野坂昭如講演会

「野坂昭如」さんの講演会に行き直接会って話をさせてもらう機会を得たのは1983年のことです。福岡県宗像市赤間の親戚の家に遊びに行っていた私は、東海大学福岡教養部で行われた野坂昭如の講演会に参加し、講演が終わった後の質疑応答で野坂さんに直接質問する機会を得ました。
当時、野坂昭如さんは田中角栄元首相の選挙区である中選挙区時代の新潟三区からの出馬を方々で語っていましたが、そのことで「もし竹下登が明智光秀になったらどうします？何時までも総理候補の出ない派閥はそうなりますよ。実際、田中角栄自身佐藤派でクーデターを起こして派閥を乗っ取りました。宏池会前尾派だって大平正芳がクーデターで乗っ取ったじゃないですか。ほうっておけば田中政治も終わりますよ」と従兄弟が大胆な質問を野坂さんにぶつけたことを憶えています。野坂さんは素人が何を言うかといった感じで諭すように従兄弟の問いを否定していたように記憶しています。
政治に興味あった従兄弟と違って私にとっての野坂昭如はコマーシャルの人であり無頼なイメージの人でしたから横でヒヤヒヤしながら見ていました。
今の私にとっての野坂昭如さんは火垂るの墓の原作者ですね。