『草枕』朗読CDを聴く
本はいくつも同時進行で読むタイプなので何冊か読んでいますが、最近わたしは、なんとなく『草枕』の気分です。
なぜでしょう。なんとなくなので自分でもよくわかりません💦。
しかし、こういう「なんとなく」の感覚、けっこう大事にしています。この感覚とか勘だけを頼りにして歩いてきたようなものですので😊。
そんなわけで、『草枕』を図書館で探しました。
文庫がいくつか見つかりましたが、今回ご紹介したいのは、CDです!
新潮社から2002年に朗読CDが出ていました😊
作品紹介もかねて、CDの箱に印刷された説明を引用します。CDは(上)(下)ありました。
ではまず(上)から。こちらはCD三枚組です。
『「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」こう考えながら山路を登った画家は、ある温泉場で那美という不思議な女性と出会う。詩情豊かな美的世界を絢爛な語彙と多彩な文体で描く漱石文学の名作。』
そして(下)は、CD二枚組です。
『人の世の住みにくきを憂い、非人情という美の世界へ旅する一人の画家の思索の中に、自然派や19世紀西欧文学への批判を縦横無尽にちりばめる。主人公の画論を通じて漱石独自の精神世界を展開する不朽の名作。』
作品への、端的でわかりやすい説明を引用しましたところで、
さあ、ここからは、わたしの個人的感想です!
CDの朗読が日下武史(くさか・たけし)さん。「劇団四季の結成に参加。以後、舞台、吹き替え、ナレーションに活躍」と書いてありました。この日下さんの美声が、作品のイメージにピッタリ合っていて、なんかもうとにかく最高です!(わたし、けっこう声にこだわるのです。)
作品内容は、主人公である画工の、芸術論的な話が続いていくのですが、聴きながら、これは文学論だなあと感じました。
文章を書くとき、あるいは人生において、僕はこういう風に考えているんだという漱石先生の話を、近くでうんうんと頷きながら聞いているような、そんな感覚を抱くことができます。
これがまた妙にリアルでして、そのうち漱石先生が夢に出てきて『草枕』を朗読してくれるのではないかという、そんな希望すら生まれています。
これはいいぞ!嬉しさに飛び上がりました。この朗読CDすごいぞ!
「朗読CDを聞く」という、新たな読書の魅力に触れ、大興奮している今日この頃です。
お読みいただきありがとうございました😊