咲いた月の下で #33
荷物をホテルに預けて身軽になった一行。
◯:よし、じゃあ早速腹ごしらえに行くか。
美:お腹空いた!
茉:記念すべき最初の北海道グルメは〜?
和咲:ラーメン!!
瑛:イェイ!
テンションが上がりすぎているメンバーを引き連れて、地下鉄の駅に向かう。
◯:歩道も雪だから、転ぶなよ〜…おわっ!
注意を促しつつも、自分が早速足を滑らせる◯◯。
美:アハハ〜、第一号は◯◯君?って、キャッ!
注意を逸らした瞬間、美空も尻もちを着く。
美:いったぁ〜い!!
◯:人の事言ってる場合じゃなかったな 笑
手を差し出して、起き上がらせる。
瑛:誰も雪国育ちがいないからな…き、気をつけないと…
初心者がスケートをするような姿勢で注意深く歩く瑛紗。除雪されている大通りまで、ペンギン歩きでヨチヨチと進んでいく一行だった。
***
茉:到着〜!かの有名な、ラーメン横丁で〜す!
和:わ〜!ラーメン屋さんがいっぱいある!!
瑛:これは!アガらざるをえない!!
すすきのにあるラーメン横丁にやってきた。
細い通りに20軒近くのラーメン屋が立ち並ぶ、定番ながらも外せないスポットだ。
咲:すごいね〜、どれも美味しそうで迷っちゃう〜!
通りを歩くと店から威勢のよい声がかけられて、なおさら迷う。
◯:6人全員で同じ店じゃなくてもいいし、集合場所決めて各々選ぶか。
和:そうだね!美空、一緒にいかない?
瑛:茉央〜、連れてってぇ〜!
茉:はいはい。どんなんがええの?
咲:◯◯〜、何にする?
自然と3組に分かれる一行。
◯:まぁやっぱり、定番の味噌バターコーンかな…
咲:だよね!でもそれにしても迷うね。
◯:こういうのは直感だよ。レビューやらなんやら、見過ぎてもよくない。
咲:うんうん、そうだ!
そういうわけで、直感で決めた店に入り、ラーメンを啜る。
◯:うまっ…
咲:美味し〜〜〜っ!ヤバいね!
北海道産にこだわった材料で作られる味噌ラーメンはまさに絶品。それ以外の言葉も出ず、一心不乱に麺を啜る二人。
◯:はぁ…あっという間に食べてしまった…
咲:食の大地、北海道だね…沖縄も美味しかったけど、また別の次元だわ…
第一食目として十分な満足感を得て店を出る。ほどなく、四人と合流。
和:ちょ〜〜〜美味しかったね!
瑛:日本にはまだ私の知らないモノがたくさんありました…
茉:西も東も北も、ラーメンはみんな違ってみんないい!やな!
咲:みんなの食べたのも気になる〜!
美:もう一回くらいラーメン来ようよぅ!
◯:他にも食べるものあるって…でも気持ちはわかる。
そんな話をしながら、次の目的地に向かって歩く。
◯:ここが大通公園か〜。
程なくして到着。その名の通り、大通りのように一直線に長い公園で、有名なテレビ塔や屋台がたくさん出ている。
咲:わー、ホントに大通りだね!
茉:ここって有名な雪祭りの会場なんやろ?
◯:2月にやってるみたいだな。
瑛:アニメの氷像とかもあるんだよな!いつか来てみたい…
ゆっくり公園を歩く。
美:ラーメンでお腹いっぱいになったはずなのに…
和:美空?どうしたの?
美:トウモロコシの匂いに負けちゃいそうなのは何故!?
屋台を指差す美空。焼きトウモロコシのいい匂いが漂っていた。
茉:わかる!わかるで!
咲:醤油が焼ける匂い、たまんないね!
◯:めっちゃわかるんだけど、まぁテレビ塔の後に取っとこうな 笑
自制、他制をしながらまずはテレビ塔に向かう。
上に登ってみると、札幌市街が一望できた。
和:冬だから、真っ白でキレイだね~。
美:季節によっても彩りを楽しめそうね。
瑛:変なキャラがいるぞ!
茉:あっ、テレビ父さんや!キーホルダー欲しかってん!
景色を楽しんだり、買い物をしたり、めいめい楽しむ。
咲:タワーって、何故かあると登りたくなるよね。
◯:なんでだろうなぁ。とりあえず行っとくか、ってなるよな。
咲:その土地の空気感とか感じられるからかもね〜。
◯:そうだな。上手く言えないけど、街並みとかから何か感じるよな。
展望台を見たあと、公園に戻って念願のトウモロコシを食べる。
他にもアイスクリームやじゃがバターを食べながら、ゆっくり公園を楽しんだ。
***
その後は羊ケ丘公園に行ってクラーク像を見たり、二条市場で買い物をしたりと、随所でつまみ食いをしながら札幌を満喫した一行。
〇:ふ~、あちこち行ってさすがに疲れたな。
咲:そうだね~。ていうか見どころありすぎ…
〇:沖縄もそうだったけど、とても1回では無理だな 笑
茉:さぁ!本日のメインディッシュやで!
和:ジンギスカン!やっぱりこれ食べないと!
初日の最後も定番中の定番。予約していた店に入り、席に着く。
美:この独特の鉄板見ただけでまたお腹が空くね~ 笑
瑛:よーし!お茶で乾杯だー!
まだお酒が飲めない一行はノンアルコールで乾杯。
咲:ん~~!!柔らかっ!
〇:すごい、臭みが全然ないな。いくらでも食えるぞこれ…
一心不乱に肉に手を伸ばす一同。
茉:日中あれだけ色々食べたのに全然入ってまうなぁ。
美:ダイエットもしなきゃなのに~~~無理~~~
酒がない分ご飯も進み、何度も追加注文を繰り返した。
和:あ~~、もうダメだ。もう入らないや。
瑛:お、お腹が重い…
十分すぎるほど堪能した一行。ホテルへの道をヨロヨロと歩く。
〇:初日としては十二分に楽しんだな。
咲:これ以上ないってくらいだったね。朝も早かったらもうヘトヘトだよ~…
茉:明日も早いから、みんな今日は早く寝るんやで~。
はーいと声を上げ、部屋に分かれる。
部屋割はラーメンを食べた時のペアに自然と決まっていた。
〇:ふ~、ただいま~
咲:だめだ~、もう動けないよ~
ベッドに倒れこむ二人。
〇:あれ?そういや、ここダブルベッドだけど、他の部屋も二人で寝てんのかな?
咲:いや、普通はツインだろうし…気を使ってもらっちゃったのかな。
クスッと微笑んで、◯◯の手を握る咲月。
咲:みんなで旅行っていうのも楽しいね。
〇:学生っぽいよな。二人の時とはまた違う楽しさがあると思う。
咲:そうだね。明日も楽しみだなぁ。
早朝から動いた疲れからか、シャワーを浴びた後は早々に眠りに落ちた二人だった。
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