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美綴夜子
2022年9月18日 23:20
狂月の刻、粘滑なる首切り人よ遥場にありて其が錐穿つ散り逝くは美しき花たちよちでたる月の叫びや聞こえぬ*****さわさわと木々がざわめき、花々が揺れる美しい草原の木の下で目が覚めた。風が吹く度、影は形を変え、きらきらとした光を手元に落とした。こんなにも優しく穏やかな風に撫でられ美しい風景に思わず涙が零れそうになった。 (ここは———どこだろう)そう、私はこんな場所は知らない。
2022年10月8日 13:46
「待って!」私の静止の声もその耳には届かず、彼は走り続ける。私は彼を追わなければならない。何故かそう思い、後を追った。その距離は縮まらず、広がらず。同じ絵の繰り返しであった。 「ああ、急がなきゃ。『彼女』を起こさなきゃ」彼はそう告げ、大きな門をくぐった。その門の扉が閉じてしまい、私は押し開けようとするも微動だにせず途方に暮れる。そして、門に刻まれた文字に気が付き、目を凝らす。「La……e