with my little book, I'll be the parson.2
「待って!」
私の静止の声もその耳には届かず、彼は走り続ける。私は彼を追わなければならない。何故かそう思い、後を追った。その距離は縮まらず、広がらず。同じ絵の繰り返しであった。
「ああ、急がなきゃ。『彼女』を起こさなきゃ」
彼はそう告げ、大きな門をくぐった。その門の扉が閉じてしまい、私は押し開けようとするも微動だにせず途方に暮れる。そして、門に刻まれた文字に気が付き、目を凝らす。
「La……e o…e ……nza, voi c……ate———文字が掠れて…読めない…」
「