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美綴夜子
2022年9月18日 23:20
狂月の刻、粘滑なる首切り人よ遥場にありて其が錐穿つ散り逝くは美しき花たちよちでたる月の叫びや聞こえぬ*****さわさわと木々がざわめき、花々が揺れる美しい草原の木の下で目が覚めた。風が吹く度、影は形を変え、きらきらとした光を手元に落とした。こんなにも優しく穏やかな風に撫でられ美しい風景に思わず涙が零れそうになった。 (ここは———どこだろう)そう、私はこんな場所は知らない。