クラッシャー木下
1984年に東海大学福岡教養部のアトリエ愛好会のTさんが監督した作品。同年年末にサイボットゴジラを見るために博多を訪れ赤間で毎日新聞の販売店を経営していた親戚の家に泊まったときに、親戚の経営していた下宿(新聞販売店の二階部分)の住人であるTさんを紹介され、彼の手がけた映像作品を視聴することになりました。
その中でこれは5分ほどの特撮ヒーローもので円盤でやってきた異星人を変身ヒーロー「クラッシャー木下」が退治するまでのお話です。
クラッシャー木下は顔にサングラスをかけることで変身します。変身後は
アフロな髪型に黒シャツ赤ネクタイの黒ずくめスタイル。
円盤は「宇宙空母ギャラクティカ」のサイロンベーススターを半分にして下部に1/200戦艦大和の三連装砲塔を付けたもの(ナチスドイツ 円盤型超兵器「ハウニブ」に似ている)。
異星人(顔はオガワゴムのスターウォーズのアクバー提督マスクを銀色に塗ったもので胴体は青のダウン)は人間をゾンビにしてクラッシャー木下を襲わせるが木下は躊躇なくゾンビを殴り倒していきます。焦った異星人はビーム砲を撃って木下を攻撃しますが(ビーム表現は直接フィルムを傷つけるシネカリ方式)木下には効かず殴り殺されます。円盤もパンチ一発で墜落です。圧倒的な強さを見せ「強い絶対に強い」と黄金バットのナレーションみたいな字幕が出て終了します。
監督したTさんはとてもハンサムな紳士だったけど、後に親戚に聞いたところでは博多があまりに楽しく、飲食店でのバイト(中州か川端か)にのめり込んで2度留年して退学し、故郷の徳島に帰られたそうです。
物語の冒頭で学食のクジラカツ定食の東海ランチ250円を食べてる学生が飛来した円盤を発見するシーンや国鉄赤間駅、寿屋赤間店や赤間駅前商店街などで円盤を見上げ指さすシーンなどは今では無くなった昭和の赤間の風景。
東海大学福岡教養部そのものも1990年には廃校になりました。
ちなみにクラッシャー木下は当時国際軍団として全日本プロレスに出ていたラッシャー木村からの命名。本当はクラッシャー木下もラッシャー木村に習って上半身裸で下半身タイツの予定だったそうです。