見出し画像

21. デンマークの夏至祭

今回は2020年6月にお祝いした、デンマークの夏至祭の思い出。

北ユトランド半島でボランティアステイしていたので、夏至祭当日は、ボランティアホストの家族、ボランティア仲間、ゲスト(ボランティアホストが経営している宿泊施設のお客様)と一緒にデンマークらしいお祝いしてみました。


北欧の夏至祭といえば(某映画の影響もあり)スウェーデンのが有名ですが、デンマークもそれはもう、大々的に祝います。冬が寒くて暗いぶん、1年で1番明るい日はもう嬉しくて堪らないんでしょうね。
デンマークではリアル夏至の日(2020年:6月21日)ではなく、聖ヨハネの日(2020年:6月24日)の前夜に夏至祭があります。キリスト教伝来前(10世期より前)、北欧神話が根付いていた頃から北欧では、1年で1番明るい夏至の日に最も「魔」の力が高まるから魔除け的な行事をしていたらしいです。後にキリスト教が伝来してからは、「聖なる焚き火(聖ヨハネの火)」で魔女を追い出す」風習に代わっていったそうです。

画像1

画像2

焚き火って言ってもキャンプでするようなほっこりする感じのやつじゃなく、身長よりも高い篝火的なやつ。何が何でも魔女を追い出すんだと言う気概が感じられます。
魔女の人形を子の火で焼くっていう、なかなか凄い祝い方をする地域もあるらしい。ヨーロッパに根付く魔女信仰はすざましく、ボランティア仲間のイギリス女子は「昔は魔除けのために黒猫(魔女の使い)を火に投げ入れたりしてた」なんて恐ろしいことも言われ、メルヘンな北欧、メルヘンなヨーロッパのイメージを笑顔でぶち壊してくれました(笑)

画像3

夏至祭当日に寛ぐホストの飼い猫。君、今の時代に生まれて本当に良かったね。時代が時代なら数時間後に焼かれてたよ(震)
ファステラウン(北欧版ハロウィン。魔除けのために黒猫の入った樽を叩き壊す風習がある。現在は黒猫の絵が描かれた樽を壊す)の時も思ったけど、黒猫側からしたら恐ろしいイベント多すぎでしょうデンマークさん…。

画像4

夏至祭は夜9時ごろから焚き火。それまでは素敵な茅葺き屋根のお家の前でガーデンパーティしました。ホストのお父さんが狩ってきた鹿肉で作ったソーセージとか

画像5

画像6

ワインで乾杯。さすがデンマーク、バイキングの国はパーティの食事もワイルドスタイルなんだなぁ。

玄関前には魔女の人形も飾られてました。逃げて、早く逃げて、焼かれるから(汗)

画像7

ご飯食べた後はバーニングファイアータイム。篝火を囲んでみんなで伝統的な歌を歌ったり、花火を魔女に見立てて焚き火に投げ入れたり。なかなか貴重な経験ができて楽しかったです。

終盤、ホストの息子くんがイキイキとネズミ花火的なものを「あっち行け魔女!」って言いながら投げ入れてました(笑)

画像8

画像9


ご近所さんたちもこの日は外でディナーを楽しんで、日付変わる頃まで真夏の世の夢を楽しんでました。日本では中々夏至を大々的に祝ったりしないので、興味深かったです。

ちなみに、イングリッシュガールズたちの「夏至は明るくて楽しい日の折り返し時点」と呟いていたのが印象的でした。夜が暗くて寒い国の人たちからすると、夏至は特別な意味があるんでしょうね。折り返しと言っても、9月までは結構夜も明るいですけどね。

画像10


そういえば、ヨーロッパに根付く「黒猫+魔女」の文化が日本に伝来したおかげで、ほうきに乗ってお届け物をするアイツとか、月に代わってお仕置きする人がでる名作アニメが生まれたと思うと、胸熱ですね。ありがとうヨーロッパ。素晴らしい文化を伝えてくれて。
そんなこんなで、デンマークの夏至祭を満喫しました。Vi ses!

頂いたサポートは創作活動の糧にしますっ!