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営業、という仕事がある。

お客様に製品やサービスを売る、一言で言えばそれだけだが、こんなにも喜怒哀楽が激しい職種は他にないんじゃないかと思う。

売れれば、嬉しい。
でもそんな簡単にはいかない。
悔しい、歯がゆい、怒り、悲しみ、緊張、やるせなさ、毎日色々な感情になる。

そんな営業職について早数年。
今日の訪問先はいわゆる総合商社。僕の勤める飲料メーカーの製品を総合商社に卸して売ってもらう。成功すればかなり大きな取引になるが、その分ハードルも高い。品質、供給量、値段、どの面でもタフな交渉になる。何度か訪れて探りを入れてきたが、本腰入れた交渉は今回が初めてだ。

大きなビルを前に緊張を握りしめ、いざ、受付へ。

◯:お世話になります。14時に△△部長とお約束しております、◯◯と申します。

?:確認いたします。少々お待ちください。

ビルのエントランスにある受付で入館手続きを行う。何度か訪れているので、すっかり受付の顔も覚えてしまった。


?:お待たせしました。14階にお上がりください。

入館証を受け取り、エレベーターホールへ進む。さぁ、戦いの始まりだ。

***

◯:ありがとうございました…

見事に上手くいかなかった。
初回なのですんなり行くとは思ってなかったが、思ったよりも厳しい反応だった。意気消沈気味に入館証を返却する。

?:お疲れ様でした。ご返却、ありがとうございます。

受付も察してくれたのだろうか。優しい微笑みが心を癒やしてくれる。
もちろん、一回で諦める気は毛頭ない。出てきた課題を一つずつ潰して、また挑戦だ。

***

その後、何度も交渉を重ね、あと一息、というところまで来ることができた。

ウチと競合、2社のどちらの商品を採用するかを最終的に決定するため、社内向けの試飲会をそれぞれで開きたいとの依頼があった。あまりこういうケースは多くないのだが、向こうにとってもそれだけ大きなプロジェクトで、それだけ肉薄しているということだろう。

もちろんこちらとしては全力で挑むのみ。準備万端整えて、お客様の来場を待っていた。ほどなく、お客様が到着し始める。
まずは、来場者受付の手伝いから。

?:こんにちは、◯◯さん。

半分くらいの手続きが済んだところで、思いがけず声をかけられたのは、いつも受付をしてくれる女性だった。

◯:あっ、ご来場ありがとうございます。確か受付の…

美:一ノ瀬美空と申します。

準備しておいた名札を渡す。

◯:どうぞ。今日はよろしくお願いします。

一ノ瀬さんは名札をつけて会場へ入っていった。
急に名前を呼ばれて驚いたが、まぁあれだけ何度も顔を合わせていれば、そんなものか。

一ノ瀬さんの名前は今日初めて知った。さすが、というのは色々と失礼かもしれないが、きれいな人だな、と思った。

***

試飲会も中盤に差し掛かり、僕も会場内を回る。
交渉相手である部長はもとより、なるべく多くの人への商品説明と感想の収集をする。


ひとしきり回った後、会場の隅の方で、一ノ瀬さんを見つけた。彼女にも是非意見を聞きたいと思い、声をかけた。

◯:一ノ瀬さん、いかがですか?

美:あっ、◯◯さん。頂いてます。とっても美味しいですよ。

いつもの笑顔で答えてくれる。

◯:気に入ってもらえたらよかったです。

その後いくつか感想を聞かせてもらいながら、少し雑談をした。

◯:受付の方が参加されるというのも珍しいですね。

美:そうかもです。たまに案内はあるんですけど、参加したのは今回が初めてです。

◯:そうなんですね。どうしてまた今回は?




美:◯◯さんに会えるかなって思って。




一ノ瀬さんに笑顔でそんな事を言われたら、世の男は十中八九、恋に落ちるだろう。


◯:…えーっと…

強烈な不意打ちに二の句をつなげないでいると、

美:◯◯さん、よく商談に来られるでしょ?毎回すごく意気込んで来られて、出るときはスキップしそうだったりショボンとされてたり、わかりやすくって。

◯:…え?

美:それで、気になったんです。この人はどういうものを売りたいのかなって。それで来てみました。

盛大に食らった肩透かし。単に面白がられてただけだとわかって力が抜けた。


◯:アハハ…そういうことでしたか…

何を期待してた訳では無いが、思いっきり持ち上げられて落とされた気分になる。

美:でも◯◯さんが力を入れるのわかります。本当に美味しかったです。

◯:ありがとうございます。感想聞けて嬉しいです。

美:アンケートにも書いておきますね。商談成立すると良いですね!

ガッツポーズをしてくれる。応援してもらえるのは単純に嬉しい。
お礼を言って、その場を後にした。

その後、滞りなく試飲会は終了した。評価結果は後日ということで、無事に終えたことに安堵し、仲間とまずは成功を喜びあった。

***

迎えた結果発表の日。
アンケートを分析した結果は決して悪くなかったし、社内の評価としてもいける可能性は十分ある、というところだった。

緊張の面持ちで、お客様のもとに向かう。

美:あ、◯◯さん。こんにちは。

受付ではいつものように一ノ瀬さんが迎えてくれた。

◯:こんにちは。△△部長とお約束しています。

美:…いよいよ発表ですか?緊張されてますね。

◯:はい。…やっぱりわかっちゃいますか?

美:フフ…そうですね。良い結果だといいですね!

入館証に2割増の笑顔を添えてくれたが、今の僕にはあまり気にしてる余裕もなく、単にお礼を伝えることしか出来なかった。

***

◯:…ありがとうございました…

1時間後、入館証を返却した。

美:ありがとうございます。えっと…その様子だと…

◯:はい、残念でした…

結果は無情だった。
今回の契約は競合に取られ、またの機会に、となってしまった。もちろん、次回が約束されているわけではない。

美:そうでしたか…

さすがの一ノ瀬さんも笑顔でお見送り、というわけにはいかず、悲しげな表情。こういう時、共感してもらえるだけで少しは心が休まる。

◯:いけると思ってた分、ちょっとつらいですね…何が足りなかったのかな、って。

思わず少し愚痴を吐いてしまった。取引先の受付に言うことじゃなかったと思い、少し後悔した。


美:…あのっ!今日はもう終わりですか?

時刻は夕方定時を過ぎた頃。商談が成立していたら、会社に戻って早速準備をしようと思ってたが、最早それもなくなった。

◯:…えぇ、直帰しようと思ってますが…それが何か?

美:私も終わりなので、ちょっと待っててください!

そういうなり、営業終了の立て札を出して裏へ駆けて行った。何が何だか分からず、とりあえず会社に電話して結果を伝え、今日はこのまま引き上げる旨を伝える。


そうこうしていると、私服に着替えた一ノ瀬さんがやってきた。

美:すみません、お待たせしました!

◯:えっと、これはどういう…

美:明日休みですし、飲みに行きましょう!パーッと!

いつもの笑顔で両手を広げる一ノ瀬さん。

◯:…えっ?

美:…あっ…嫌でした…?

突然のことに上手く受け取れないでいると、みるみるしぼんでいく一ノ瀬さん。

◯:あっ、いや、嫌とかではなくて、驚きました。

美:だ、だって、◯◯さんあまりにも落ち込んでるから…

恥ずかしそうに、両手の人差し指を突つき合う。


◯:…ブッ。アハハハ!ありがとうございます。嬉しいです。ぜひ、行きましょう。

美:良かった!行きましょう!

パアッと明るくなった。
いつもいつも、この笑顔には励まされる。

***

急な話だったので、もちろん小洒落た店の予約などもなく、そこらのチェーン店の、しかもカウンターで飲むことになった。
彼女は酒が入るとより一層明るくなるタイプのようで、終始笑いが絶えなかった。ただ、終盤はちょっと進みすぎたようで…

美:わたし、ホントに◯◯さんの方が良かったって書いたんですよ〜!なのにあの部長と来たら!

◯:い、一ノ瀬さん、わかりましたからもうちょい声抑えて…

聞いてはいけない話を聞いてしまいそうで、ヒヤヒヤする。

美:んん~、悔しくなってきました!部長に電話します!文句言う!

◯:やめて!僕の首が飛びます!ダメですって!

スマホを出そうとする一ノ瀬さんを必死で抑える。

美:うぅ~…なんでよ…なんでダメなのよ…

だいぶ回ってきたのか、テーブルに突っ伏してブツブツ言っている。

◯:い、一ノ瀬さん、大丈夫?

美:…

寝ちゃった…のか?

美:…◯◯さんが…来なくなっちゃう…

え?

美:…

◯:今何か言いました?

美:…スゥ…スゥ…

◯:一ノ瀬さーん…

寝てしまったようだ。
とりあえず、風邪を引かないように上着をかける。

◯:ふー、やれやれ…


飲み始めて早々から一気に盛り上がってしまったので、ようやく一息。彼女が出来上がってしまった分、自分は全然酔えなかったが、ビールに口をつけながら気持ちよさそうに寝息を立てる彼女を見る。

しかし最後に言ったこと、どういうことだろう。
僕が来なくなるって、会社に、ってことだろうか。そんなに僕を見るのが面白かったのかな…

それから30分ほど。

美:ん…あれ…

目を覚ましたが、まだぼんやりとしている。

◯:あ、目が覚めました?

聞いてみるが、まだまともな答えは返ってこない。これは送っていくしかないな…歩けないだろうし。

◯:一ノ瀬さん、タクシーで送りますよ。住所わかるものありますか?

美:ん〜…住所〜…これ〜…

免許証を見せてもらった。

◯:じゃあ行きましょう。ほら、捕まって。

職業柄、宴会の機会は多いので、酔っぱらいの介抱はある程度手慣れている。
アプリでタクシーを呼び、乗せて、住所を伝える。仕事ならこれで終了とするところだが…

◯:さすがに、じゃあね、というわけにはいかないかな…女性一人だし…

自分も乗り込み、家まで送ることにした。
僕の家からは反対の方向だったが、まぁ、明日は休みだしなんとかなるだろう。

◯:タクシー代、経費では落ちないよな…

なんてことを考えながらも、なぜか、落とせたとしても、そうしたくないと思った。

***

◯:一ノ瀬さん、着きましたよ。

30分ほど走った所で、家についた。
単身者用の小さなマンションだった。

美:うぅん…あれ…◯◯さん…?

◯:立てますか?

美:…ここは…

眠そうな目で周りを見渡す。

◯:一ノ瀬さんのお宅ですよ。ほら、足元ふらついてますから掴まってください。

まだ多少足元が覚束ないので、腕に掴まらせて立たせる。

美:えぇ…もしかして送ってくださったんですか…

◯:さすがにあの状態で放っておけないです 笑

ゆっくり、玄関まで送り届ける。
自分も経験あるが、少し寝たとはいえ、あの状態からだとまだまだ前後不覚だろう。

鍵を開けさせ、なんとか宅内に送り届けた。
ここから先は、さすがに入り込むのは躊躇われる。

◯:ここで大丈夫ですか?風邪引かないように、気をつけてくださいね。

美:はい…すみませんでした…

◯:じゃあ、僕は失礼します。鍵かけてくださいね。ありがとうございました。

美:ありがとうございました…

ドアを閉め、鍵をかけた音がするところまで確認する。まだ多少心配だが、まぁ、大丈夫だろう。

◯:ふ〜、大変だったけど、楽しかったな…

気づけば商談失敗したことなんて忘れ去ってしまっていた。彼女が誘ってくれなかったら、一人沈んだ気持ちで週末を過ごしていたかもしれない。

◯:さて、どこかで始発まで時間を潰すか…

駅前まで戻り、漫画喫茶で時間を潰して帰った。

***

週明け。
会社では反省会というか、次に向けてどうするか、みたいなことの話し合いをしたりして業務を終えた。いつまでも下を向いてはいられない。

退社後、会社の携帯に知らない番号から電話がかかってきた。

◯:もしもし?

美:突然申し訳ありません。◯◯さんですか?一ノ瀬です…

◯:一ノ瀬さん?

美:すみません、部長に電話番号を聞いちゃいました…

思わぬ人からの電話に驚いた。

美:先週はご迷惑をおかけして本当にすみませんでした…朝気づいたら、とんでもないことをしてしまったと…

一ノ瀬さんらしからぬ、しょんぼりした声が聞こえてきて、何故か分からないけど微笑ましい気分になった。

◯:いやいや、気にしないでください。誘ってもらって本当に楽しかったし、失注の落ち込みもお陰様で何処かに行っちゃいましたので 笑

美:…そう言ってもらえると救われるんですが…

◯:本当に、気にしないでくださいね。私の方こそ、ヘコんでいたときに救われたと思ってますんで。

偽りなき本心だが、なかなかそれを伝えるのは難しい。数回、ごめんなさいとホントに大丈夫、のくだりを繰り返した。


美:◯◯さん、今回のお仕事がなくなっちゃったってことは、しばらく弊社には来られないですか?

ようやくいつもの調子に戻った。

◯:そうですね…また新しい提案が出来たら、になるので、これまでよりは間隔が空きますね。

美:そうですか…あ、あの!

何かを決心したような語気。

美:今回のお詫びも兼ねて、またお食事でもいかがでしょうか!?

◯:えっ、そうですね…お誘いは嬉しいんですが、いいんですか?

美:はい!是非お礼させてください!

お誘いは本当に嬉しかったが、一つ、付け加えることにした。

◯:ありがとうございます。ではお願いします。ただ、できればお礼やお詫びじゃなく、友人として、楽しくご飯ができたら嬉しいと思ったんですが、いかがですか?

美:あっ…はい!私もその方が嬉しいです!

電話越しでも笑顔が想像できた。

◯:良かったです。楽しみにしてますね。

その後、個人的な連絡先を交換し、詳しくはまた別途、ということで電話を終えた。
ちょっと、思い切ったことを言ってしまったかも、と思ったが、電話越しでも彼女の笑顔を感じれたことで、また明日が楽しみになった。

***

しばらくたった休日。僕は再び彼女の家の前にいた。
てっきり何処かへ行くのかと思っていたが、彼女からの提案は自宅で料理を振る舞いたい、というものだった。

一人暮らしの女性の家を気軽に訪れてよいのだろうか、と思ったが、断るのも違うので、結局来てしまった。

美:◯◯さん!いらっしゃい!

◯:こんばんは。お招きありがとうございます。

美:どうぞ、上がってください!

単身者用の1LDK。きれいに片付けられたリビングのテーブルは、既に準備万端、という感じだった。

◯:うわ~、豪勢ですね!

美:フフッ。張り切っちゃいました!

◯:これ、手土産のワインです。一応、どんな料理にでも合いそうなもの選んできたつもりですが、よかったら。

美:ありがとうございます!飲み過ぎには注意ですね 笑

◯:本当に 笑

買ってきたワインをグラスに注ぎ、乾杯。
早速、彼女が作ってくれたハンバーグを一口いただく。

◯:ん!美味しいです!

美:本当!?よかった〜!

心配そうに見つめていた彼女だったが、パッと笑顔になった。

◯:料理はよくするんですか?

美:いえ、実はまだ修行中で…今日も結構練習しました。

エヘヘ、と笑う彼女。得意じゃないのなら、わざわざ練習してまでもてなしてくれたことが尚更嬉しい。
その後も美味しい食事を楽しみつつ、色々な話をした。仕事の話や趣味の話、学生時代の話…どんな話でも笑顔で、時に大きく、時に大げさにリアクションしてくれる。本当に聞き上手というか、話していて楽しかった。

◯:…しかし、なんであの時飲みに誘ってくれたんですか?

美:…えっ?

◯:商談失敗した時。まぁ、確かにかなりショックで落ち込んでたので、見てられなかったのかもしれませんが…

美:えっと…それは…その…

急にうつむき加減になる彼女。
てっきり気まぐれですよ、くらいに返されるのかと思ってたら、予想外の反応が返ってきた。

美:私、仕事を始めてずっと受付をしてるんですが…

◯:?

美:受付は会社の顔だから、愛想よくしなくちゃ、と思って頑張ってたんです。そうしてると、やっぱり中には色々言ってくる人もいて…

想像に難くない話だ。ましてや彼女なら、媚を売ってるだのあざといだの、言われてしまうのだろう。

美:ちょっと疲れてしまって、受付の仕事が嫌になってた時があったんです。でも…

うつむき加減で話していた彼女が不意に顔を上げて、僕の方をまっすぐ見た。

美:そんな時、◯◯さんに会ったんです。◯◯さんは、いつも約束の30分くらい前に来て、ロビーで資料を熱心に読まれてました。その後、やる気に満ちた顔で、私のところに来てました。

…思い出した。確かに最初の頃は、まだ商談にも慣れていなくて、直前の予習がてら、早めに行って最後の確認をしていたことがあった。

美:いつも準備をしっかりして、自信をもって商談に臨んでいるのを見て、凄いな、って思ったんです。結果は良かった時も悪かった時もあったみたいでしたけど、私もうれしくなったり、残念な気持ちになったりしてました。

◯:…そうだったんですね…

美:そんな〇〇さんを見て、私も頑張ろう、って思えました。会社に来る人が気持ちよく仕事に打ち込めるように。




美:…〇〇さんの仕事がうまく行きますように、って…



相変わらず真っ直ぐに僕を見つめる目が少し潤む。



美:それで、あの時は〇〇さんのこと、どうしても放っておけなくて。私が、元気づけてあげなくちゃ、って思いました。ちょっと空回って、飲みすぎちゃいましたけど 笑

クスッ、と笑って、続ける。

美:失敗しちゃいましたけど、前の電話で、友達として、って言ってもらえてうれしかったです。でも、今日、改めて思いました。

少し、姿勢を正す。



美:私、〇〇さんのことが好きです。友達としてじゃなく…ずっと、近くで応援したいです。



◯:一ノ瀬さん…


彼女は、話している間ずっと真っ直ぐに僕のことを見てくれている。いや、思い返すと、これまでもずっとそうだった。上手くいった時も、そうじゃなかった時も、僕の目を見て、声をかけてくれた。

そうだ。僕は、いつも彼女に励まされていたんだ。


◯:一ノ瀬さん、ありがとう。

彼女の想いに応えたい。いや、応えなければ。


◯:僕の方こそ、いつも一ノ瀬さんに励まされてました。上手くいった時は喜びが倍になったし、そうでない時は辛さを和らげてくれた。

美:…

◯:これからも、そばにいてほしい。一緒に、分かち合いたいです。

美:◯◯さん…


◯:僕も一ノ瀬さんのことが好きです。僕と、付き合ってもらえませんか?

美:…はい!喜んで!

その時の彼女の笑顔は、これまでのどれよりも輝いていて、一生忘れられないものだった。

***


休みが終わり、また、仕事が始まる。

うまくいくかはわからないけど、大丈夫。

彼女がいつもの場所で、見守ってくれるから。


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