1970~80年代女性アイドル名曲集④~三木聖子、小泉今日子、長山洋子、西田ひかる、原田知世、石川秀美他全32曲
三木聖子 「まちぶせ」
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「待ち伏せ」は、荒井由美が提供したデビュー曲。 三木聖子の活動期間はごく短く、1975年からの僅か2年間。芸能界デビューは沢田研二が三億円事件の犯人役を演じた異色のドラマ「悪魔のようなあいつ」で、三木聖子は沢田の妹というかなり重要な役どころ。共演の若山富三郎は、沢田を犯人と睨んで執拗に付け回す「逃亡者」のジェラード警部のような警事役。原作は、阿久悠と上村一夫による同名マンガ。演出久世光彦、脚本は映画監督の長谷川和彦となかなか豪華。現在も名脇役として活躍中の元タイガース岸部修(一徳)のドラマ初出演作でもあります。
石川ひとみ 「まちぶせ」
三木聖子のデビュー曲はあまり話題になりませんでしたが、5年後の1981年に石川ひとみがカバーしてこちらは大ヒット。「まちぶせ」=石川ひとみで、この曲のオリジナルが三木聖子である事を知っている人はごく少数でしょう。
森まどか「ねえ・ねえ・ねえ」
最初に聴いた時「はて、どこかで聴いたような?」と思っていたら、ボニーMのディスコ・ヒット曲「怪僧ラスプーチン」を参考に制作されたとの事。成程、前奏と歌い出しの所はよく似ています。
ボニーM「怪僧ラスプーチン」
この曲の方にも実は元歌的な曲があると言われており、それがアーサー・キットのヒット曲「Uska Dara」(1953)。元々はトルコの民謡で、アーサー・キットもトルコ語で歌っています。日本では江利チエミのカバー盤が有名です。
なお、アーサー・キットは1955年に日本の童謡「証城寺の狸囃子」をカバーした「Sho-Jo-Ji (The Hungry Raccoon)」をレコーディング。所所に日本語歌詞が入っている摩訶不思議な曲として日本でも話題になりました。
アーサー・キット「Uska Dara」
アーサー・キット「Sho-Jo-Ji (The Hungry Raccoon)」
小泉今日子「私の16才」
小泉今日子のデビューシングルは、三木聖子「ねえ・ねえ・ねえ」を「私の16才」と改題したカバー曲。当時の小泉今日子の歌唱力は森まどかには到底及びませんが、曲のよさがそれを補っており、この曲をデビュー曲に選んだのは正解でした。
小泉今日子「春風の誘惑」
長山洋子 「ヴィーナス」
オランダ出身のショッキング・ブルー唯一の全米ナンバーワン・ヒット(1970年の全米年間ランキングでも堂々の2位)のディスコアレンジカバー。アイドル時代の長山洋子最大のヒット曲。この頃は、余勢を駆ってTVドラマへの進出も果たしています。
ショッキングブルー「ヴィーナス」
「ヴィーナス」は、日本でも大ヒット。第2弾シングル「悲しき鉄道員」もヒットし、1970年に来日公演を行っています。
長山洋子 「ユア マイ ラヴ」
「ヴィーナス」に続くヒット曲で、ドイツの女性歌手パティ・ライアンのディスコ風ユーロビート曲のカバー。
こちらが元歌。 Patty Ryan 「 You`re My Love, You`re My Life」
長山洋子「ミスターマンデー」
こちらもオリジナル・キャストのヒット曲のディスコ風カバーで、「ユア マイ ラヴ」のB面。ただし、リンクしたのはリミックス版なので、レコードとは異なりなかなか曲が始まりません。
オリジナル・キャスト「ミスターマンデー」
西田ひかる「人生変えちゃう夏かもね」
西田ひかる最大のヒット曲「人生変えちゃう夏かもね」の発売は1995年ですが、デビューは1988年なのでぎりぎりセーフかと。作詞は、「涙の太陽」の湯川れい子。 同じアイドルとは言っても1980年代までのアイドル歌手と一線を画すのは、現在主流になっている激しく踊りながら歌うという歌唱&ダンスミックスの流れが既に始まっているという事。1990年代から2000年代を代表する安室奈美恵は、そのひとつの完成形ですね。 ひかるちゃん頑張っていますが、途中で息切れしたり、声が裏返ったりしてかなりしんどそうです。
西田ひかる「輝きください」
原田知世「悲しいくらいほんとの話」
デビューシングルで、原田知世が主演したドラマ「セーラー服と機関銃」の主題歌。作詞作曲は、来生姉弟。 最近、公開当時見逃していた原田知世が三上博史と共演した大ヒット映画「私をスキーに連れてって」(1987)を観たのですが、バブル時代のど真ん中という雰囲気以外悲しいくらい中身のない映画で見終わって唖然としました。この映画の影響でスキー場に若者たちが押し寄せて空前のスキーブームが起きたそうですが、今となっては嘘のような話。 バブル崩壊直前をピークにその後の日本は凋落衰退の一途で、金のかかるスキー場は今や外国人観光客ばかり?
麗美 REIMY「恋の一時間は孤独の千年」
作詞作曲、松任谷由実。なかなか意味深なタイトルです。
朝倉理恵「さよなら、今日は」
朝倉理恵の声は美しいですが、やや線が細い感じがします。 榊原郁恵が自身が主演した「先生は一年生」という教師ドラマの挿入歌として歌っていました。
五十嵐じゅん 「小さな初恋」
2枚目のシングルで、多分一番売れた曲ではないでしょうか。 出演作としては単発ドラマ時代の東芝日曜劇場に市川森一脚本で篠田三郎と共演した「みどりもふかき」(1975)と渡辺淳一原作の映画「阿寒に果つ」(1975)が印象に残っています。
久保田早紀 「異邦人」
久保田早紀が所謂「女性アイドル」に入るかと言うと、ちょっと?なのですが。
早川めぐみ「横須賀17(セブンティーン)エレジー」
山口百恵「横須賀ストーリー」やダウンタウンブギウギバンド「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」、山崎ハコ「ララバイ横須賀」と同様の横須賀ご当地ソング。少し違うのは早川めぐみが、ヘヴィメタルと歌謡曲をミックスした「メタル歌謡」という新ジャンルのアイドルとして売り出されたこと。このデビュー曲は、エレジー(悲歌)らしい哀愁を帯びたマイナー調のメロディとハードなバック演奏がうまくマッチしてなかなかの出来栄えでした。勿論、地元横須賀ではヒットしています。
杉浦幸 「六本木十字軍」
中森明菜の「少女A」のちょっと悪っぽい「早熟少女」路線の曲。本人曰く「デビュー前は不良をやっていた。」とのことなので、そのままかと。 バック演奏は、かなりハードロック寄りです。
こちらは、TVライブ。
伊藤サヤカ「素敵にジングルベル」
7枚目のシングルで、作曲は長渕剛。
大塚ジュンコ「素敵にジングルベル」
やや重たい感じの伊藤さやかバージョンに比べると大塚ジュンコのカバーは非常に洗練されており、軽快なブルースロック調リズムとは対比的にクリスマスに恋人と別れる女性の悲しみを切なく歌い上げています。
香坂みゆき「気分をかえて」
山崎ハコのカバーで、彼女の最大のヒット曲(多分)。
山崎ハコ「気分をかえて」(ブルースロック・バージョン)
石川秀美「ゆ・れ・て 湘南」
河合奈保子 さだまさし「精霊流し」
グレープ時代のさだまさしの代表曲。 さだまさしと共演したライブですが、さだがバイオリン伴奏だけなのは正解。
五輪真弓との共演で「恋人よ」
もう素晴らしいとしか言いようがありません。
河合奈保子から五輪真弓へとゆっくりパンする撮影も秀逸です。
杏里「可愛いポーリン」
杏里は本来シティポップス系の歌手ですが、デビュー曲の「オリビアを聴きながら」がヒットした後の80年台の低迷期には、当時全盛だったアイドル路線に寄せた曲も出しているので、まあ、いいかということで。
映像は、日本でも大ヒットした映画「小さな恋のメロディ」。
杏里「エスプレッソで眠れない」
nAo によるカバーで「 エスプレッソで眠れない」
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