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夏空に 緑照り映え 影深く 暑さに堪えれず 筆も進まず
二千二十三年 八月某日
『訊く者』という神や仏が登場する物語を書き始めてから、二年近くになるだろうか。
登場人物もどんどん増えて収拾がつかないことになっているような気がする。
京都に住んでいると神社仏閣に、そしてそこにお住いの神や仏と絡むことが必然的に多くなる。
例えば朝の散歩で、知人が京都へ来た時の観光案内で、年齢を重ねてからの趣味としての参拝でなどなど。
馴染みの神や仏もいらっしゃれば、未だに初めてお目に掛かる神や仏もいらっしゃる。
どんな神がいらっしゃるのか分からないお社もあったりする。
初めて伺う神社などの摂社や末社で馴染みの神などにお会いすると「こんなところにもいるんだ、元気?」などと声を掛けたりもしている。
神や仏に対しては冒涜に値する行為なのかもしれないが、書き物の中では親しくさせていただいたりもするので、御無礼のほどはお許しいただきたいと願っている。
寺院には○○像または○○座像として祀られていることが多い。
いわゆる偶像というヤツだが、お姿が見えるだけに信仰の対象として結び付けやすい。
一方の神社にはほとんど偶像はみられない。
その代わり鏡が置いてあったりお札が張ってあったりする。
場合によってはここにはこの神様が祀られていますと書かれているだけでそれを信じるしかない場合もある。
神も仏もよく分からない存在ではあるが身近な存在でもある。
そんな方々が色々話してくれるから楽しく過ごすことができている。
それでは主な登場人物をご紹介しておこう。
よく登場するのは月読命だろうか。
彼 (古事記や日本書紀では性別が書かれていない) が神の世界のことを詳しく話してくれたりもする。
ある時期から登場頻度が上がったのが宗像大社の沖ノ島の沖津宮に祀られている多紀理毘売命、別名奥津島比売命(沖津宮では田心姫神だろうか。
彼女は天照大神と素戔嗚尊の誓約により生まれた五男三女神の一柱であり、その関係から両親である天照大御神や素戔嗚尊も時折登場する。
後は大国主の命であったり、大黒天であったり、世に怨霊と呼ばれている方々だったりが登場する。
そうそう、七福神の方々もなかなかに印象深い会話をされる。
一言も話されなかったが閻魔大王も登場された。
古事記や日本書紀には登場されないが重要な役割を担っておられる瀬織津姫も登場された。
元天皇と呼ばれる方々も数名登場される。
昨日お披露目の十一作目では菅原道真公がお話しを聞かせてくれている。
他にも特集よろしく単発で登場される神や仏もいらっしゃり、個性豊かな神や仏の素顔 (?) を見せてくれている。
最後に主要な登場人物として竹本というのがいる。
彼は神でも仏でもなく、ただの人間なのだが、神や仏の姿が見えたり話したりできる。
それ故に神の一柱と恋に落ちたり、様々な出来事に巻き込まれたり、時として人間の代表のような会話をしてしまったりと活躍が目まぐるしい。
noteでは毎週月曜日に更新して、十一作目までが公開されているが、実際には十九作目を書いている。
だが内容がまとまらず、自分の予定よりはかなり遅れている。
まだまだ書きたいと思う神や仏はいるのだが、この辺りが限界かとも思いだしているので、終了となることも覚悟はしている。
できれば二十作、キリの良い二年分の二十四作までは頑張りたいのだが・・・。
この番外編はnoteだけの公開だ。
「旦那様、今日は静かですね」
「多紀理は賑やかなのが好きだもんね」
「たまにはこんな日もいいんじゃないですか」
「竹本、いるか?」
「はーい、奥にいますよ、どうぞ上がってください」
「邪魔するぞ」
「月様、どうしたんですか?」
「おじ様、旦那様と二人でのんびりしてましたのにお邪魔虫ですよ」
「悪いな多紀理、でも総集編なんだろ?」
「何のことですか?」
「お前たちには連絡来てないのか?」
「だから、誰からのどんな連絡ですか?」
「総集編やるから、みんな集まれって作者から」
「全然聞いてませんよ。というか何考えてんだあの人は」
「俺たちには連絡が来てるから、手隙の奴らは続々とやってくると思うぞ」
「お姉ちゃーん、真ん中のお姉ちゃん連れてきたよー、総集編てどういうことよ?」
「宗像三姉妹が揃ったわけだな」
「竹本―、母ちゃんと―やってきたぞー」
「姉と弟が来たわけか」
「こんなに次々と来られては入りきれなくなりますよ」
「竹本、少し早く来過ぎたか?」
「これは瀬織津姫、ご無沙汰しております」
「竹本って人間様はいらっしゃるかな?」
「これは大黒様、大国主とご一緒でしたか」
「竹本氏、相方と一緒に来たわよ」
「これは元天皇のお二方、わざわざお越しいただき恐縮です」
「遠慮は無用だ。私たちの仲ではないか」
「竹本氏のお宅はこちらかな?」
「これは天神様、良くおいでくださいました」
「竹本、まだまだ来るんじゃないのか? どうするんだ」
「何も聞いてませんから知りませんよ」
「旦那様、どうするんですか?」
「この状態だと鞍馬のややこしいヤツもそろそろ来るだろうし」
「ああ龍神ですね、乗りすぎて火でも吹かれたらたまりませんね」
「おーい竹本、やっと着いたわー」
「これから何が始まるんだ?」
「何も聞いてないんだって」
「こんなに集まることってないよな」
「まるで神在月の出雲みたいだな」
「普通に話してるだけでも楽しいじゃない」
「収拾つかなくなってきているな」
「おーい作者、何とかしろよ」