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2009年12月26日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 片山右京さんの遭難の一報を父と北海道のスキー場で聞いた。冬富士山の厳しいコンディションが牙をむき、風によって片山右京氏の同僚2人がテントごと吹き飛ばされ、遭難死という悲しい結末となってしまった。 片山氏の今回の富士登山は南極最高峰ビンソンマシフ(4892㍍)遠征に向けたトレーニングだった。極点に近いところに位置するビンソンマシフは、気温は氷点下50℃、風速50㍍の風が吹き荒れる。装備チェックなど
本記事は2008年2月2日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 最近、高所トレッキングを楽しむ中高年が増えてきている。これは2003年に三浦雄一郎がエベレストに登ったこと、そして中高年の登山人気が高まって、これまで一部の登山家だけが目指すようなマニアックな高所登山が増えてきた。しかし同時に事故も増えた。昨年の遠征時に出会った在ネパール日本大使館付の医師によると、6000㍍以上のトレッキングピークへ出かける登山者の中で日本人の事故が一番多いとのことだ。この背
本記事は2008年1月26日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 数年前、僕たち家族は「冒険の遺伝子」についてのDNA(デオキシリボ核酸)検査を受けた。冒険の遺伝子とは、ある特殊な遺伝子が人々を危険な行動に駆り立てると言うものだった。 それを僕達、三浦家は持っているのではないかと科学者たちは思ったのだろう。最近ではそんなものまで調べられるのかと驚いたものだ。 父の三浦雄一郎は冒険スキーヤーだ。エベレストを初めて滑った男として知られ、その後世界の7大陸の最