夫の脳梗塞発症時に思ったこと。救急車よぶか呼ばないか判断に迷ったら、#7119へ相談
「救急車よんだほうがいい?それとも今すぐ病院?」と迷ったことはありませんか?
先日、夫が脳梗塞を発症した現場に居合わせて、救急車を呼ぶか呼ばないか悩み、ためらい、ちょっと後悔しました。幸い、夫に重大な後遺症は残りませんでしたが、退院後は体調不良や再発の不安に悩まされています。
救急関連の啓発活動や訓練では、心肺蘇生法の普及として、意識や呼吸のない方を発見した場合の対応(できるだけ早く119番通報・心肺蘇生・AEDを用いた電気ショックなど)が行われることが多いと思います。
「できるだけ早く119番通報」の対応では、事故現場で"意識なし、呼吸あり”といった場合が多く、意識も呼吸もあるけどなんかやばいかも…みたいなケースの訓練の機会はないように思います(優先順位で仕方ないと思いつつ、ケースとしては多そうだし、救急車の適正利用にも貢献しそうかなと)。
私と同じように、救急車を呼ぶか呼ばないかを悩む人は案外多いかもしれないと思いました。
今回の記事は、救急車を呼ぶか呼ばないかで困った時に、無料相談できるリソース情報です。一緒にいる人の様子が突然悪くなったとき、居合わせた人に後悔しないでほしいと言う思いを込めました!
夫の異変。それは突然に。
6月初旬の休日の午後、うとうとしていたところ、夫の尋常じゃない呼び声で叩き起こされました。
ー 夫「ろれつがまわらない感じがする」
ー 私 「まわっているけど…(え、ろれつはキケン)」「他の症状は?」
ー 夫「後頭部が重い感じ、ふらついて歩けない、力が入らない」
ー 私 「吐き気とか、しびれはない?」
ー 夫「ない」
ー 私「病院いこう!(脳梗塞っぽい?)」
救急車をよぶことを躊躇し、自家用車で病院へ
看護の教科書によく書かれていた脳梗塞や脳出血の症状『後頭部をハンマーで殴られたような頭痛』ではないから危険ではない…?などと思いながら、叫ばれる『救急車の適正利用』や近所の目なんかがよぎり、「救急車を呼ぶほどではないかも?」と躊躇してしまいました。
近隣の病院に連れて行こうと電話で症状を説明すると、当直看護師さんから「休日で脳神経担当はいないのでみれません。救急車?呼んでいいと思いますけど…。多分〇〇病院に行くことになると思います。連れて行く場合は事前に電話したほうがいいです。」と伝えられ、躊躇に拍車がかかったのでした。
教えてもらった病院へ電話し、ペーパードライバーに近い私の運転で夫を病院に連れて行きました。検査の結果、小脳梗塞と診断され、夫は緊急入院になりました。
帰り道、この日は不幸にも豪雨で、その中を少し歩かせてしまったこと(壁に身を預け這うように歩いていました…)や私のポンコツ運転で病院到着まで恐怖と不安にさらし続けたことが思い出され、横になって安心して迅速に運んでもらえる救急車を呼べばよかったと後悔しました。
そして、救急車を呼ぶか呼ばないかは、躊躇するものだと改めて感じました。
知っていれば… 困った時に相談できる資源
1.困った時の救急安心センター事業(#7119)
総務省消防庁が全国展開を推進している「救急安心センター事業(#7119)」は、急な病気やけがをしたときに、#7119に電話をかけると、医師や看護師、相談員が話を伺い、病気やケガの症状を把握した上で、救急車を呼んだ方が良いか、急いで病院を受診した方が良いか、受診できる医療機関はどこか等を案内してくれる仕組みです。この背景には、救急出動件数が年々増加傾向にあり、救急車の現場到着時刻も遅延しがちという状況があります。
(詳細はこちらの公式HPをご覧ください)
- 増え続ける救急出動件数、1年間に国民の20人に1人
総務省消防庁がまとめた令和5年の救急車の出動件数は、救急出動件数は前年に比べて5.6%増の約764万件、搬送した方の数は前年に比べて6.8%増の約664万人となり、どちらも過去最高を更新しています。「年間660万人」というのは、日本の人口から計算すると「1年間に国民の20人に1人が救急搬送された」ことになるそうです。
- ♯7119 の認知度
#7119の導入は、東京消防庁が全国に先駆けて2007年6月から開始されています。幸いなことに、これまで救急車を呼ぶケースに出会うことはなかったこともあり、今まで知りませんでした…。
総務省が2021年1月に実施したアンケート調査では、♯7119 の認知度について、東京都や大阪府など、導入から時間が経過している地域では、認知率が高い傾向にあるものの、全体的に60〜80%は知らないと回答していて、決して高い認知度ではないようです(調査対象者約3,000人)。
- ♯7119の実施地域
全国30地域で実施されていますが(令和6年7月現在)、私が住む静岡県では未実施でした。2024年10月から導入が検討されているようです!
みなさんのお住まいの地域はどうでしょうか?
確認しておくといざという時に役立つかもしれません。
2.全国版救急受診アプリ (Q助)
こちらも総務庁消防庁によって作成された、緊急時に適切な医療機関を迅速に見つけるためのアプリケーションです。救急車を呼ぶべきか、または自分で病院に行くべきかの判断を支援してくれます。
当時の状況を入力してみると、すぐに以下の結果が表示されました。
やっぱり救急車を呼べばよかった…。
3.ファストドクター
全国の医療機関から構成されている時間外救急の総合窓口(プラットフォーム)。
#7119 (救急相談電話)に繋がらない時に利用したい緊急相談窓口(無料)として紹介されていました。
日本語が母語ではない方へ
#7119の多言語対応は実施エリアによって異なるようでした。
日本の医療システムや保険制度を知らず、言語の壁もある場合、緊急時の判断はさらに難しいでしょう。こちらのページが参考になりそうです。周りの人のサポートによって救われるケースは多いと思いので、外国籍のお知り合いがいる方はご紹介ください。
参考:東京都多文化共生ポータルサイト (詳細はこちらの公式HPをご覧ください)
まとめ
突然の家族の異変に出会ったとき、病院に行くかどうか、救急車を呼ぶかどうかの判断は、難しいことだと思います。
以前看護師として病院で働いていたこともあり、もうちょっとスムーズに判断できるものと思っていましたが、救急車を呼ぶ?となるとかなり躊躇するものでした。こんなときすぐに相談できる#7119は非常に役に立つと思います。
#7119は 、全国どこでも対応しているわけではなく、対応地域でも、対応時間が限られていることもあるようです。つながらない時は、「Q助」アプリが参考になりそうでした。
突然の出来事にであっても、スムーズに対応できるように、
今後もお役立ち情報をアップしていきたいと思います!