見出し画像

余命宣告

 今日も古事記ネタになってしまった。
 実は明日も古事記ネタになる。3日連続など初めてのことだ。

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれないし、別に自慢にもならないが、私は長年古事記を愛し、古事記を学び、古事記に親しんできた。
 また、それに類する書物もいくつも読み進めてきた。
 それでもわからないことや理解できないことはたくさんある。
 なんなら今の方が読み始めた頃より疑問点が多いくらいだ。

 古事記の中にはいろんな学びがあるのだが、その中の一つに寿命というものがある。
 神は本来寿命がないとされている。だがある事件をキッカケに神にも寿命ができてしまう。
 このお話は有名なのでご存知の方も多いかもしれないが、かいつまんでお話ししよう。とその前に一つお断りをしなければならない。
 登場人物は昨日投稿した『サクヤ』とほぼ同じであるが、向こうは物語、こちらは古事記の記載に則っていることをご承知おき願いたい。
 では、続きをどうぞ。

 木花咲耶姫コノハナサクヤヒメ磐長姫命イワナガヒメノミコトという姉妹がいた。
 天照大神アマテラスオオミカミの孫である邇邇芸命ニニギノミコトが木花咲耶姫を見初め、妻にと求婚する。
 娘たちの親である大山祇神オオヤマツミノカミが、キチンとした意図を持って姉妹ともに邇邇芸命に嫁がせた。
 しかし邇邇芸命は妹だけを妻とし、あろうことか姉を送り返してしまう。
 姉妹の親である大山祇神は姉妹それぞれの漢字が表すように「花のように華麗に、岩のように盤石に」との思いを込めて嫁がせたのだが、姉が送り返されてしまった。つまり意図の中の盤石がなくなったことになる。
 結果として花のように華麗には過ごせたものの、花の命は短くて…………の通り、寿命ができてしまったと書かれている。

 実はほとんど話題になることはないが、古事記の中には神だけでなく人間の寿命に対しても書かれた一文がある。
 そこには人の寿命は神が差配し決めているとある。ただし、人の望みや行ない、想いの強さなどによって若干左右するとも書かれている。
 簡単にいえば神にとっての善行を積む者が望めば、寿命が少しは伸びるとも解釈できる。逆に神の機嫌を損ねれば寿命は縮むのかもしれない。

 そこで、寿命または余命ということについて考えてみた。

 例えば今、自分の余命を告げられたらどうするだろう?
 しかも医者ではなく神に余命を告げられたら…………

 実はわたしは血圧が相当高い。以前医者に診てもらった時には死にますよと言われたくらいだ。しかも現状なんの治療もせず薬すら飲んでない。
 必然的にあちこちに影響が出るが、まだ生きている。

 毎日『明日は生きてる保証がない』と思いながら恐々眠る。
 目覚めた時は生きてることを喜び感謝することから一日が始まる。

 だからたとえ余命宣告されたとしても動じないだろうなという思いはある。だが一方でどうなってしまうのか不安でもある。きっと一度も死んだことがないからなんだろうな。

 『余命宣告』
 重い言葉ではある。
 でも何年も先、あるいは何カ月も先はごめんだ。
 長くて数日 そう五日ぐらいが適当かな。

 五日もあれば「ありがとう」や「さようなら」を告げるには十分だ。
 あとは身の回りの整理でもするか。

 何かをするだろうか?
 あるいは何もしないのか?

 誰かに逢いたくなるだろうか?
 あるいは誰にも逢わないのか?

 何かを残そうとするだろうか?
 あるいは全てを処分し何も残さないか?

 走馬灯が巡ると言われるように、想い出に耽るのだろうか?
 それとも必死に生を求めて足掻くのだろうか?

 できることなら飄々としていたい。
 でもきっと無様な真似をするんだろうな。

 心残りがあるとすれば、孫の成長を見られないことと、日々触れられるところにおっぱいがないことだろうか。
 一体いつからおっぱいに触れてないんだろう?
 思い出せないくらい遠い昔だったろうか?
 そんなことはないはずだが切実な問題ではある。

 そんな時に寄り添ってくれる人がいてくれたら…………
 どこかにそんな人いないかなぁ。

 宛てはないけど恋文でも書いてみるかな。


 まだ見ぬ君へ

 お願いだから俺の側にいてくれないか
 ただそれだけのことでいいんだ
 例えば同じソファーで隣同士に座る
 例えば膝枕をしてくれる
 例えば添い寝をしてくれる
 いつも温もりを感じられればそれでいい
 空間を共有できていれば互いに好きなことを…………

 なんて言えないし、書けないよ


 こうなれば最後の手段。
 どなたかおっぱいだけでも貸してくださいませんか?(←結局そこかぁ)

なお、こちらも有名なシーンですが、古事記には熱い恋文が交わされるシーンが何度もあります。
また、古事記に人の寿命や余命の書かれたシーンは見つかっていません。

この曲はこれでも母🐿️みんみん🎄さまに教えていただきました。

吉乃/なに笑ろとんねん


#恋文求ム #古事記 #寿命 #余命宣告