小さな旅・思い立つ旅|自然と共鳴する建築旅[安藤忠雄で兵庫縦断]
米 と 風 の 音 がすき
といっても、秋風になびく稲穂のことではない。もちろん黄金に染まる稲穂が揺れる様はとても風流ではあるけれど、今回はちょっと違う。
米津玄師 と 藤井風
今、日本の音楽を代表する2人といっても過言ではない。昨年、アメリカ・レコード協会(RIAA)から米津玄師の「KICK BACK」が日本語詞の楽曲として史上初のゴールド認定を受ける。そして今年、藤井風の「死ぬのがいいわ」が史上2人目の日本人としてゴールド認定となる。
徳島の米 と 岡山の風
VaundyやYOASOBIもすごいんだけど、比較的若い世代に聴かれている印象は拭えない。それに比べて、米と風は高齢の方にもすっと入り込んでいる。どこか懐かしさを覚える音と、郷土を思い起こす歌詞。郷愁の音楽。これらが老若男女すべての世代から受け入れられている所以かも?
何はともあれ、米と風の音が好き
新しくも懐かしい、グローバルでローカルで
米 と 風 の 音が好き
自然と共鳴する建築
地方の魅力を可視化させる力は音楽だけのものではない。建築には、その土地の風土や文化の価値に気付かせる力がある。
自然のままでは当たり前すぎて気付かない。建築を介入させることで、気づきのきっかけとなる。建築は、その地に潜在する魅力を顕在化させる装置となる。
兵庫の自然に寄り添う安藤建築
日本海があり、瀬戸内海がある。日本一大きな島があり、港町の神戸がある。摂津、播磨、但馬、丹波、淡路。歴史も風土も異なる個性豊かな五国からなる兵庫には、魅了的な安藤建築が盛りだくさん。
ということで、自然に寄り添う安藤建築を巡る旅でもどうでしょう、という話。土地の魅力を最大限に引き出した建築を、兵庫縦断で巡る旅。
米、森、光、風、海、土
音楽聴きながら旅してみる?
米|和久傳ノ森
和久傳創業の地に、森をつくる
今では蕗のとう、椎茸、桑の実、山椒、柿、柚子など季節ごとにたくさんの実りをもたらし、近くには田んぼもでお米もつくっている。
そんな大地の恵みの真ん中に、芸術に浸る美術館がポツンとあれば、もう最高。
森|木の殿堂
森の中に浮かびががる木の要塞
森の中に忽然と現れる巨大な物体。冬には平気で1mくらい雪が積もる豪雪地帯だから、雪に埋もれることを前提に設計されている。
光|KH gallery
コシノヒロコの自邸をギャラリーに
コシノヒロコに興味がなくても、芦屋奥池の自然に囲まれた静かなギャラリーで、光に包まれる芸術散歩ができればもう十分。
風|風の教会
安藤忠雄設計による教会三部作のひとつ
山上の爽快な環境から「風の教会」と呼ばれる。南仏のロマネスク建築から影響を受けたチャペルは、コンクリート打放しのシンプルな空間が特徴的。
海|兵庫県立美術館
海に突き出た庇が有名な美術館
展示内容に興味がなくても、海と空を眺めることができればそれでいい場所。りんごもあって、ヤノベケンジもある。
土|水御堂
水の下に埋まっている不思議なお寺
直島の地中美術館では美術館を地面に埋め、北海道の頭大仏殿ではラベンダーの丘に大仏を埋め、淡路島の水御堂では池の中に寺を沈める。。言葉にするとバカっぽいんだけど、どれも現地に行くと圧巻で壮観。
さすが安藤忠雄
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