僕たちはどう生きるか
日本仕事百貨主催「文章で生きるゼミ」4回目。
10.15 tue – 1.14 tue 文章で生きるゼミ / しごとゼミ / 日本仕事百貨
今回のゲストスピーカーは、クルミドコーヒーの影山知明さん。
コンサル→ベンチャーキャピタリスト→カフェ店主という変わった経歴の方で、「ゆっくり急げ」という書籍も書かれている。
『ゆっくり、いそげ』影山知明・著(大和書房・刊) | クルミド百貨店
私は影山さんのお名前を少しだけ知っていて。
というのも、私は数年前までコレクティブハウスという北欧型シェアハウス(20世帯)に住んでいて、そこでは住民同士で月に1回話し合いをし、マンションでいう管理費の使い方を決めたり、月に複数回住民同士でご飯を作って一緒に食べたり、あるいは、一緒に活動グループを作って地域向けにイベントをやったり、という一種の村のような暮らしをしているのだが。その住民同士の話し合いのファシリテーターや、大家さんとの間を繋ぐコーディネーター的役割を担っていた組織、NPOコレクティブハウジング社の理事を影山さんが一時期努められていたのだ。
先日もコレクティブハウスの周年祭に影山さんがゲストスピーカーで来て、ご自身がクルミドコーヒーを拠点にしながら、新たに作られた「ぶんじ寮」という「人と人が繋がりあう暮らし」の話をされているのをPODCASTで放映されていたりしたので。
#01 15周年記念トークセッション~ゲスト『クルミドコーヒー』店主・影山知明さん - 幸か不幸か 慣れる | Podcast on Spotify
今回は文章講座という切り口の中で、どのような話をされるのか楽しみにしていた。
コンサルというビジネスの世界から、カフェやぶんじ寮を運営してきた幅広い経験から紡がれる言葉は、一つ一つがパワーワードで力強い。
少しだけ紹介すると・・・
・言葉を武器でなく楽器として扱う。(アンサンブル出来る会話がベスト)
・いい文章は、その人の声が聞こえてくる(作り手の存在が感じられるか)
・AIやデジタルに人は愛着を感じない。
・究極的には一人のためになればいい。それは小さくても遠くまで届く。
人が人を思う気持ちやそのエネルギー、雰囲気、そこから発せられる言葉や文章の瑞々しさや臨場感みたいなものをとても大切にしている感じが伝わってきて。それでいて、不変なもの(=100年先も残る価値)を追求し続けている。そんな温かさとプロフェッショナルさを感じる2時間だった。
最後の質疑応答の時間で、「生きづらい世の中だけど、うちのカフェにきてくれると『ここにいていいんだ。自分らしくいていいんだ』と思えるようなカフェが作りたかった。それはお客さんももちろんだけど、従業員にとっても、そしてその周りの地域にとっても。資本主義経済の中で生きていると、どうしてもお金に依存しがちだけど、今は家も食料も余っている時代なのだから、分け合う・助け合うことで、お金への依存を半分くらい減らすことが出来ると思う。これは資本主義経済への挑戦」というような事をおっしゃっていて、めちゃカッコよかった。
そしてその価値観はなかなかすぐに大規模には広まってはいかないのだけど、芽は色んなところに出ているよ。と。
この考え方に共感してくれるとしたら、「あなたはどうする?」と言われているような感じがした。
文章で生きるゼミは、文章について学んでいるようでいて、毎回「自分はどう生きるのか」を突き付けられている気がして重い。笑
でも、40という人生の節目にそれを考えられることはとても良いタイミングだとも思う。
ゆっくり急いで考えたい。