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100年後の那智の滝




( 前回のつづき )




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大きな楠( くすのき )が生えている、熊野那智大社の本殿の向こう側へ行くと、







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大きな寺院の本堂がありました。



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青岸渡寺( せいがんとじ )という寺院で、

日本で最も古い巡礼地、西国観音霊場の第1番札所とされている、非常に歴史のある寺院です。





そして、本堂の奥へ行くと、それが見えました。





視界がひらけて、





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奥に、滝が見えました。






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那智( なち )の滝です。

高さは133mもあります。




滝に向かって右側には、




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那智原始林( なちげんしりん )が、山を覆っていました。







せっかくなので、僕は滝の近くまで行きました。






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滝のまわりは、飛瀧( ひろう )神社の境内になっていて、

薄暗い森の中の道をすすむと、







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那智の滝が、あらわれました。





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この神社では、那智の滝そのものが、御神体となっていました。




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そもそも、なぜ、このような地形ができたのか?

ふしぎに思っていると、わかりやすい解説の看板がありました。




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大滝は、大昔の火山活動と、悠久の風化によって生まれたのですね。





そして、瀧の前にあった看板に、目が止まりました。




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「 100年先も、この滝を残したい。」というメッセージに書かれた右側の文章を読むと、根深い問題を感じました。


右側に書かれていたことを、拡大させてもらいます。↓



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上から6行目に書かれている経済林とは、建材にする目的で戦後に植栽されたスギ林・ヒノキ林のことです。


同じ種類を密に植えて管理( 間伐 )を怠ると、1本1本に光が当たらないので、スギ・ヒノキの葉っぱが十分に茂らなくなり、

同じ種類の落ち葉だけだと、土を育んでくれる多種多様な微生物が生きられないので土が痩せてしまい、スギ・ヒノキの根が十分に伸びなくなります。

根が伸びづらいと、根が土を掴む力が弱まってしまい、土が斜面の下へ流れてしまいます。

土の中は大小無数の隙間があるので、雨が降ったらスポンジのように水を蓄えるために、土が流れるということは、その森林の保水力を大きく失ってしまうことになります。


つまり、管理がされていない経済林は、

大雨が降ると、下流にある川や滝がすぐに増水し、

反対に、雨が長期間降らないと、流れる水は劇的に減ります。


僕は今まで、那智の滝の上流域を5回ほど散策したことがありますが、一帯は想像以上にスギ林が広がっていて、愕然としたことを昨日のように覚えています。


そして、平成23年9月に起こった紀伊半島の大水害によって、この那智の滝も大濁流となって、まわりを崩落させてしまいました。




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この滝まわりの杉林が、平成24年11月に行ってみると、



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このようになって、




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滝の下流域では、大規模な土木工事が施されていました。



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経済林のことを、悪い側面だけで断じたくはありませんが、

上流が、自然のままの森なのか。人が手を入れた林なのか。

このことが、日本一の大滝の姿にも影響を与えているのですね。


大滝の水飛沫( みずしぶき )を浴びながら、森のことや林のことを、もっと多くの人に知ってほしいと、しみじみと思いました。





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太古からの聖地になっている滝のまわりは、





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