美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 / 中村 啓

少しお久しぶりになってしまいました。
私にサボり癖があるのがバレますね。
あ、もう知られてるか。汗

この本は知り合いの人に薦められて読んだものです。
その方の説明がとても面白く、期待大で読み始めたのですが、読み進めれば進めるほどその期待を超えていきました。

私が小説の中で1番好きなのはミステリーです。
飽き性な私にとって、飽きずに読み進められるものだからです。
今回も飽きずにあっという間に読み終えてしまいました。

この本はかの有名なあの鳥獣戯画を題材にしたミステリー小説です。
鳥獣戯画を中心に起こる様々な謎。
本当にどうしたらそんなことを思いつくのか、興味しかありません。

物語は、まだ発見されていなかった鳥獣戯画の抜け落ちた部分、断簡が見つかるところから始まります。
その発見されたものが本物なのか偽物なのか、美術業界で権威だった男が、鑑定をした帰りに死亡。
そこで、主人公の所属している美術館の館長をはじめ、3人の鑑定士により本物と判断されるが、主人公はその絵に違和感を覚える、。

この小説の面白いのは、主人公の学生のころの話と交差しながら進んでいくところです。
主人公が学生のころから、それ以前から背負っているなにかがあるからこそ解かれていく謎。

美術館の裏側を垣間見れたり、色んな人の欲望があらわれるようすも面白い。

そして、ミステリーの醍醐味と言えば、最後にくる怒涛の謎解きですよね。
今回も胸と喉の奥が熱くなったのを覚えています。
爽快でした。

日本の国宝、鳥獣戯画から巻き起こるミステリー。
テンポよく読み進められ、かつ日本のよき文化も知ることができる素敵な作品でした。

皆さまもぜひ、お手に取ってみてください。


「 美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 / 中村 啓 」