見出し画像

横須賀の歴史、文化、産業の「地層」を感じる芸術祭で、まちに魅了される

私が住む静岡県三島市の三島満願芸術祭2024のキュレーター、青木彬さんが手がける、横須賀の無人島・猿島と市街地を舞台にした芸術祭「SENSE ISLAND/LAND」に行ってきました。

豊かな自然と文化が息づく横須賀の魅力に圧倒され、芸術祭を通して街ごと楽しむことができるので、是非行ってみてほしいと思いました。
会期は12月15日(日曜日)まで!

駅を降りてすぐの景色から個性的な横須賀

三島からJRを乗り継いで、横須賀駅へ。
駅を降り立ってすぐのヴェルニー公園では間近に見える護衛艦に圧倒されます。

初めて見る景色で、思わず声が出ました。

整備された公園には、すてきな外観の「ヴェルニー記念館」と「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」があり、無料という文字に思わず立ち寄ると、分かりやすい展示で、日本の近代化の起点とされる横須賀製鉄所や軍港都市としての歴史的背景について知ることができました。
ここまで横須賀駅を降りて30分程度。駅周辺の設計に驚かされるばかりです。

歴史の展示ボードがたくさん掲示されています。
当時の版の復元。右から読むと「ヨコスカ製鉄所」
ティボディエ邸に置かれた横須賀の名所の写真カード。裏に説明があり、自由に持ち帰れます。


芸術祭「SENSE ISLAND/LAND」の猿島会場は夜なので、
まず「YOKOSUKA軍港めぐり」に参加。
45分間のクルージングツアーでは、アメリカ海軍や海上自衛隊の艦船を間近で見学でき、案内人のライブ解説を通じて艦船の名前や役割、そして歴史について学ぶ貴重な体験ができました。

チケット売り場
奥に見える船で移動しました。
日本で2機の潜水艦が停泊していました。潜水艦を見たことがなかったので建物かと思いました。
米海軍のイージス艦。空母ジョージ・ワシントンを守るために配備されているそうです。
横須賀のゴミ処理場
海上自衛隊のイージス艦


その後は、ドブ板通りを散策しながら非日常の街並みを感じます。

横須賀といえば、スカジャン!
不動産屋がとても多いのが印象的でした。


世界三大記念艦の1つ「三笠」へ。艦内は博物館にもなっていて、歴史好きの夫の解説のおかげで知識を深めることができました。

東郷平八郎と戦艦「三笠」。「皇国ノ興廃此ノ一戦二在リ」と書かれた石碑。
とても広い内部。ここはまるで学校のようです。


芸術祭「SENSE ISLAND/LAND」

今回の目的である、猿島へ。
三島満願芸術祭の仲間と合流し、三笠ターミナルから猿島へ。

猿島に上陸!
携帯は封印し、ライトと貝殻を渡されていざ出発!
貝殻で目を閉じて感覚を研ぎ澄ませるスポットがあります。

作家は19組以上。
往復の船は決められているので、島に滞在できる時間は1時間半程度。
島に入る際の注意事項で、携帯は封筒に入れて封印するので、自然と五感を研ぎ澄ませて記憶に刻もうと集中するため、訪れる前の感覚より時間を十分に味わえた気がします。携帯がないだけで、時間の流れ方が変わりますね。

なんとこの日は、三島満願芸術祭やSENSE ISLAND/LANDにも参加されている作家の水戸部春菜さんがいらして、鑑賞後にはヨコスカネイビーバーガーで夕食を共にする、楽しくて嬉しいひとときを過ごしました。


横須賀美術館と忙しい東京湾

横須賀に1泊し、翌日はバスを使って横須賀美術館へ。
少し早く到着したのでウッドデッキが整備された海沿いを散歩。

丘の上に見えるのが横須賀美術館
東京湾の澄んだ水にびっくり!

快晴だったため、対岸には横浜みなとみらい、レインボーブリッジ、新宿のビル群、川崎工業地帯、スカイツリー、そして千葉まで見渡すことができました。

オペラグラスで見ると対岸の様子がはっきり見えました。

浦賀水道を行き交うタンカー船やコンテナ船、大量の漁船と釣り人、海上保安庁の巡視船、鴨に鵜 etc。東京湾は忙しい。
この街の独特の雰囲気は、こうした行き交う物と人でつくられていったんだろうなあ。綺麗な水と忙しい東京湾が共存する景色が見られたことは今回の新鮮な発見。


クリアで開放的な館内の横須賀美術館

建築家・山本理顕氏の設計によるもので、観音崎公園の森をバックに東京湾を望む形で建っています。「環境全体が美術館」をテーマに、周囲の海や森と調和する開放的な美術館でした。屋上から見る屋根は森の一部になっていて、その一体感ため息が出ました。

美術館に併設された、有名シェフが総料理長を勤めるイタリアンレストラン「アクアマーレ」。
とても居心地のよいレストラン。ランチは予約でいっぱいでしたがカフェ利用できました。


帰路の横須賀駅では、米原子力空母の入港反対デモや米軍への抗議デモ、右翼街宣車、大量に配置された機動隊や警察のヘリが飛び交っていました。
前日の雰囲気とはまるで異なる景色でした。


歴史や文化、産業という「地層」を感じることができた、魅力ある横須賀。
色んなことを考えさせられる、芸術祭と街、という印象を受けました。

感覚が冴える気持ちになるので、横須賀の街歩きと「SENSE ISLAND/LAND」に是非行ってみてほしいと思いました。


SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024

会場:猿島および横須賀市街地(神奈川県)
会期:2024年10月26日から12月15日(日)
猿島会場:金曜、土曜、日曜及び祝日の夜間 ※金曜の開催日は後日発表
市街地会場:会期中の日中
で開催中。


いいなと思ったら応援しよう!