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子どもの癇癪伴走物語 No.3 HSCを学ぶ

こんにちは。
9歳・6歳・2歳の男の子3人を育てているsatomiです。

小学校1年生の次男が初めての夏休みに入り2週間が過ぎました。
1学期の終業式。
次男には「初めての学校よく頑張ったね。」と声をかけました。
本当にそう、慣れない環境で、きっと私には全てを話してこなかっただろうけれど、彼なりのプレッシャーやストレスを抱えながら、それでも1日も休むことなく登校できた1学期。
良く頑張ったと思う。心から拍手を送りたい。

そして、心の中では「私も伴走お疲れ様!」と自分にも労いの言葉をかけました。
振り返っても、1学期は本当に試練の4か月だったなぁと思います。
次男を受け入れてあげなければ、分かってあげなければと強く思っている一方、時間に追われている私は怒鳴り散らしてしまうことも多くあったなぁ…と。
この、「~しなければ」という言葉の重みに、私自身が潰れそうでした。
正直なところ、母親としての自信も随分失いました。

でも、大変だったことだけではなく、まずは次男を観察してみようという気づきや、子どもの個性や気質について学ぼうと思うきっかけを作ってもらったと思うのです。
次男の言動で気になることやかんしゃくについて調べていくうちに、「HSC」という言葉と出会いました。

HSCとは「Highly Sensitive Child」の頭文字をとった略語で、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン氏が提唱した概念です。
日本語では、「ひといちばい敏感な子」という意味を持ち、診療内科医である明橋大二さんが日本の第一人者として広められていらっしゃいます

提唱者のアーロン氏は、5人に1人という一定の割合で、ひといちばい敏感といわれる子どもが存在していると提唱しています。
この数字だけ見ると、次男だけが特別な訳ではないのだと少し安堵することもできました。

頭を悩ますことが多かった次男のかんしゃくでしたが、HSCの特徴としては、かんしゃくはよく表出することも分かりました。
書籍からHSCかどうかを判断するための下記23のチェック項目を確認すると、次男の長所だと感じていた項目(人の気持ちに敏感・難しい言葉の使用・深い質問を沢山する等)も、HSCの気質として見ることができたのです。

1.すぐにびっくりする
2.服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
3.驚かされるのが苦手である
4.しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
5.親の心を読む
6.年齢の割りには難しい言葉を使う
7.いつもと違う臭いに気づく
8.ユーモアのセンスがある
9.直感力に優れている
10. 興奮したあとはなかなか寝つけない
11. 大きな変化にうまく適応できない
12. たくさんのことを質問する
⒔ 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
14. 完璧主義である
15. 誰かがつらい思いをしていることに気づく
16.静かに遊ぶのを好む
17.考えさせられる深い質問をする
18. 痛みに敏感である
19. うるさい場所を嫌がる
20. 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
21.石橋をたたいて渡る
22.   人前で発表する時には、知っている人だけのほうがうまくいく
23. 物事を深く考える
* 13個以上に「はい」なら、お子さんはおそらくHSCでしょう。

『ひといちばい敏感な子』著:エレイン・N・アーロン 訳:明橋大二(1万年堂出版)

上記項目を次男に照らし合わせてみると、14個。他にもややその傾向はあるかなぁと感じる項目もさらに数個。
特に、生活が一変する小学校入学こそ大きな変化であり、そこにうまく適応することに随分混乱があったのかもしれないそれがかんしゃくとなって現れたと思うと、腑に落ちます。

そして、上記の書籍には強い感情(かんしゃくなど)への対処も記載されており、まさに今の私には胸に刺さるものばかりでした。

子どもが泣きじゃくったり、叫んだり、震えたりしている時に、気持ちを聞いて対処するのは難しいかもしれませんが、ひとりぼっちだと感じさせないことです。(中略)
強い感情をうまく受け入れることで、子どもは、自分の世界が崩壊したと思わなくて済みます

『ひといちばい敏感な子』著:エレイン・N・アーロン 訳:明橋大二(1万年堂出版)

子どもの態度に対して、こちらがどんなに理不尽だと感じようが、やはり突き放すことはやってはいけないのだと感じさせられました。
難しいのですが…

日本の第一人者である明橋先生は、さらに優しく誰が手に取ってもHSCについて理解することができる漫画も出版されています。
これこそ、まさに次男のことを書いているのでは無いかと思うほど、首がもげるほどのうなずきの連続でした。

書籍を中心に学んでいくことで、感受性豊かなHSCは、肯定的なことも否定的なことも人一倍深く受け取り傷つきやすいことも分かりました。

かんしゃくは、その子が傷ついているサインかもしれません。
実際に傷ついているし、それをうまく表現できないから、親に八つ当たりをするしかなくて、かんしゃくになっているだけなのですが、時にはわがままとしか思えないこともあります。
本当はひといちばい傷ついている、ひといちばい助けを求めているのに、それをうまく表現できず、逆ギレしたり、意地を張ったりする、という形で出すので、よけいに怒られてしまうのです。
こういう子に必要なのは、自分をコントロールする力です。しかし、後で自分が困るとわかっていても、反応を止められず、感情的な行動をとって、周りから孤立してしまうのがまた、こういう子の特性です。

『HSCの子育てハッピーアドバイス』明橋大二(1万年堂出版)

問題行動だけに注視してしまうと、どうして分からないのだろうか、どうして困らせることばかりやってしまうのだろうか。
そんなことばかりが頭によぎりますが、実はどう表現するれば良いか分からいないので、かんしゃくという形でしかアウトプットができないのかもしれません。
次男に置き換えて考えてもまさにその通り。

一方、明橋先生は、HSCの長所についても記載してくださっていました。

少し時間はかかりますが、成長するうちに、逆に、優しさや豊かな感受性といった、その子の長所が発揮されて、素晴らしいお子さんに育つに違いありません。

『HSCの子育てハッピーアドバイス』明橋大二(1万年堂出版)

感受性が豊かだからこそ、肯定的な関わりを続けていくことで、潜在的に持っている優しさを伸ばしていけるのだと思います。
確かに!次男を見ていても優しいんですよね。
困っていることを誰よりも先に気づいてくれたり、周りの人の状況に敏感だよなぁと思うこともしばしば。
そこをもっと注目して、褒めていければきっと更に優しい子になるんだろうなぁと私も感じていたのです。

そして、明橋先生は、HSCを持つ親に対しても、自信を持たせてくれることも記載してくれていました。

HSCは、過酷な環境(虐待など)では、とてもいい子になります。親の機嫌を読んで、それに合わせるからです。
逆に、安心できる環境だと、細かいことを聞いてきたり、かんしゃくを起こしたり、文句が多かったり、ある意味、手のかかる子になります。
ですから、HSCが、とても手がかかる状態になっているときは、その環境は、とてもいい環境で、子育てがうまくいっている証拠です。

『HSCの子育てハッピーアドバイス』明橋大二(1万年堂出版)

この言葉にどんなに救われたでしょうか。
かんしゃくを起こされ、どうして対処していいか分からない場面も多く遭遇してきましたが、明橋先生の「子育てがうまくいっている証拠」という言葉だけで、肯定してもらっているようで随分背中を押してもらいました。

目の前で繰り広げられる”今”対処していなければいけないという時に、実行が難しい時もあるのですが…。(いくら頭では絶対忘れたくないと思っていても)

しかし!やはり大事にしていきたいことは

そのままの次男を受けとめ、認めること
この子はこの子のままで大丈夫と腹をくくること

もう一度肝に銘じようと思ったのでした。
今回、HSCのことを学ぶことで、構えすぎていた子育てが少し軽くなったように思います。
そうか、この子はこういう気質を持っているから、こういった言動があるのかぁと、そう思うだけでも。
また、子どもそれぞれの個性があるということも改めて考えさせてもらいました。

同じように、子どものかんしゃくで悩んでいる方の気持ちが少しでも軽くなっていただけたら嬉しい限りです。

今後にさらなる可能性を秘めていると信じて、日々頑張っていきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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