我慢比べ
紆余曲折あったが、レアル・マドリーはメンディと契約延長に向かっているようだ。
彼は、これまで売却の噂が絶えなかったものの、ピッチでのパフォーマンスで雑音を黙らせてきた。それにより、ファンからの熱い支持と隠れ個サポを獲得している。
思えば、彼はここ3年で2度CLを優勝しており、逃した23年はメンディが不在だった。貢献度は計り知れない。
デイヴィス
フロレンティーノ・ペレスはメンディよりデイヴィスを推していたのも事実だ。ジダンのリクエストで獲得したメンディよりも、よりゴージャスで派手な選手を好む。マケレレを売ってベッカムを連れてきた時のように
よってデイヴィスを近年のターゲットとして定め、今夏の補強候補だったが目論見通りにはいかなかった。
デイヴィスのマドリー希望と残存契約1年という要素は、マドリーに有利に働き3000万ユーロから4000万ユーロ弱で獲得出来る算段だった。しかし、バイエルンはそんな足元を見たマドリーの姿勢に屈するまいと強硬手段を取った。5000万ユーロの値段を設定し、来季フリーでの放出のリスクを負ってでも格安では手放さないと。
バイエルンは過去にトニ・クロースを格安で売却し、直近ではアラバをフリーで失っている。これ以上マドリーに舐められてたまるかというスタンスだろう。
バイエルンは売却を迫られるような、逼迫した経営状況では無い。ウリ・ヘーネスの言葉からも強気の姿勢が見受けられた。
メンディを中東に放出し、デイヴィスを安価で獲得するという形が今夏の理想だったかもしれないが、バイエルンの強気な姿勢から雲行きが怪しくなった。
教訓
マドリーとしては絶対に避けたいパターンが2つあり、
先日、ユナイテッドが6000万ユーロで獲得したレニー・ヨロをマドリーは3000万ユーロor来季フリーで獲得しようとした。結果は最悪な結末に終わった。
マドリーは欲をかいて失敗した教訓を生かし、メンディ、デイヴィス問題では中間を取った。
メンディは常に残留を希望していたものの、マドリーはパターン1を危惧し、大幅な昇給をすることに難色を示していた。今回の契約延長は両者が歩み寄り妥協した結果と言える。
新しい契約の給与にはプレイタイムが大きく関係している。出場した試合数によって給与が変動するというシステムのようだ。この珍しいシステムにはあらゆる状況を想像させる。
仮に今後デイヴィスが加入し、メンディの出番が減少した場合とメンディが怪我で離脱した場合。ここでこのシステムは機能するだろう。妥協点としてこのシステムを組み込んだ理由はそこにある。
MARCAでは「プレイタイムが給与を左右する決定的な要素になる」と強調して報じられている。
これによって、最悪の2パターンを避けつつデイヴィスを気長に待つことが出来るのだ。
アンチェロッティの希望に沿った形となる上で、ファンからの支持も得ることができる。素晴らしいオペレーションと言えるだろう。
もうすぐ8月を迎え、新シーズンが近づく中、マーケットはまだ1ヶ月残っている。
白い巨人の夏はまだ終わらない。
熱中症に気をつけましょう
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