京都で生活について考える
頃は10月27日…
京都をめぐった。
今日はいろいろな場所に行ったので、紹介していこうと思う。
まず、東寺。ひがしでらではなく、とうじ。
仏像も建築もよかった。
特に、講堂にあった梵天と不動明王が、しーんと心にくる感じがあった。
東寺のお坊さんが、一緒に回りながら説いてくれるという、super gorgeousな見学だった。不動明王の仏像の表情やモチーフを見ながら、不動明王の慈悲深い性格のエピソードを聞いていると、自分が不動明王に見られているような、自分の行いを振り返りたくなるような、まるで清い場所へ一段近づくような気がした。
空海が設立に大きく関わっており、寺全体の設計も、不動明王を取り入れたのも空海だそうだ。
お坊さんの説法を聞いて、非常に感銘を受けた。
自分自身をめくられるような感覚になる。いつも当たり前だと思っていることが、存在している理由を教えてくれる。「いただきます」という言葉、仏像というもの、自然、神、仏…
なんとなく受け入れてきたものを、また考え直すということができる。
生きていればぶつかる、当然の疑問にちゃんと応えようとしているのだ。しかも、できるだけ実直な姿勢で。(お坊さんの話し方にそれを感じた)
わたしは仏教の教え、世界観に、かなり興味がある。全体的に滑らかな、柔らかな思考があるように思える。仏教美術も、そういう要素が垣間見えるから好きだ。
たとえば、基本的に色んなものはコントロールできないという考え方があるように思えるし、悪や正しさの定義も二元的でない。
東寺は大きいな…
午後は漆店に行った。
漆の匂いや質感、色合いが美しい。
漆は木の樹液を集めて、それを濾して、水分を適度に飛ばして作るという。縄文時代から人間が作り続けてきた塗料だ。
見ていて、確かに自然のものだ、と思った。
液体の漆は、透明な黒なのだ。つやつやしていて深く、柔軟性がある。
きれいだった。
お箸に漆を塗る体験をした。木に直接塗ると、木が漆を吸収して、ムラができる。難しい。
こういう素晴らしい工芸に出会うと、生活っていいな〜すごいな〜と思う。
他人の命を、美しく、無駄にしないようにして自分の命に取り込んでいく。
こういう営みを昔からやってきたのか、と静かに感動する。
あと、工芸の技術は本当にすごいと思う。こういうものを仕事、拠り所にしているというのは、すごいことだと思う。職人さんは、向き合うものにパワーを与え続けて、パワーをもらい続けるような感じがする。
雨の予報だったが、いい天気だった。
(おわり)
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