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2008年11月8日に日経新聞夕刊に掲載したものを修正加筆したものです。 先日訪れたマサイ族の村で、マサイの人達は廃材になったタイヤを切ってサンダルにしていた。彼らは、僕たちの文明の不用品に独自の工夫を凝らし、上手に生活に取り入れている。 そんな彼らも、金銭のやり取りをする労働にはなじめなかったという。それまで、マサイ族の男達は自分の持っている牛を守り育てることが生活であった。 牛はマサイ族にとって通貨の役割をしていた。何頭牛を持っているかによってその人の財産が決まる。
2008年11月1日に日経新聞夕刊に掲載したものに修正加筆したものです。 アフリカには巨大な"裂け目“がある。正断層で地面が割れ、急な崖がつながる「大地溝帯」は、南はモザンピークから北はエチオピアまで延びている。 地球内部のマントルの上昇流によって、1000万年前に始まったとされる形成は今も進行中で、遠い将来、アフリカ大陸を東西に分けるだろうとも言われる。 この地球規模の造形運動こそ人類の発祥と深く関わっているとの説がある。 溝の発生による大地の隆起は、森をサバンナに
2008年10月25日に日経新聞夕刊に掲載したものを修正加筆したものです。 1ヶ月前、登山家で知人の山野井靖史さんが奥多摩でジョギング中に熊の親子と鉢合わせた。 母熊に鼻と右腕をかじられ、あわや失明という重症を負ったが本人は「向こうだって必死なのだ。ぜんぜんうらんでいない」という。 大自然の猛威と偉大さに等身大で向き合ってきた山野井さんらしいと感心するとともに、野生動物の持つ潜在的な恐ろしさを身近に感じた出来事だった。 そんな折、来年アフリカで子供向けのキャンプの企画