人類、始まりの勇気
2008年11月1日に日経新聞夕刊に掲載したものに修正加筆したものです。
アフリカには巨大な"裂け目“がある。正断層で地面が割れ、急な崖がつながる「大地溝帯」は、南はモザンピークから北はエチオピアまで延びている。
地球内部のマントルの上昇流によって、1000万年前に始まったとされる形成は今も進行中で、遠い将来、アフリカ大陸を東西に分けるだろうとも言われる。
この地球規模の造形運動こそ人類の発祥と深く関わっているとの説がある。
溝の発生による大地の隆起は、森をサバンナに変え、そこに住んでいたチンパンジーと人類の共通の祖先を分けた。
一方は二足歩行をするようになりサバンナを駆け巡り、後の器用に動く手と大きくなった脳を持って世界に進出した。もう一方はいまでも森に住んでいる。
僕はこの大地溝帯を横切り、ケニアとタンザニアの国境に位置するマサイマラ国立保護区に行って来た。多くの観光客が野生動物を目当てに訪れる観光スポットで、僕たちはマサイ族のガイドでナイトサファリウォークを楽しんだ。
夜のサファリはうるさいくらいに動物の声がする。けたたましく鳴くサルの仲間、川の近くでは腹に響くようなカバの声、無数に聞こえる鳥のさえずり。夜は野生動物の大宴会であった。
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