいの女性が、何も言わずに、暖かくニコニコと、こちらを見つめていた。 少しのおすそ分けとその気持ちが、本当に嬉しい。 今日一日、私らしくがんばろう。 この一ヶ月、やっぱり何かに守られているんじゃないか。 それぞれはバラバラなのに、どうしてこうも上手いこと、ひとりにさせないでくれるのだろう。 0:33

          2018/08/27 亮くん感のない、仕事の日

          2018/08/26 「亮から電話が来たのよ」

          8:46 「亮から電話が来たのよ」 義母から朝イチで電話がある。 「Miwoは?」と聞いたらしい(Miwoは今日来るのか、だったかな…?)。 いいなーいいなー、私も亮くんから電話が欲しいなー。 いや、しかし! 電話をかけられるようになった、ということだ。 iPhoneを持てるようになった、ということだ。 昨日までできなかったことが、今日はできるように。 日々、確実に進歩している(涙) 昨夜は久しぶりに2時就寝、6時半には起きてビッケの散歩へ。たまにはビーチを歩き

          2018/08/26 「亮から電話が来たのよ」

          2018/08/25 「死神が離れなかった」

          16:06 着実に快方に進んでいる。 看護師さんが亮くんの下のお世話をしてくれる。その間は退室して待つ。オムツを替えて、お尻を拭いて。一連のことが終わって入室すると、看護師さんが優しい笑顔で、「脱下痢できましたよ」と伝えてくれた。ICUの頃からずっと悩まされてきた下す問題がとうとう…! 部屋にも心にも、まるで光が差したようだった。 一連のことで亮くんはとても疲れた様子だ。しばらく眠って休むことにし、その間、私は1階のドトールで過ごす。 土曜日の午後。 誰もいないドトー

          2018/08/25 「死神が離れなかった」

          2018/08/24 「出会って10年なのに」

          9:24 ビッケとの2人暮らしに慣れてきたかもしれない。 18:44 ケイスケくんから、「体調はどう?」とLineが入った。 亮くんにメッセージを見せる。「なんて返信する?」 「まだフル入院でパクついています。もう少し時間をください。また連絡します」 23:54 今日の面会のこと。 病室に入る。 亮くんに声をかけて、ベッド脇に向かうとすぐ、 「出会って10年なのに」 そう言葉をかけてくれた。すごくすごく嬉しかった。 2008年8月23日に出会って、昨日は1

          2018/08/24 「出会って10年なのに」

          2018/08/23 大切な記憶を共有しているということ

          6:44 病室はいつも同じ匂いがする。何の匂いなのかは分からない。 5時過ぎに目が覚めて、ビッケの散歩をしてから身支度をする。 ふっと、その匂いがした。家にいるのに。 ビッケにご飯をあげて、たっぷりの余裕を持って、電車の時間の35分前に車で家を出る。 8:46 特急わかしおで東京に向かう。無事に乗れた。やるべきことをすべてやって。 やればできるじゃん。 今までいかに亮くんに甘えてたのかと、ひとり恥ずかしくなった。 18:30 今日はよく仕事をした。仕事復帰だ。

          2018/08/23 大切な記憶を共有しているということ

          2018/08/22 「生きていると良いこともあるんだな」

          8:39 8時間以上寝た。 よかったよかった。 今朝は洗濯祭りからの冷蔵庫掃除。仕事をして、夕方からビッケと一緒に病院に行こう。 18:21 遅め17時前に病院に到着。 15時頃に透析から戻ってきたとのこと。 透析中からずっと痰が出てむせているらしく、ぐったりしている。 今日はとうとう、理学療法士の支え無しで、ひとりで5分も座れたらしい!喜ぶ私を横目に、亮くんは不機嫌だ。「本当にうざかった」。 だいぶ無理やり頑張らされたらしい。 疲労度MAXのご様子。一旦出よう

          2018/08/22 「生きていると良いこともあるんだな」

          2018/08/21 ケイビイカンが抜けた

          8:12 6時に目が覚める。 昨夜の散々泣いた余波か、体が動かない。ベッドから出るまでに1時間かかり、やっとのことで散歩へ出る。 道中に何度も、ビッケが「これ以上進みません」になる。手も足も踏ん張って、強い意志で私を見上げ、動かない。「行くよ」。最終的にはリードを強く引っ張る。6kgないビッケがその力に負け、歩き始める。そのうちにまた、歩みを止める。 イライラが募っていく。 そして、ふと思った。 亮くんは、昔からあんなに呑んだり食べたりする人だったのだろうか。 …

          2018/08/21 ケイビイカンが抜けた

          2018/08/20 「俺、大丈夫かな?」

          9:58 雨が降っている。涼しさに、秋の気配を感じる。 もうすぐ3週間だ。 もう3週間。まだ3週間。どちらもしっくりこない。 時の感触が、これまでとはあまりに違う。 今日の面会は、15時には着くように行って、18時には出よう。 夜の道が怖い。そのことに気がついた。 1時間の下道は、その多くが、街灯が無かったり少なかったりの暗い田舎道だ。道は狭く、対向車が怖い。ハイビームでセンターラインが見えなかったり、結構なスピードで走り抜けたり。すれ違うのが怖い。 昨日までそん

          2018/08/20 「俺、大丈夫かな?」

          2018/08/19 お水とキャラメルゼリー

          11:36 10時間寝た。 こんなに寝たのは、あの日以来初かもしれない。喉にあった違和感も無くなっている。良かった。今は絶対に風邪を引けない。 ビッケの散歩から戻る。智子さん一家から、無印のカレーやお菓子の詰め合わせが届いていた。 秋晴れに、気持ちの良い風が吹いている。 パラソルを出して、外でブランチにしよう。 頂いた野菜カレー、ちえちゃんの手作りピクルス、昨夜の空芯菜の炒め物と炭酸水。 隣では、ビッケが日向ぼっこをしている。 …幸せだな。 この状況だからこそ

          2018/08/19 お水とキャラメルゼリー

          2018/08/18 「大丈夫か?」

          8時過ぎに目が覚める。 涼しい。25度と気持ちの良い気温に、空気もカラッとした、初の秋日。ゆっくり散歩できそうだ。体を起こし、すぐに出かける準備をする。気配を察知したビッケは大喜びだ。 パン屋さんで野菜サンドを買って、昭和の森へ向かう。 いくつかの田んぼでは、稲刈りが始まっていた。 帰宅してシャワーを浴びる。 ドアの向こうには、お風呂場には決して近寄らないはずのビッケの影。ドアを開けると一目散に入ってきた。風が強いせいで、家がやたらと音を立てている。怯え切ったビッケの尻尾は

          2018/08/18 「大丈夫か?」