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真夜中の独り言ドライブ

独り言、言う派ですか?(突然)

私は、とんでもなく言います、独り言。
うっかり目撃されると「え、誰かいるの…?」とドン引きの顔で確認されてしまいます。


これ、私の認知特性(いわゆるVAKモデル)によるものなんだけど、あんまり知られていないようで。(認知特性の記事書いてると思ったら書いてなかった。影響大きいからそのうち書くかも)


学校でカウンセリングしていると、保護者や先生方から時々心配そうに相談をされることがあります。「この子、1人でずっとしゃべったり、笑ったりするんですけど…大丈夫ですか?」って。


えーっとねぇ、大丈夫です。
(もちろん他のこともいろいろ聞き取った上でね)

この子は、しゃべりながら思考整理するタイプなんだと思うんですよ。

だからね、しゃべりに対して「それはこうなんじゃない?」とか途中ではさむと、多分めちゃくちゃ邪魔です。(あ、それものすごく怒られます!)

聞いてくれる相手がいた方が思考整理がはかどることが多いんで話しかけてくると思うんですけど、多分聞いてないなら聞いてないで、1人でしゃべってますよね。(しゃべってる!めちゃくちゃしゃべってる!)

なので、しんどくなければ聞いてあげてください。
で、何か質問されたら聞かれたことにだけ答えてあげてください。不足してるデータを収集してるだけなんで。(あぁ、それもすごく怒られます。聞いたことだけ答えてや!って)


…みたいなお話をするんですよね。

紙に書いて思考整理する人は「よく考えてえらいね」って言われるのに、しゃべりながら思考整理する人は「アブナイ人」扱いを受けてしまう不思議。

独り言にも、もう少し市民権が欲しいです。
ま、怪しむ気持ちは分かるんですけどねー。
(怪しいよね、実際)



さて、そんな独り言星人な私は、じっくり考えたいテーマがある時に、独り言に集中すべく、独り言ドライブに出掛けることがあります。

集中って、1人暮らしなんだから家でいいじゃないか!とツッコミたくなるんだけれど、車は集中度合いが格段に高まるので、考えごと好きな方はぜひお試しください。

車は、景色が動いてるのがとても良いのです。
脳が活性化するから、頭がよく回ります。
"歩きながら思考するとアイディアが湧く"と同じ原理ですね。


近頃、自分の苦手なことをしなければいけないことが多くて。いや、違うか。

正確には、本当はそんなに苦手じゃないんだけど、苦手な方法で、苦手なルートで作業をしなければならない"ような気がする"(ここ大事)ことが多くて。

頭がすっかりフリーズして、時間はあっても何も進まない。

これはいかん、分解して整理しよう!
と、久しぶりの独り言ドライブに出たのです。


私の独り言ドライブの定番は、比較分析。
しんどい気持ちをしっかり吐き出してから、ゆっくり、落ち着いて、ケースを比較する。

あの場合は上手くいくのに、この場合は上手くいかないのはなぜなのか。
同じように見えるのにブレーキがかかる時とかからない時があるのは、なぜなのか。
もっとしんどそうな状況に思えるのに、走り抜けるケースがあるのは、なぜなのか。

どこが似ていて、どこが違うのか。
発動条件は何なのか。
どの部分が人間がもつ本能で、どの部分が自分がつくった思い込みなのか。

これはもうね、分析を趣味にもつ人間に育ったことに感謝するしかない。

結局この日、辿り着いたのは思考の順番を間違えると、私はフリーズするという結論でした。


私が本当にやりたいと思ったことを、自分で責任をもってやると決意してから動けば、人の目は気にならなくなる。

でも、人に合わせて、人がどう感じるかを考えて、そこに寄せて動こうとすると、私はルートを見失う。

いわゆる"自分軸"と"他人軸"というやつ。


…結論に辿り着いてしまえばなんてことないけれど、その"なんてことない結論"に辿り着けなくなってしまうのが「混乱している」ということです。

だからね、混乱してる人を前に「あんなん普通に考えたら分かるよね!」って言わないでほしいんです。
普通に考えられないから、困ってるの。

混乱している人の目の前に、冷静なあなたがいるのなら、その混乱を紐解けないか、考えてみてください。

自分では難しいと感じた時には、紐解ける人に繋いであげてくださいね。
目の前にいるのは「困った人」ではなく「困っている人」です。



さて、そんな極めてシンプルな結論に辿り着いた時に、ある光景が頭に浮かんできました。

それは高校時代、自転車通学をしていた頃の私。

片道1時間の自転車通学をしていた私は、つまり毎日、往復で2時間の独り言タイムを手にしていました。(1日2時間×週6日×4週間×12カ月…、すごい時間!怖い怖い笑)


独り言タイムには本当にいろんなことを考えていたのですが、今でも強く印象に残っているのは、意思決定の方法についてです。


やりたいことと、やれない現実との間でグラグラと揺れていた私は(あ、音楽をやっていました)毎日のように泣いていました。

やりたい。でもできない。やるべきじゃない。でもやりたい。
どうしていいか分からなくて、毎日が辛くて辛くて、ほぼほぼ3年間泣いてました。多分人生で一番泣いてた。


何をどう決断すべきか悩みに悩んだ私は、ある日、決断の方法を決めることにしました。

「まっすぐ選んだなら、間違ってない!」

自分の想いに嘘がないのなら、自分が本当に望んでいることであるのなら、そこに打算がないのなら、その決断は間違ってない!


それからは、自転車をこぎながら、毎日のように自分に聞いていました。
「それ、まっすぐ?」「まっすぐ決めようや」
「他のことはそれから考えればいいよ」

そして決断した後は、毎日のように自分に話しかけていました。
「大丈夫、まっすぐ決めたじゃん」
「間違ってないよ」「まっすぐなら間違ってない」



そう、これ、先日の独り言ドライブで辿り着いた結論と同じことだったんです。

まずは私がどうしたいかを決める。
その他のことは後から考える。


これね、気づいた時に思わず笑ってしまいました。

20年近く前に結論出とるじゃないか!
というか、高校生の私、賢くない…?

当時、何の知識もなかった私が、自力で辿り着いた結論。(やるじゃん)


でもね、高校生の私がこの結論に辿り着くまでには何年もの時間がかかったし、かなりの量の涙を流しました。

これ、思考整理のプロに頼ってたら、どうなってたんだろう。
もっと早くこの結論に辿り着けたんだろうか。
あんなに毎日、泣かずに済んだんだろうか。
もっと、本当にやりたいことにリソースを割くことができたんだろうか。


当時は、高校の先生方や友だちがとってもたくさん支えてくれていて、それはもう、本当に本当に有り難かったです。

でもあれは、高校生が抱えるべき課題だった?

高校生の私が抱えるべきものじゃなかったし、
高校生の友人たちが抱えるべきものでもなかったのでは?


そしてもっと言えば、私が抱えていたその課題は、別に高校生になってから発生したものじゃない。
中学生、小学生、いや、それよりも前からだった。

私がカミングアウトしたのが、高校生の時だっただけのこと。




そう考えるとね「SOSを出していない=大丈夫」だなんて判断することは、到底できないなと思うんです。

そしてそんな、隠れているかもしれないSOSに気がつくことができる場所が、子どもたちに一斉に網をかけることができる場所が、学校だと思うんです。



自分の意思で環境を選ぶことが難しい子どもたちが、環境によって苦しい思いをしなくていいように。本来傷つかなくてよかった子どもが、不当に傷つけられることのないように。

困っている子どもが「あの人になら話してみてもいいかも」と思う大人が、1人でも多くそばにいる環境をつくりたい。隠れているかもしれないSOSを見落とさない環境をつくりたい。


だからこそ私は、"学校"にこだわる。
学校が子どもたちのインフラ的存在である限り、
私はきっと"学校"にこだわり続ける。

それが今の私が絶対に譲ることのできない、信念。



…こうして、フリーズした頭で始まった独り言ドライブは、20年前の結論と、今の私の信念を再確認して、終了したのでした。

いつか、高校時代の自分に出会ったら「キミはえらいぞ」と、たっぷり褒めてあげようと思います。(急にファンタジー)


結論と信念を忘れないための、長い記録でした。
読んでいただいた方、ありがとうございました!



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