歴史って普通の人が作ってる。Ordinary people make history
4年前の今日、アイルランドで同性婚の合否を問う国民投票があった。アイルランドでは不在投票というシステムがないので、投票したい人は全員アイルランド国内の指定の投票所にて投票しなくちゃいけない。当時のメディアによると投票権のある人が約300万人、そのうちの6万人は海外在住者(移住して18カ月以内であれば投票権がある)この6万人のうち、どのくらいの人が実際に投票の為に一時帰国をしたのか分からないけど、私の知人にも実際にオーストラリアや南アフリカから投票しに帰国した人たちがいる。#hometovoteというタグでつぶやいている人がいっぱいいて、それらを見るだけで「一票」を無駄にしないその想いに心が温かくなった。
投票率60.5%。62%の人が同性婚を合法とすることに賛成し可決。アイルランド国内の州によっては賛成票が軒並み70%を超えた地域もあるほど圧倒的な可決だった。アイルランドは歴史的背景もあり国外へ移民していく国民がとても多く、ここ数年は年間2万人前後となっているが2000年代前半は年間4~5万人程度、2009年のリーマンショック以降は年間7~9万というアイリッシュが国外へ移住している。このようなことから政府のデータベース自体の正確さは80%程度だとも指摘されており、それをベースに60.5%という投票率を見てみると、実際のところ8人中6人強が投票へ行ったというようにも言われている。
8人中6人が投票に行くって凄いよね。昨今の日本ではありえない民意の高さ。自分の一票を投票したことにより実際にアイルランドの政治が変わっていくのを経験できるって凄い。国民投票で可否されたことは実際に法律として遅くないスピードで反映されていく。アイルランドの歴史が造られていく1ページに自分が加担しているという実感ができるって素晴らしい。
あれから4年。
今月も友人が結婚した。4年前のあの投票があったからこそ、結婚できる彼ら。
私がアイルランドを好きな理由はたくさんある。民意の高さはその理由の1つ。アイルランド国民であることに誇りを持ち、私がこの国を変えていくんだという気持ちをもっている人たちが多く暮らしている国は居心地がいい。政治と人々の暮らしがとても密接している。まさにあるべき姿だと思う。
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