全国民の個人情報を一元管理し、国民資産の収奪と「超管理・監視社会」(デジタル全体主義国家)の実現を目指すマイナンバーカード
強制されるマイナンバーカード
スタグフレーションとコロナ禍で苦しむ一般国民には消費税減税どころか一律給付金さえ出そうとしない超どケチな岸田政権が2兆円のマイナポイント予算で一枚最大2万円分の大判振る舞い。
その一方で、何の問題も無い現行の健康保険証を廃止し、任意のはずのマイナンバーカードへの統合案を打ち出している。これはマイナンバーカードの事実上の強制。
飴で釣り、鞭で脅してもマイナンバーカードを申請しない国民にはわざわざ予算も手間もかかる「保険資格確認書」を発行するのだそうだ。おまけにマイナ保険証より患者窓口負担額を増やすという嫌がらせまでやるという陰湿さ。
また、特殊詐欺やなりすまし防止対策を口実に「対面」での携帯電話契約時にマイナンバーカードなどのICチップ読み取りでの本人確認を義務付けた。このため、運転免許証などを持たない国民は契約することが出来ないという不利益を被る。
任意のはずのマイナンバーカードを作らない「非国民」には不利益を課すという事であり、公権力による弱い者いじめ以外の何物でもない。マイナンバーカードを取得しない国民に対する理不尽な差別で、「法の下の平等」に反する憲法違反行為。
憲法14条に規定された基本的人権を踏みにじる暴挙であり、三権分立がしっかり機能している国であれば、このような政府の「決定」には違憲判決が出されて当然の事案。
しかし、日本の場合、政府に憲法に基づいた行政を強制する伝家の宝刀「違憲立法審査権」を最高裁が「統治行為論」によって事実上放棄してしまっているので、政府は怖いものなしでやりたい放題。
最高裁は、「一切の法律、命令、規則又は処分」が憲法に適合するかしないかを判断する強力な権限である「憲法81条」を事実上停止する事で日本の三権分立と民主主義を破壊し、行政府の独裁と暴走を後押ししていると言っても過言ではない。
マイナ保険証を持っている人には資格確認書は送られてこない。資格確認書を使いたい場合は、マイナ保険証の解除が必要。2024年12月までにマイナ保険証を解除すれば資格確認書が送られてくる。ついでにマイナンバーカードの返納も。
マイナンバーカードとの紐付けが予定されている項目(令和4年6月7日閣議決定)
「改正マイナンバー法」でiPhoneやアンドロイドへの搭載も可能になった。今後は、スマホひとつであらゆる個人情報にアクセス出来る事になる。それは、スマホを紛失すれば情報流出の危険と同時に何も出来なくなる事を意味する。
政府が健康保険証を廃止してマイナンバーカードを強制する目的
政府自民党は、マイナンバーカードで国民の生活が便利になると宣伝しているが、本当の狙いは別のところにある。
①日本の「デジタル監視社会化」
政府は主要メディアを使ってマイナンバーカードのメリットだけを宣伝しているが、大いにメリットがあるのは政府だけで国民には差し引きデメリットしかない。それだけでなく、その裏にはとんでもない地雷が仕掛けられている。
全ての個人情報をマイナンバーカードに紐付けて国民を一元的に管理・監視出来るようにするのが一つ目の恐ろしい地雷。
国民はマイナンバーカードに紐付けられた29の項目を役所や関係機関に出向かなくともオンラインで取得できるようになり一見便利そうに思える。しかし、これを逆から見れば政府もこれら個人情報にアクセス、取得することが出来るという事でもある。
今後、紐付けられる情報が益々増えて行けば国民は全ての個人情報を政府に握られて丸裸にされ、当然、プライバシーのごときものは事実上消滅する。
政府側からは国民の個人情報が丸見えだが、国民からは政府が何をやっているのか本当の実態は厚いベールで隠されていてよく見えない
大切な情報は国民から隠して見えないようにしている上に、国会で質問されても勝手に「回答を差し控え」たり、平気で嘘をついたりする。情報開示請求しても黒塗りだらけなので、国民は政府に関する重要情報から遮断された状態になる。現に政府自民党は、マイナンバーカードの本当の目的を隠し続けている。
マイナンバーカードにあらゆる個人情報を紐付け、監視カメラ、顔認証システム、生体認証、位置情報、電子決済システム、図書館利用記録その他のITシステムと連動させれば、自民党が理想とする中国のようなプライバシーのない「デジタル監視社会」が出来上がる。
こうして国民と政府の「情報間格差」は絶対的なものになる。
政府自民党が目指す「デジタル監視・管理社会」が完成すれば、不満分子や危険と見做された者は常時24時間監視対象となり、一挙手一投足まで見張られて手も足も出ない状態になる。こうして自民党の永久政権化が完了する。
この超危険な「デジタル監視社会」の問題については、後段でも再論する。
②国民の全ての個人資産の完全把握と国民資産の没収
これについては、後の「マイナンバーカードは、政府の最強万能ツール」及び「マイナンバーカードを活用した預金封鎖」で詳述する。
③公的健康保険制度の破壊
主要メディアは絶対に言わないが、隠されているもう三つ目のの地雷は「国民健康保険制度」のなし崩し的破壊。
【現行国民健康保険証を廃止して健康保険を利用しにくくする】
現在の国民健康保険制度は、これまで60年以上に渡って政府と国民が営々と築き上げてきた「日本の宝」ともいうべきもので、1961年に現行制度が開始されて以来何の問題も無く運営されて来た。
岸田総理の承認を得て河野太郎が唐突に打ち出した健康保険証廃止は、その国民皆保険制度に致命的な風穴を開ける事と同時に、未だにマイナンバーカードを取得していない国民にに対しては「マイナンバーカードを作らないと国民皆保険を利用できなくなるぞ」という脅しの効果のふたつを狙ったものだ。
この国民に対する強権的な恫喝はさすがに無理があり、「現行保険証を廃止するな!」「国民健康保険料を納めているのにマイナンバーカードがなければ利用できないとするのは横暴だ」「マイナンバーカードの取得自体困難な状態に置かれている場合はどうするのだ」などの批判が強まり、政府自民党も一定の譲歩を余儀なくされた。
批判の高まりに直面した政府自民党は、仕方なくマイナ保険証に移行しない国民には代わりに「資格確認書」を出すとの方針を打ち出した。
現行保険証は2024年12月2日に発行が終了する。ただし、その後最長1年間は利用可能。現行保険証が期限切れになる少し前に、役所から「資格確認書」が送られてくる方式に変された。
国民健康保険料を納めている国民から健康保険を利用する権利を奪う事は出来ない事は自明。政府は渋々マイナ保険証を持たない国民には健康保険証と同じ効力を持つ「資格確認書」を発行する事にした訳だが、この事実を知らない国民が非常に多い。
これは政府が「資格確認書」が発行されることを隠す一方、大金をかけて「現行国民保険証が12月で廃止されます」とマスコミや医療機関の窓口で大宣伝。マイナ保険証がないと医療が受けられなくなると誤解し、不安に駆られた国民が慌ててマイナ保険証を取得するように仕向けているためだ。
保険証廃止後も「資格確認書」でこれまで通り国民健康保険が利用できる事をわざと隠す政府自民党のやり口は極めて狡猾・陰険であり、反社組織と何ら変わりもない。
これだけマイナ保険証取得誘導したにも関わらず、大多数の国民は紐付けに二の足を踏んでおり、利用率は2024年9月時点で13.87%に低迷している。
その「資格確認書」にしても、当初は嫌がらせのつもりか「取得には窓口での本人申請が必要」としていたのだ。国民の約半数がマイナ保険証を取得していない状況でそんな事をすれば、役所の窓口が申請者で溢れかえり大混乱は必至。
政府も大問題になる事に気付いたらしく、その後、マイナ保険証を持たない国民には申請しなくても役所からプッシュ式で同じ効力をもつ「資格確認書」が送られてくる方式に変更されたという経緯がある。
「資格確認書」の発行がプッシュ式に変更された事で大混乱は回避されたが、マイナンバーカード自体のの電子証明書有効期限は5年間の期限付き。期限を過ぎると健康保険証として使えなくなるため、5年ごとにわざわざ役所の窓口まで出向いて面倒な電子証明書更新手続きをしなくてはならない。
うっかり更新し忘れて失効したり、カーをド紛失したりした際には再交付に手数料がかかり、受け取るまでに1~2か月程度の時間を要する。この間、マイナ保険証は利用できなくなり、10割負担を強いられる。
また、たとえ有効期限内だったとしても役所のカード作成時の人為的入力ミスやシステム障害、通信障害、頻発する自然災害、停電などで本人確認が取れない場合も同様の事態が起きる。デジタル化に伴う落とし穴が大口を開けて待っているのだ。
今後紐付けが増えて行けば行くほどシステム上のトラブルは加速度的に増えて行くはずなので、その都度窓口での混乱は必至。
しかし、国民がどれ程被害を被ってもマイナポータルの利用規約上政府は免責されており、全てカード申請者の自己責任となる。何が起きようと政府デジタル庁は、知らん顔で涼しい顔をしていられるのだ。
MNカードは10年で失効、電子証明書の有効期限も5年間の期限付き。ポイント目当てで取得した人はわざわざ役所に行って面倒な更新などしないだろうから、そのままにしておくとどんどん失効して保有率が低下する。
つまり保険証廃止と新MNカード発行は、自動失効を防ぐのも狙いの一つという見方も出来る。
【政府自民党が「公的健康保険制度」を廃止したい理由】
日本の国民健康保険制度は米国巨大民間医療保険会社の参入障壁になっているとの理由で、米国政府は早くから「対日年次改革要望書」などで「国民健康保険制度」を廃止して医療保険を民間自由市場に開放するよう日本政府に要求して来た。
日本の財界も同じ理由で、「国民健康保険制度」を廃止を自民党に要求している。
米国と経団連の日本政府に対する各種要求は時間差はあれど殆ど実現しているので、このままでは国民皆保険崩壊は時間の問題。
そうなれば日本も公的国民皆保険制度がない米国のように虫垂炎手術費だけで200~300万円もかかるようになるのは避けられない。米国中産階級が破産する最大の原因が高額医療費なのだが、日本も同じことが起きる。
有名な話だが、公的皆保険制度が存在しない米国では、患者は救急車に乗せられる前に「民間医療保険に加入しているか?」と訊かれるそうだ。
掛け金が高額な民間医療保険に加入できる富裕層以外はおいそれと医者にかかれず、治療費を払えない国民はマイケル・ムーア監督の衝撃的なドキュメンタリー映画『シッコ』で描かれていたように素人療法に頼るか、自分で「手術」するか、死を待つしかなくなる。
また、日本政府にとっても米国からの公的皆保険廃止要求は、実は渡りに船だった。中曽根政権以降、新自由主義政党化を強めて来た自民党は小泉政権下で完全に強欲新自由主義政党に変貌。
市場原理主義と小さな政府、聖域なき規制緩和、国営企業・公共部門の廃止と民営化(私物化)、大企業・資本家の利益の最大化が新たな「党是」となった。
中曽根行革以降、自民党は国鉄、電電公社、郵政事業、NTTなど様々な公共部門の民営化を進めて来た。「財政健全化」に固執する自民党が年々増加する社会保障費の中でも特に伸びが著しく年金給付費に迫る勢いの医療給付費を生む国民健康保険を問題視しないはずがない。
これまでも徐々にではあるが患者窓口負担割合の引き上げ、混合診療の導入などよる国民健康保険制度の縮小・形骸化を進めて来た。
医療制度に関する自民党の最終目標は、国民健康保険制度を廃止して公的保険を使わず全額患者負担となる「自由診療」に移行する事。
そうなれば巨額の医療給付費が必要なくなって社会保障費が一気に減少。それに伴い財政赤字が解消されるので「プライマリー・バランス」が改善され、政府自民党、中でも財務省が悲願としている「財政健全化」が達成できる。
同時に財界や米国が要求している医療保険の新自由主義市場への全面開放も実現できるから、まさに一石二鳥。
健康保険証の廃止は、そのために絶対に死守しなければならない橋頭保。政府自民党にとって、日本のデジタル監視社会化と公的皆保険制度廃止で米国と財界を喜ばせるという二つの目標の同時達成を狙える「一粒で二度美味しい」妙案なのだ。
【現行健康保険証廃止をゴリ押し強行した河野太郎】
健康保険とマイナンバーカードとの紐付けに関して、もともと2022年の6月まで厚労省は「マイナ保険証か、現行の保険証かの選択制」にする方針だった。
このごく当たり前の厚労省方針をひっくり返し、上記二つの手柄を独り占めするために現行保険証廃止を強引に推し進めたのが河野太郎デジタル相。
2022年9月、河野は「健康保険証や運転免許証、在留カード、その他カード、資格証など、全部マイナンバーカードにもれなく一本化し、加速をしていきたい」と発言。さらに翌10月の記者会見で、「2024年秋に現在の保険証の廃止を目指す」と廃止時期を明言した。
マイナンバーカードと保険証を一体化するのは、世界でも日本だけ。デジタル先進国のエストニアや台湾でも別々にしている。
もっとも、これは河野個人の独断ではなく、厚労省の方針変更を許可したのは岸田総理だから同罪。彼らのバックにいるのは、勿論、国民健康保険を廃止したい財界と米国。
河野がデジタル担当になってから、マイナンバーカード関連のゴリ押し体制は格段に強まっているが、それでも未だに河野太郎の国民的人気が高いのは、大多数の国民がこの男の裏の顔を知らないからだ。
河野太郎の出身大学は、CSISの本拠でウォール街金融資本のシンクタンクであるジョージタウン大学国際関係学部。
米国で従米売国思想を徹底的に叩きこまれて帰って来た河野は総理候補にまで上り詰め、今やネオコンやグローバル強欲新自由主義の総本山WEF(ダボス会議)など外国グローバリストたちの期待の星。暴君的ファシスト河野太郎は、絶対に総理にしてはいけない男だ。
【今のところ運転免許証が廃止される予定はない】
健康保険と同じく2024年からの導入が予定されている運転免許証とマイナンバーカードの一体化の方も当然運転免許証は廃止されるのだろうと思いきや、2023年4月現在、現行運転免許証が廃止される予定はなく、マイナンバーカードとの一体化はあくまで希望した人だけというスタンスになっている。
現段階で運転免許証とマイナンバーカードの一体化は任意であり、利用者は「1.一体化せず従来の運転免許証を所有する」、「2.一体化したマイナンバーカードと運転免許証の2枚を所有する」、「3.運転免許証を返納し、一体化したマイナンバーカード1枚のみを所有する」などの選択が可能。
健康保険証も最初は、運転免許証と同じような選択制にする予定だった。
なぜ現行運転免許証が廃止されないかというと警察庁が廃止に反対だからだ。政府の意向で決まる警察庁トップはともかく、警察庁生え抜きのキャリア組はマイナンバーカードとの一体化自体、実は反対なのだ。
運転免許利権は、パチンコ利権と並んで警察が戦後営々と築き上げて来た自分たちのの縄張り。宝の山の「シマ」を新参のデジタル庁なんぞに横取りされてたまるかというのが彼らの本音だろう。
政府内部に強力な抵抗勢力がなく、国民大多数の声を無視して廃止を強行できた健康保険証とは大きな違いだ。
マイナンバーカードという新たな縄張りを手に入れた総務省・デジタル庁は、紐付け拡大に伴うシステム改修等で新たな利権中抜き事業の創出を着々と進めている。
実は、唐突に打ち出された新マイナンバーカードの発行も現行カードの不具合改修を口実にした新たな利権ネタの創出なのだ。
その恩恵を受けるのはマイナンバー制度の中核システム「情報提供ネットワークシステム」を受注した日立、富士通、NEC、NTTデータなどの「企業共同体」で、受注額(税金)の一部が企業献金という賄賂になって自民党に還流してくる仕組み。
デジタル庁の食い物にされるのは国民だし、マイナカードの不具合や情報漏洩、不正使用などによる被害を被るのも国民。
「その国の国民は、国民レベル相応の政府しか持つことができない」と言われるが、自民公明(+維新・国民・参政)に投票してバカを見るのは、結局一般国民なのだ。自業自得と言ってしまえば、それまでだが。
現代版「現役兵身上調査表」=デジタル赤紙
更にマイナンバーカードは、近い将来、政府が目論んでいる憲法九条「改正」後の徴兵制復活にも威力を発揮する。
戦前、役場の兵事係は「現役兵身上調査表」なる徴兵対象者のリストを必ず作成する事を義務付けられていた。
性格・品行・思想傾向・職業・家族や親族・参加団体・学歴や成績、病歴と健康状態・周囲の評判・交友関係・嗜好・特技・財産・収入・借金・賞罰・注意点・特記事項(犯罪歴)など、個人のプライバシーに関わるありとあらゆる個人情報を漏れなく把握していた。
マイナンバーカードによる「デジタル赤紙」
憲法が「改正」され「徴兵制度」が復活した際、防衛省はマイナンバーカードを使ってアナログな戦前の「現役兵身上調査表」より格段に精度の高い個人情報を瞬時に集める事が出来るので、「現代版招集名簿」を作る事もたやすい。
その後、徴兵対象者のマイナンバーカードと一体化したスマホに「召集令状=デジタル赤紙」が送信される事になるはずだ。
当然、健康診断、病歴や通院歴、学歴や成績、特殊技能どの個人情報も紐付けされるから「甲種合格者」の抽出や兵科割り当てもたやすい。学歴が高く成績優秀者は幹部候補生に。
マイナンバーカードに集約された個人情報の民間利用については、既に「デジタル本人確認サービス」が導入されているが、「個人情報保護法」の「匿名加工情報」では、個人が特定されないように加工すれば、本人の同意なしに第三者への情報提供が可能になっている。
マイナポータル利用規約はデジタル庁が自由に変更できるので、現在は匿名である各種個人情報の民間企業への提供範囲が更に拡大され、個人が特定される方向に持って行かれる可能性がある。そうなれば、個人のプライバシーは民間企業にも全て筒抜けになる。
当然の事だが、民間企業は極めて精度の高い個人情報として採用試験などにも活用するだろう。大企業の入社選考では出身大学による事前選別が常態化しているが、思想傾向や団体所属歴、デモやストへの参加歴等により当局から要注意人物としてマークされている者は、最初からはじかれるのは確実。
人間が点数化されて管理される「信用スコア社会」
日本社会のデジタル化が更に進めば、近い将来、現金での決済は廃止され、CBDC(中央銀行デジタル通貨)に移行する時がやって来る。そうなれば個人がいつ、どこで、誰と、何をどの位売買したかという取引情報も全て政府に監視管理されるようになる。
導入が議論されている電子投票でも同じ事が起きるから非常に危険で、投票の秘密など有名無実化する。
書籍・雑誌の購入履歴や図書館の貸出記録、ネット記事の検索・閲覧・投稿履歴、X(ツイッター)やFacebook、インスタグラム、ラインなどSNSの発信履歴、デモやストへの参加、加入組織団体、交友歴、日頃の言動などから不満分子や反政府分子と見做されれば個人の電子決済が停止され、疑いが晴れるまで一切の売買を出来なくする事も可能だ。
これは現在の中国において「信用スコア」という形で実現しつつあり、個人の生殺与奪の権が政府に握られる事を意味する。
「デジタル監視社会」では、国民一人一人の思想傾向、交友関係やインフォーマル組織への所属、行動(いつ何処に行き、誰と会い、どんな事をしたか)などが監視カメラ、顔認証システム、GPS情報、乗車履歴、電話・Eメール・SNS等の通信傍受や盗聴等(2000年に施行された憲法違反の「通信傍受法」の拡大解釈で可能)で常に国家に監視される。
マークされた者は「要注意人物」として徹底的に監視され、違反や犯罪行為があれば即座に氏名や顔が晒され、少しでも不穏な動きありと見做されれば予防拘禁されるようになる。
以前、中国ではウイグル・チベット問題などによる反政府活動が活発だったが、「中国版デジタル監視社会」の完成と共に近年はほぼ不可能になっている。
まさにジョージ・オーウェルが『1984年』で描いた通りの「デジタルファシズム」によるディストピアが到来する。
基本的人権である「抵抗権」を行使しない日本国民
上に書いたようにマイナンバーカード取得を強制するため、政府は2024年秋にも現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカード保険証に一本化する方針。これは、マイナンバーカードを取得しない者への恫喝そのもの。民主主義社会で許される行為ではなく、普通の民主主義国ならとっくに怒った国民が「抵抗権」や「革命権」を行使して大規模反対運動が起きているはずだ。
日本国憲法の「国民の抵抗権」に関する規定
マイナンバーカードの普及率
2022年度中のマイナンバーカード普及率100%を達成するために政府は最大2万円分ものポイントを付けた上に巨額の政府広報費を投入して電通・主要メディアを総動員した長期の大キャンペーンを張った。しかし、2023年3月時点での「マイナンバーカード普及率76.8%」で、目標達成に失敗。
ポイントで釣る飴玉作戦が失敗したので、今度は一転して鞭打ち作戦に切り替え、「カードを取得しないと国民健康保険が利用できなくなるぞ!」と言わんばかりの「健康保険証廃止」を突然打ち出した。しかし、この脅しによる強権発動はかえって国民の反発や不信感を招き、1月時点での普及率76.5%から僅か0.3%しか増えない結果となっている。
野党の国会質問に対する政府委員答弁では、2023年3月27日時点でのマイナンバーカード開始以来の累積申請数9588万枚・人口に対する割合76.8%、実際の累積交付枚数8367万枚・同66.4% 交付取りやめ枚数276万枚、2023.3.17時点での自主返納枚数42万枚。交付枚数から交付取りやめ、自主返納などを除くと8049万枚、普及率は64.0%。
政府は普及率が8割近くに達したと宣伝しているが、実はこの普及率自体かなり怪しい。普及率を調査しているのはマイナンバーカード関連システムや住基ネットを運用している「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」のようだが、果たしてどこまで正確なのか疑問がある。
なぜなら、4月に地方自治体で初めて普及率100%を達成した新潟県の離島粟島浦村(人口328人)では、現在、住民比101・18%というあり得ない数字になっているからだ。総務省は、「実態にそぐわない状況になっていることから、集計方法を見直し、今後は実数に近い集計も出す方針を固めた。来週にも公表する。」と正確な数字ではない事を認め、「村関係者も実際は80%台かもしれないとの見方も示している。」というとんでもなく杜撰な状況。
こうした不正確な報告を元に全国の全ての自治体の普及数を集計すれば実態との誤差は極めて大きなものになるはずだ。
J-LISによる実体把握がアナログなのかデジタルなのか、どのような方法で集計されているのかは現時点では不明。マイナンバーカードシステムが正常に稼働していて集計が可能な仕様になっているのなら、リアルタイムでの普及率など瞬時に把握できるはずだが、システム自体がトラブル続きでまともに動いていないのだから、そんな芸当が出来るとも思えない。
結局のところ、現次点では各自治体からの報告を集計して普及率を算出するアナログな方法に依存している可能性が高いと思われるが、では、各自治体が正確な数字を報告しているかと言うと、粟島浦村のようにこれが実に怪しいのだ。
なぜなら、総務省は各自治体に普及を促進させるために国民に対してやったように飴と鞭を用意した。つまり、普及率が高い自治体には報奨として地方交付税交付金を増やし、逆に低い自治体はペナルティとして交付金額を減額するという恣意的でほとんどいじめのような汚い手を使ったのだ。
そのため、岡山県備前市のように、カード申請率アップのためには「世帯全員がマイナンバーカードを作れば給食費や学用品費は無償、作らなければ有料」という人権無視の理不尽な差別政策まで打ち出す自治体まで現れる始末。
そこまで行かなくても交付金を減らされたくないのはどの自治体も共通なのだから、多少なりとも実態とは異なる水増しした不正確な数字を報告するインセンティブが働いてもおかしくはない。だから、総務省が発表した普及率は、実態よりかなり下駄を履かされた数字である可能性が高い。
持っているだけでも危険なマイナンバーカード
ポイントで釣り、健康保険証廃止で脅し、巨額の予算を投じた政府広報でメリットを強調しても実質的取得率がやっと6割を超えた程度なのは、それだけ国民が政府を信用していない事の証左に他ならない。
未だに反社カルト団体「統一教会」や「日本会議」と一心同体である事も含めて、自民党自体が国家規模で様々な悪事や犯罪を働く「反社巨大特殊詐欺組織」なのだから当然だろう。
代表的な「詐欺」の手口が、「多重下請けによる中抜きシステム」。自民党はありとあらゆる政府発注事業に「中抜きシステム」を張り巡らせており、それによって毎年膨大な額の税金が「不正に」自民党を支持する企業・団体の懐に入ってしまっている。
その内の数パーセントが企業献金、裏献金、パーティ券売り上げなどに化けて自民党に還流する他、恩恵を受けている企業・団体から選挙資金、選挙運動員・選挙事務所スタッフ、大量の組織票、豪華天下り先などが提供される。
犯罪組織にとってマイナンバーカードは宝の山
これまで何度も情報流出事件を引き起こしているように日本のサイバーセキュリティが脆弱である事は周知の事実。2017~21年度に少なくとも約3万5千人分のマイナンバーが紛失・漏洩したことが2022年12月に発覚している。
政府に集められた個人情報が自民党の関連団体である反社組織「統一教会」に回されて悪質勧誘に使われたり、省庁や役所の担当職員が報酬欲しさにに個人情報リストを特殊詐欺グループ等に売り渡したりする恐れだってあるのだから当たり前だ。
現に裏社会界隈ではマイナンバーカードを「宝の山」と呼び、虎視眈々と狙っている。
多発している闇バイトを使った押し込み強盗も個人情報リストを使って侵入する家を指示していると見られ、このような反社組織へのマイナンバーカード情報流出も懸念される。
なお、普及率が上がらなければカードからマイナンバーの方に切り替えて強権発動に踏み切る動きもあるので、こちらも要注意。
※20240206追記
2023年7月、週刊現代が「501万人分の年金・マイナンバーカード情報が中国に流出」と報じた。偽造犯罪組織に狙われているマイナンバーカードは、持っているだけでも危険な代物なのは明らか。
マイナンバーカードは、政府の最強万能ツール
日本には既に幾つもの番号制度がある。納税者番号、住民基本台帳番号、健康保険番号、社会保険番号、運転免許証など。それに住民票の元となる世界でも数少ない完備された戸籍。 だから、そもそも論として屋上屋を重ねるマイナンバーなど作る必要はないのだ。
政府が何が何でもマイナンバーカードを全国民に持たせたい理由をまとめると以下の5項目に集約される。
国民管理のために前記「現役兵身上調査表」と同様の内容を記載した詳細な「個人情報データベース」が作られる事は既定方針。
既に政府はマイナンバーカードを申し込んだ国民をと申し込まない国民を分類し把握している。申し込まない国民を政府自民党の意向に従わない層として警戒危険視するのは確実だろう。
当面の狙いとしては、個人情報の収集及び監視、「全銀行口座紐付け」による国民の全資産の把握、行きがけの駄賃としての公的皆保険を形骸化。
収入だけでなく既に保有している資産にも課税する仕組みを作り、大軍拡と世界一の巨額政府累積債務解消のための「異次元の」大増税に使う事を目論んでいる。
マイナンバーカードを活用した預金封鎖
政府は順調にカード普及率が上がって行けば、2024年の新紙幣切り替えと同時の「預金封鎖」も視野に入れている。
そのためには、国民の全ての資産のマイナンバーカードへのの紐付けによって、国民の金融資産(2022年末で2,023兆円)や不動産などすべての財産を把握する必要があるのだ。
憲法によって財産権は保障されているからと安心してはいけない。改憲されて緊急事態条項が導入されれば現行憲法は事実上停止状態となり、政府の「政令」だけで預金封鎖が可能になる。
また、改憲されていなくても政府が強権的超法規的措置で「預金封鎖」を強引に強行してしまう事も考えられる。その場合、当然多くの違憲訴訟が起こされるはずだが、これまで最高裁は重要な行政訴訟では一度たりとも違憲判決を出したことがないので、この場合も「統治行為論」を適用して門前払いする可能性が高い。
敗戦直後、日本政府は戦時国債等によって積み上がった巨額政府債務を一気に解消するために、敗戦のドサクサを利用して「勅令」による預金封鎖を実施すると共にハイパーインフレを引き起こして、国民の財産を強制的に没収した「前科」がある。(クリックで拡大)
現在、計画されている戦後二度目の預金封鎖は、無能で腐敗した財政金融政策よって政府自民党がこれまで積み上げてきた1411兆円 (2022年度末見込み) の累積財政債務を全て国民に押し付けて一気にチャラにしようとする恐ろしいシナリオ。
累積財政赤字には多重下請けシステムによる「中抜き」、底なしの「海外バラマキ」、効果が乏しい上に運用が恣意的で、補助金を食い物にした所謂「補助金ビジネス」の温床になっている政府補助金や各種基金、「経済財政諮問会議」などの政府諮問会議を隠れ蓑にしてマッチポンプ式にパソナ等縁故企業や大企業財界に流された巨額の税金なども含まれている。
例えば政府補助金だが、日本学術会議にはたったの10億円なのに対し、自民党のオトモダチ企業吉本興業には「クールジャパン機構」が100億円もの補助金をポンとだしているのだ。
吉本は厚遇に対する見返りとして、ファンの数が多く影響力が大きい吉本系お笑い芸人たちに要所要所で野党批判や政府自民党擁護の発言をさせるという寸法。
他にも重複分も含めて一般予算の4~5倍の予算が計上されるのに、国会による監視が不十分で多くの闇が隠されている特別会計(実質的な二重帳簿・裏帳簿)、予備費の数十兆円単位の使途不明金、内閣官房長官の一存で自由に使える官房機密費、共産党以外の政党で山分けする掴み金同然の政党交付金、米国製型落ち兵器の言い値爆買いと毎年1兆円以上に上る「思いやり予算」を含む米軍駐留経費など、巨額の亡国予算が組まれて来た。
マイナンバーカードを使った預金封鎖は、これまで米国、大企業(外国グローバル企業含む)・財界、自民党お友だち企業、大資本家層、高級官僚などが寄ってたかって国民の税金を食い物にし、国家財政をボロボロにした責任を一切とらずに、自分たちが積み上げて来た債務を国民にすべて転嫁する策謀なのだ。
政府が一律の契約ではなく任意の申込制にしている理由
登録先の「マイナポータル」は国民個人と国との契約ではなく申込制なので、政府が勝手に「規約」を変更できる恐ろしい代物。
国民全員に持たせたいのであれば法律で義務付ければよいものをわざわざ面倒な申込制にしているのは、情報漏洩等で国民が損害を被っても、政府が一切の責任を取らなくても済むようにするため。
国民が任意で申し込んだのだから、何かあっても申込者の自己責任にする事ができるという政府に都合のよい仕組み。医療情報の誤登録や取り違え等によって亡くなったり、障害を負ったりしても政府は、何の責任もとらないだろう。
逆から見れは先行事例である米国のソーシャル・セキュリティー・ナンバーの惨状を見れば分かるように、政府はマイナンバーカードの情報流出等による巨額の被害を予め想定しており、先回りして責任逃れのための手をしっかり打っているという事。卑怯にも程があるだろう!
国民からの批判を受けて、2023年1月4日付で利用規約 旧23条では「デジタル庁は一切の責任を負わない」となっていたものに「デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き」が付け加えられた。
一見、改善されたように装っているが、あからさまな故意だとばれるような事はしないだろうし、「過失」にわざわざ「重」を付けているのも、いざと言う時は逃げる算段をしている事がありあり。何が「重」過失なのか決めるのは政府であるし、解釈によっていかようにでも言い逃れが出来るので、責任を取る気などさらさらないという魂胆が条文から透けて見える。
マイナンバーカードシステムはまともに稼働するのか?
受注企業を儲けさせるため何度も小手先の改修に巨額の予算をつぎ込んだあげく結局最後まで正常に機能しなかった新型コロナ対策アプリ「COCOA」の惨状を見るまでもなく、政府発注ITシステムはどれもこれも出来の悪いポンコツばかりで中抜き用のカネ食い虫。
政治の腐敗劣化と連動して産業経済分野の劣化と衰退も急速に進み、1992年まで4年連続で1位だった日本の国際競争力が今年は最低の35位にまで落ち込み、既に日本政府にはまともなITシステムを作る能力はない。
省庁の官僚にはまともな要件定義を書ける者がおらず、仕様書も満足に作れない。当然、システム設計のチェックも出来ないから、ほぼ元受け任せ。丸投げされた受注元受け企業も中抜き・手抜きは当たり前。
数十億円規模の巨額予算も多重中抜きを経て末端実務請負会社に届く頃には数百万円程度に減っている事もざらで、雀の涙程度の金しか降りて来ない。これで、まともに稼働するシステムが作れると思う方がどうかしている。
マイナンバーシステムの重要部分は利用者が伸びず大失敗に終わった「住基カード」の基幹システム「住民基本台帳ネットワーク」なので、住民基本台帳を実質的な原本として利用している。そのため、リレーショナルデータベース(RDG)化が出来ず、カード型データベースで構築することを余儀なくされた。
「住基ネット」で保有している情報は、氏名・住所・生年月日・性別の基本4情報+個人番号、住民票コード及びこれらの変更情報である本人確認情報のみで、フリガナさえない。
当然、後から別システムの各種情報を紐付けられるよう設計されたものではないので、元々立て付けの悪い所にあれもこれもと欲張って各種個人情報を紐付けたところでつぎはぎのポンコツシステムがまともに動くはずがない。
今後、紐付けが増えて行けば行くほどシステム自体の重大な不具合や欠陥、セキュリティの脆弱性などが露見し、窓口業務の混乱や情報流出等の被害が頻発する事は確実だろう。
まあ、現状は確かにそうなのだが、政府自民党が理想とする中国のような「デジタル監視社会」を作りたい虚仮の一念で、無理くり改修して何とかするかもしれない。
何しろ、政府は自分たちが勝手に作った「マイナポータル利用規約」によってマイナンバーカードに起因する国民の被害や不利益については一切責任を免除されているのだから、これ程楽なことはない。
だからこそ、「デジタル監視国家」が完成して国民が手も足も出せなくなる前にマイナンバーカード制度自体を廃止に追い込む必要があるのだ。
マイナポイントを貰ったらマイナンバーカードは返納しよう
マイナンバーカードは返納が可能なので、今からでも返納によって普及率を下げる事が出来る。つまり、マイナポイントだけちゃっかり貰ってカードは返納してしまえばいいのだ。ただし、健康保険や銀行口座などを一度でも「マイナポータル」に登録してしまうと、マイナンバーカード制度自体が廃止されない限り永久に紐付けを取り消すことが出来ない(と政府は言っている)ので登録しない事が肝要。
憲法12条に基づく国民の権利としての「抵抗権の行使」である「マイナンバーカード返納一揆」が国民の間に広がり、マイナンバーカードの所有率が下がれば、保険証廃止の前提条件が崩壊するので政府にとっては脅威だろう。
なお、マイナ保険証は2024年10月28日から登録を解除できるようになる。
「スーパーシティ構想」と「ムーンショット計画」
既に成立してしまった「スーパーシティ構想」は、「超管理社会」の実現と住民のあらゆる個人情報を民間企業が収集して自由に活用する事を目指しているので、こちらの動向も要注意。
同じく2020年に国民が知らない間に内閣府が策定した「ムーンショット計画」も注意を払っていく必要がある。
こちらは、「2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現する」との目標を掲げ、まるで近未来SFのバラ色の未来が約束されているかのような内容だが、実は非常に危険な内容がてんこ盛り。
アドバルーン的にマスコミに報道させ、批判が多いとみるや速攻で引っ込めた批「昆虫食」も目標5の中にしっかり入っている。
「ムーンショット計画」目標5
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/senryakusuishin/12th/paper3-2.pdf
「ムーンショット計画」とインチキSDGsを推進し、「昆虫食」「家畜と世界人口の大幅削減」などを提唱しているグローバル強欲新自由主義の総本山「世界経済フォーラム(ダボス会議)」との連携も強く疑われる。
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気分転換にブライアン・フェリーの名曲を1曲。 Bryan Ferry 「Let's Stick Together」(力を合わせて頑張ろう)
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