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恋愛プロシージャ

朝、コーヒーを淹れ、仕事用のデスクに座ってPCの電源を入れる。

コロナ禍以来、すっかり世の中に定着したリモートワークだが、我々システムエンジニアという仕事ではその前から部分的に導入されていた。いちいち遠方に出張したり、会議室の確保をしたりという手間が大幅に減ったことは素晴らしいが、孤独感やチームワークの減少は多少なりとも感じることがある。バランスって難しいもんだな。

そんなことを考えているうちにPCが立ち上がり、まずは予定に入っていたリモート会議を開く。

?:…おはよう、〇〇君。

〇:おはようございます、池田先輩。

朝のブリーフィング。今日の作業の確認や、抱えている課題の相談から一日が始まる。

新卒でいわゆるシステムインテグレーターという業種の会社に入った。簡単に言うと、営業がお客さんから案件をもらい、エンジニアがシステムを作って納品する。細かくはもっといろいろあるが、数多あるITサービス会社の一つだ。

業界内では中堅どころだろうか。社員数はそこそこいるが、それなりに忙しく、ブラックではないが完全なホワイトでもない。良く言えばバランスがよく、悪く言えば中途半端。

池田先輩は新入社員時代に指導役に就いてくれた一つ上の先輩で、3年経った今でも一緒のプロジェクトになることが多い。基本的に無表情だから、最初は怒っているのかとビクビクしていたが、誰に対してもそんな感じだ。他部署の人の中には取っ付きづらくて怖い、という人もいるが、僕はそれが先輩の本質ではないことを知っている。


まだ新人だった頃、納品直前のシステムで致命的なエラーが起きた。このままでは納品できないという事態に、プロジェクトメンバー総出で調査に当たった。

一晩徹夜で調べたところ、僕が開発を担当した箇所で一箇所テストケースの漏れが見つかった。不幸なことに、かなり特殊な状況でしか発生しないエラーだったので、発見が遅れてしまった。


瑛:私がしっかりレビューしていれば、避けられたかもしれない。悪かったな。


原因を突き止めてくれた先輩は、打ちひしがれていた僕にそんな声をかけてくれた。分かりづらいだけで、優しい人なんだ。

瑛:よし、じゃあ今日もよろしく。

〇:はい、よろしくお願いします。あ、先輩。

瑛:ん?

〇:今日もかわいいですね。

瑛:!! ばっ、馬鹿!!

ブチッと会議をシャットダウンされた。

こんな感じでアプローチを続けて早一年。なかなか色よいリアクションが貰えないが、僕は先輩にゾッコンなのである。


***


今日は週に一日ある出社推奨日。基本的にはリモートで仕事ができる僕たちだが、やはりチームワークやコミュニケーションを高めるためには対面も大事ということで、チーム会議のある日は出社することにしている。

電車に乗って会社に向かうのは面倒だが、僕は出社日が嫌いじゃない。なぜなら…

瑛:…おはよう。

お出かけ用の先輩に会えるからだ。

リモートワークではおうちスタイルの先輩だが、さすがに外出する時はメイクアップする。先輩は実はとっても美人なのだ。

〇:おはようございます。先輩。

隣の席から、満面の笑みで挨拶を返す。
会社なので、いつもみたいな歯の浮くようなセリフは言わないけれど、先輩も笑顔の意図を分かっているので勝手に照れている。それがまたなんともかわいいのだ。


さて、朝のブリーフィングを終えて仕事モードへ。先輩はやるべきことをちゃんとやらない人は嫌いなので、真面目に仕事をする。

〇:…先輩、ここのエラーがどうしても消えないんですけど、なんですかね、これ?

瑛:う〜ん?…あ~、多分ここがこれで…ほら消えた。

僕のデスクのモニターを覗きに椅子を寄せてきた先輩。フワッと良い香りがします。

〇:おぉ〜、さすが…ありがとうございます。

瑛:あんまり見ないケースだから、社内ナレッジに書いといて。

さすが、シゴデキ。

昼休み。
せっかく出社しているので誰かと昼ご飯を共にしたいところだが、第一希望の先輩は早々に机に突っ伏して寝てしまった。開発作業中は恐ろしいほどの集中力でキーボードを叩いている人なので、休息が必要なのだろう。邪魔は良くないな。

仕方ないので同僚と会社の近くに来ているキッチンカーへ行き、弁当を購入。リフレッシュエリアで食べることにした。


食事を終え、席に戻ると先輩も起きていて、テックブログを見ているようだった。

〇:あれ?先輩昼ご飯食べないんですか?

瑛:…眠くなるからな。昼はあんまり食べないようにしてる。

〇:そうなんですね。先輩ただでさえ華奢なんだから、気を付けてくださいね。

瑛:…

ノーリアクションで画面を見続けているが、ちょっと眼が泳いでいる。さぁ、午後も頑張ろう。

夕方、今日はプロジェクトチーム全体での打ち合わせがあった。営業チーム、プロジェクトマネージャー、エンジニアチームが集まり、進捗や課題の確認を行う。


営:えーっと、今日お客様と打ち合わせをしてきたのですが…

打ち合わせの終盤、営業さんが若干言いにくそうに切り出す。

営:例の機能の実装については今回は見送るということでした…

瑛:…なんだって?

このプロジェクトでは、先日から所謂「必須じゃないけどあった方が良い機能」を作るかどうかについて検討していた。


瑛:この機能、あるのとないのとで将来的には全然違う、って言いましたよね?

エンジニアとして一流な先輩、当然作るものには完璧を期すし、良いものを作りたいと心から思っている。

営:もちろん説得したんだけどね…先方の予算の都合上、仕方ないそうで…

営業さんもこの会社の一人、良いシステムを作りたいという気持ちは同じはず。お客様とエンジニアの間に立たされるのも辛いだろうなぁ。

瑛:…

納得いかない、という表情で歯を食いしばる先輩。とはいえお金がないと言われてしまうと、もうどうにもならない。今日の打ち合わせはこれで終了となった。


〇:…先輩。

打ち合わせ後、部屋に残る僕と先輩。

瑛:…ふーっ。これまで何度もあったこととはいえ…

椅子にもたれかかって、天を仰ぐ。

〇:そうですねぇ。僕らにできるのはベストの提案までですからね。採用するかどうかはお客様次第、と…

瑛:なかなか、完全に満足するものを作るのは難しいか…

よいしょ、と立ち上がる。


〇:…先輩、もう定時ですよ。

瑛:ん?あぁ、そうだな。作るものも減ったし、明日は休みだし、今日は上がってもらって大丈夫だぞ。

〇:そんな条件ばっちりなことを自ら告白してもらってありがとうございます。

瑛:ん?どういうこと?

頭に?を浮かべる先輩。

〇:憂さ晴らしを兼ねて、飲みに行きましょう。もちろん二人で。

一瞬ぽかんとしたあと、ようやく合点がいった先輩。


瑛:なっ、そっ、そういうこと!?

〇:デート行きましょう、デート。パーっと忘れましょ。

瑛:でっ、デートって言うな!

ボッ!という音が聞こえそうなほど真っ赤になる先輩。かわいい。

〇:ささ、そうと決まったらさっさと行きますよ~。

瑛:勝手に決めるなぁぁぁ…

先輩の背中を押して会議室を後にする。
夕食に連れ出すことに成功し、絶好のチャンスではあったけれど、殊更アプローチなんかはせず、先輩の憂さ晴らしに終始した。それが目的なので。


***


そんな開発期間もあっという間に過ぎ去り、いよいよみんなで作ってきたシステムがサービスインする日が近づいてきた。順調に進んできたプロジェクトであってもやはり終盤はバタバタするもので、先輩も僕も連日残業の日々を送っていた。


〇:先輩、ちょっと顔色悪いですけど、大丈夫ですか?

朝のリモートブリーフィングの終わり際。先輩の目の下には濃いクマが。

瑛:…大丈夫だ。もうあと数日だからな、今日も頑張ろう。

〇:…無理しないでくださいね。お手伝いできることがあれば何でも言ってください。

デスマーチ、なんていう言葉が流行った時期があったが、今回はまぁそれほどではないものの、やっぱり開発チームリーダーの先輩からすると、準備はどれほどやってもやり過ぎではないのだろう。少し心配になりながらも、今日の仕事を開始する。


一日の業務が終わり、最後にデブリーフィングのためにリモート会議を開く。が、5分経っても、10分経っても先輩が入ってこない。何かトラブルでも起きているのか?と思ったが、プロジェクトのチャットスペースなどを見ても特にそんな様子はない。

朝のこともあり、少し心配になって電話をしてみると、長い呼び出しの後、先輩が出た。

瑛:…もしもし…

消え入りそうな声。明らかに元気がない。

〇:先輩?大丈夫ですか?何かありましたか?

瑛:…そうか、デブリの時間か…すまん、ちょっと休んでた…

〇:先輩、昨日寝ました?ご飯は食べてますか?

反応にいつものキレがない。ちょっと強めに捲し立ててみる。

瑛:いや…どっちもあんまり…

そうだろうな。

〇:わかりました。今から行きます。

瑛:えっ!?

〇:着いたら電話するんで、鍵だけ開けてください。では。

拒否される間も与えず電話を切る。財布とスマホを持ち、急いで出発。ちなみに先輩も僕も、場所は違うが会社の寮に入っているので、住所はわかる。


ドラッグストアに立ち寄り、食材や栄養ドリンク、薬を買い込み、先輩の家に到着。家の前から電話をすると、ガチャリと鍵が開いた。

瑛:ホントに来たのか…

〇:開けてくれてありがとうございます。はい、ベッドへリターン!

先輩を室内へ押し戻し、ベッドに寝かせる。
室内を見る限り、荒れているというほどではないが、多少散らかっている。自分も経験があるが、仕事が立て込んでくると家事に手が回らなくなり、次第にご飯を食べることすら億劫になる。先輩も今、そんな感じだったのだろう。


〇:…よし、では僕はご飯を作るので、先輩は熱を測ってください。

瑛:風邪引いたわけでは…

〇:風邪ではなくても無理したら熱が出ます。ほら、やってあげましょうか?

瑛:や、やめろ!自分でやる!

もちろん本気ではないが、先輩に言うことを聞かせるには照れさせるのが一番。部屋の片付けをしながら、早速お腹にやさしい看病食を作り始める。ついでに自分も晩ご飯を食べてしまおう。


〇:先輩、熱なかったですか?

ベッドでおとなしくしていた先輩に食事を届ける。

瑛:…あぁ、平熱…

〇:それはよかった。じゃあ食べましょう。僕も一緒に頂いちゃいますね。

おかゆに梅干し、昆布と漬物。あとは買ってきたお惣菜を適当に並べる。凝った料理を披露したいところだが、今日はスピード重視。

瑛:…すまん。頂きます…

素直に食べ始める。おかゆをフーフーしながら食べる姿はこれまたかわいい。

食べ進めていると少し元気が出てきたようで、今日の様子も聞くことができた。夕方、さすがにちょっと休もうとしたところで気を失ったらしい。

〇:まぁ、ピークなので気持ちはわかりますが、ダメですよ無理しちゃ。

瑛:うぅ…面目ない…

〇:とはいっても先輩責任感強いしなぁ…あっ、そうだ。いい解決策思いつきました。

瑛:?

〇:先輩、寮出て僕と一緒に住みましょう。そしたら毎日栄養のあるご飯作ってあげられます。

ブッと飲んでいた白湯を吹き出す先輩。

瑛:な、な、な、何言ってるんだ!

〇:言葉のまんまですが?

瑛:そうじゃなくて!そ、そういうのは恋人同士がやるやつじゃ…

〇:ご承知の通り、僕は先輩が大好きなので問題ないです!

グーサイン。

瑛:…

あれ?てっきり照れて慌てる先輩が見れると思ったのに、先輩は俯いたままだ。


瑛:…◯◯君は…いつもそうやって私に好きだ好きだと言ってくれるが…一体なんで私なんかを…

普段、物事を非常にロジカルに考える先輩だが、こんなふうに論理的に納得できないことには戸惑うみたいだ。


〇:なんでって…真面目で責任感強くて、仕事にプライド持ってて、でも仕事以外だとちょっと抜けてるところがあって。でもそれがめっちゃかわいくて…

指折り数える。僕に言わせれば、先輩を好きになることなんて必然で、すごく論理に沿ったことなのである。

瑛:ま、待って!もういい!

えー、まだ100個ぐらいは言えるのに。


瑛:それ以上言われると…心臓が…持たない…

真っ赤になって俯いて、細かく震える先輩。普段仕事だと強気なのに、ちっちゃくなってるところがものすごくかわいい。ギャップ萌えってやつか?

〇:まぁ、一言で言うと、全部っすね!

全開の笑顔でお届けする。あ、でも、弱った先輩にこれ以上言うとオーバーヒートしてしまうかも。


瑛:…

あれ、ホントにオーバーヒートしちゃったか?


〇:先輩?


瑛:…ありがとう…そんな風に言ってもらったことがないから、どうしたらいいかわからないけど…

〇:あはは、社内ナレッジにも対応手順書いてないですね。

再び黙ってしまった先輩。多分、頭のCPUがぶん回ってるんだろう。


〇:まぁ、今日は一旦考えるのやめましょう。弱ってる時に考えすぎるのは良くないです。サービスインも近いですし。

瑛:…うん。

「うん」だって!いつも「そうだな」とかなのに!超かわいい!


〇:じゃ、片付けして帰りま〜す。

洗い物をして、片付けをキリのいいところまで終わらせる。

瑛:今日は悪かったな。来てくれてありがとう。

〇:いえいえ!今日はもう仕事忘れて休んでくださいね。明日、また頑張りましょう。

瑛:わかった。じゃあ、おやすみ。

先輩の家を後にする。あ~、また先輩のかわいい一面を見れて良かったなぁ。もちろん無事だったから言えることだけど。


***


いよいよサービスイン当日。
今回のプロジェクトは今使っている業務システムの置き換えなので、日中の業務時間が終わった後、一晩かけて新システムへの切り替え作業を行う。朝、お客さんの業務が開始になる時間までに全ての手順を終わらせなければならないので、夜の作業班と翌朝の監視・サポート班に分かれ、万全の準備をして臨む。僕と先輩は切り替え作業を行う夜班だ。

〇:先輩、もう体調は大丈夫ですか?

瑛:心配いらない。きっちり、やり遂げよう。


作業開始の時間になった。大きく盛り上がるというよりは、準備していた手順に従って淡々と作業が進む。そして作業が終わった後は、最終検証。これまでも多くのテストをこなしてきたが、本番投入してみて初めて発覚することもやはりある。そういうときのために、先輩や僕が備えているというわけだ。


今回も数件のトラブルがあったが、幸いにしてその場ですぐに解決することができた。後は、朝の業務開始を待つことになった。

瑛:ふー、なんとか行けそうだな。

〇:そうですね、まずは良かったです。

リフレッシュコーナーで、二人でコーヒーを飲む。


瑛:…今日、日中帯のメンバーに引き継いだ後、予定はある?

〇:今日ですか?帰って寝るだけですけど。

瑛:じゃあ、わ、私の家に来ないか?この前のお礼に、朝ご飯…

〇:行きます。

食い気味に返事する。


瑛:は、早いよ…

〇:当然です。1年待ってましたから。

瑛:そ、そんなにか…じゃあ、そういうことで…

そそくさと席に戻る先輩。僕も夜明けの眠い時間帯にも関わらず、テンションが最高潮まで上がってしまった。


朝8時。徐々にお客さんも出社してきて、システムを使い始める。一番、ドキドキする瞬間だが、どうやら大きな問題はなさそうだ。プロジェクトメンバーと握手して、喜びを分かち合う。

〇:先輩、お疲れさまでした。

瑛:あぁ、お疲れ。引き継ぎも終わったし、そろそろ切り上げる準備をするか。

◯:はい、もうバッチリ出来てます。

瑛:えぇ…

もはや呆れ顔の先輩と並んで会社を出る。夢にまで見たシチュエーション!手つなぎたい!


先輩の家に到着。

瑛:い、今から準備するけど、あんまり期待しないでよ…普段料理なんかしないんだから…

いそいそとキッチンで料理を始める先輩を眺める。あぁ、後ろから抱きしめたい。


程なくテーブルに料理が並ぶ。夜勤明けの朝ご飯なので、豪勢と言うよりは体に優しそうなラインナップだ。

◯:めっちゃ美味いっす!!

先輩が作ってくれたというだけで感想は決まっているのだが、いやいや、贔屓目無しでも美味しいよ?

瑛:そ、そうか…それはよかった…

テーブルの向かいに座り、ホッとした表情で自分もご飯を食べる先輩。なんたる至福の時間。


あっという間に食べ終えてしまい、食後のティータイム。お茶を飲みながら、先ほどのプロジェクトの話なんかをした。楽しい時間は過ぎるのも早い。

◯:先輩、今日はありがとうございました。超楽しかったです。

瑛:うん。…あ、あのさ、これ…

おずおずとクリアファイルに入った書類を渡される。


◯:なんですかこれ?

いくつかのマンションの物件情報だった。


瑛:その…この前、一緒に住むって言ってたから…

なんとビックリ、先輩は僕と一緒に住む部屋を探していたようです。


瑛:ふ、二人ともリモートワークの日もあるだろうし、そしたらリビングの他にも仕事できる部屋がいるだろうし、でも寝室が映るの嫌だし…

もう、笑いを堪えるのに必死で、返事が出来ません。


瑛:わ、私は布団よりベッドがいいんだけど、◯◯君の寝相とか分かんないからいくつかパターン考えて…

わぁ!先輩と一緒に寝ていいなんて!
先輩はまだ選定基準を喋り続けていますが、ここで僕が限界を迎えました。

◯:アハハハ!先輩、ありがとうございます!

瑛:な、なんで笑うんだよ〜!

◯:だって…そりゃ何度も好きだと伝えてきましたけど、まだ返事もらってないものかと思ってましたし…

笑い涙を拭いながら答える。


瑛:えぇ…だ、だって、全部好きとか言われて…ありがとうって言ったし…

なるほど、先輩の中ではアレが承諾だったんだ。

◯:そのあと、悩んでるのかと思ってましたけど、付き合うかどうかじゃなくて、付き合ってどうするかを考えてたんですね。

瑛:だ、だって!…すごく嬉しかったし…◯◯君のこと…好きだと思ったし…

ん?最後の方はもう小声すぎて聞き取れなかった。

◯:最後なんと?

瑛:だから!◯◯君のこと好きだから!い、一緒にいたいんだ!

ジーンとしました。苦節一年と数ヶ月、悲願が成就です。しばらく喜びを噛み締めます。


瑛:…な、なんか言ってよ…

モジモジしている先輩。

◯:…すいません、歓喜に浸ってました。先輩、嬉しいです。改めてよろしくお願いします。

瑛:こ、こちらこそ…よろしく…

恥ずかしそうだが嬉しそうに頷く先輩。やっぱり、先輩の笑顔は最強にかわいい。


◯:そうと決まったら早速家決めましょう。結婚も見据えて。

瑛:け、結婚って!その前に色々手順があるだろ〜!

また真っ赤になって僕の肩をポカポカ叩く先輩。

これから先、決まった手順なんかない人生も、二人で歩けばきっと楽しいだろう。

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