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力が抜けている表情、それが微笑

本を読んでいたら、この一文で目が留まりました。

この後、

「そしてこの微笑のユーモアこそが、人間の人間たるゆえん、人間のいちばん強靭な心のありようなのだ」

と続きます。

前の文章も印象的で、要約すると、
微笑は、怒り、喜び、悲しみの3つの表情が織りなす三角形の中点にあるとのことでした。

ところで、なぜこの言葉が引っかかったというと、今までほとんどできていなかったから。

特に、吃音に悩んでいた、というより吃音に思考の全てを乗っ取られていた中学、高校時代に顕著でした。

「このどもりを治さなければ、自分の人生は始まらないのではないか」と考えてしまっていました。

眉間にしわを寄せて、国語の教科書などで音読練習をしていました。
でも、あまりにも進まないので、途中で嫌になってしまい、放り投げることがほとんど。

何日か続けてガッカリして、気持ちを整えて再チャレンジするけど、また続かない、といった感じでした。

自分の身体の胸、肩、のど、あごなどに力が入ったままなことは薄々気づいていたと思います。

でも、力を抜いて音読練習しよう、まして顔に微笑を浮かべてやってみよう、などとは思い浮かびませんでした。

言ってみれば、「非情のライセンス」に出てくる天知茂さん演じる会田刑事のように、眉間にしわを寄せたまま、ずっと発声練習していたわけです。

決して、天知茂さんをディスっているわけではないですよ。

「非情のライセンス」は好きな刑事ドラマでしたし、テーマ曲や最後にかかる昭和ブルースも印象深かったので。

天知茂さん主演では、江戸川乱歩の美女シリーズも、なぜか惹き込まれる怪しい雰囲気が好きでした。

話を微笑のユーモアに戻すと、吃音矯正で得た知識を、今後何か新しいスキルを獲得するときに活かしたいと思います。
まあ力まず、ゆったりした表情を心がけようということです。

ユーモア(微笑)は、アイロニー(皮肉)でも、ウィット(機転)でもなく、ということで。

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