#2 好きなものを語る②

前回に引き続き、ただ私が好きな曲を好き勝手に紹介していくお話。

正直、他人の好きなものに興味を持てない気持ちがとってもわかるタチなので、誰にも読まれないものだと思って今日も心の内を曝け出すことにする。

微炭酸シンドローム(feat.阿部真央) / KREVA

第2弾はこちら。実は出会ってからまだ浅いけれど、相変わらずアップルミュージック個別アカウント集計によると2020年〜2021年で再生回数トップ5入りという記録を叩き出した。

出会いは1人ドライブ最中に何気なく流れていたラジオ。
思わず赤信号の停止のタイミングでfm802のNowplayingを確認した(本当にダメ、ごめんなさい)。

何が好きでどこに惹かれたか、伝わればいいな。

阿部真央の声

女性ボーカルから始まるこの曲を聴いた瞬間、「porinか?」と思わずAwesome City Clubを連想させるような可愛らしい印象を持った。

Awesome City Clubは元々好きで、ライブへも何度か足を運んでいたため「オーサムでも聴いたことないぞ、なんだこの曲は」と、衝撃的な出会いをしたのを鮮明に覚えている。

ビートは遅くないものの、イントロからのギターがゆったりと色っぽく、その"女性ボーカル"を乗せてどこかへ運んでゆく。

そんな歌い手が阿部真央と発覚した時は不思議と嬉しく思った。

パワフルな阿部真央、とっても乙女な阿部真央、恋愛に纏わる彼女の曲で色んな声色を持っていることは知っていたが、こんなにも甘く、どこか切ない声は初めてで女の私でもドキリとした。

男性を誘惑するに相応しいまである。

後ほど紹介するが歌詞の相乗効果でしっかり"重い女"になってるのが好きだ。

女性の誘惑、それに対する男性の心情を表す歌詞

女性/男性パートに分かれた曲だが、これはあくまで男性側の立場を引き立てるための"女性"の声であり、単なる気持ちの掛け合いではない。

冒頭で阿部真央がKREVAにこう語りかける。

踏み出せば何もかも はじけて崩れるのに
触れてはいけないと知ってても 求めてしまう貴方を
強く....強く....

先程の"重い女"は、こちらの部分だけで読み取れるだろう。

一方、これに対するKREVAのアンサー(心情)は以下の通りである。

初めてのように はじけたいのに
何でか知らないが またも掛かるストッパー
どうして絶好のチャンス 掴みたがってるのに逃す
本当は天まで飛ばすくらいの気持ちなのに 天邪鬼

阿部真央、KREVA共に「はじける」という表現がしてあり、KREVAは"はじけたい"とまで言うのに既に迷いが伺える。

2番では阿部真央が更に甘い言葉で畳み掛ける。

早くこの手奪って 連れ去って ひとつになろう
誰の手も届かぬ場所で 密やかに溶けてゆこう
熱く....早く....

"浮気"、"駆け落ち"さえも連想させるこの激重フレーズで阿部真央がこの曲を盛り上げる。

しかしKREVAの心情はこうだ。

遂に時計は止まったまま 動かなくなりずれるいっぽう
調子良い奴に増える嫉妬 くたばりゃいいとは思わないが
ホント羨ましいったらありゃしない だらしない
なんでこうなってしまうんだ
気が付けばまた 気持ち微炭酸


KREVAがラップパートなので言葉数が多くなるのは当然だが、
女性側の「渇望」「逃避」「翻弄」
男性側の「葛藤」「憧憬」「不満」
一部抜粋した歌詞で、双方の気持ちのすれ違いをはっきり認識することが出来ると思う。

そして終盤を迎える阿部真央の歌詞はこうだ。

報われない愛ならば せめて今、抱き寄せてよ
触れてはいけない貴方を 朝が連れてゆく前に
強く....

目の前の"貴方"をきっと手に入れれると確信していた。けれどここで新たに窺える彼女の感情、きっとそれは「弱さ」だと私は思う。
そして、阿部真央に残ったのは「渇望」でもなく「独占」でもなく、「孤独」なんだと思う。

この後KREVAはなにもアンサーを残さずこの曲を終える。

長くなるのでもう多くは語らない、男性の煮えきらず冷めてしまった恋愛もどきの感情を"微炭酸"と表現したKREVAに拍手。

更に"誘惑"をチラつかせるメロディーライン

これから話すことは本当に自分の感覚でしかないけれど、阿部真央のパートのメロディーラインがとても好きだ。

言葉にするのが難しいけれど、阿部真央パートの3つ目の小節(1番の歌詞なら「はじけ[シ♭]→て[ファ]崩れるのに」)が特に好きで、高音から低音へ移ることで実際の相手への囁き(誘惑)のように感じる。

甘い顔して縋ってそうで、でも実は憂いを帯びているような、阿部真央のそんな表情が自然と浮かぶ。

そういった意味で言うと、今回のこの曲中では女性の方が一歩上手な立場なのかも、という仮定もできるだろう。(ラスサビの歌詞で阿部真央の切ない本心が見えるので余裕のある女に位置付けることができない、、、)

最後にチラッと好き勝手理論超無視の楽曲的な話をすると、イントロからずっとバックに聞こえるコード進行。

1音目からルートはA♭、ギター?でソ♭シ♭を奏でて互いにぶつかって、不安を煽る。
次の音ではギターは大きく動かないのでソ♭シ♭は延びてるけれど、ルート音がB♭に移ることでまた大きく感情が揺さぶられる。

3つ目の和音。相変わらずソ♭シ♭が鳴り続けるルートにはG♭が合わせられててようやくホッとする。
ちなみに3つ目の和音は先程阿部真央が相手へ囁くポイント(勝手に仮定した)である。

4つのコード前半の2音で男性の葛藤、後半2音で女性による安心感が表されてると、私は思ってる。(これは考えすぎ、うまく託けただけ笑)

4つ目のコードでは綺麗にE♭に落ち着いてる。このコード進行で、女性に翻弄されている男性の内に秘めた矛盾が伝わってくる気がした。


*****


自分でも「こんなに書くこと多いのか....!」と思うくらい言葉がまとまらなかった。

毎回こんなに長かったら本当に続かないと思うから文字数減らしたいところだけど、、、(完成に1週間くらいかかる)

今回も好き勝手に綴ってるのでお手柔らかに。

お門違いな表現や捉え方、多数あると思うのでもちろん異論は認めます。

本格的に夏が終わる前に是非聴いて欲しいです。


おわり

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