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クリスマスプレゼントの裏側
最近子育て中の方たちのnoteを読んでいて、この季節ならではのキラーフレーズを思い出した。
「良い子にしてないとサンタさんが来ないよ」
このフレーズの効果は言うまでもない。子どもたちは自主的に良い子になる。年中通用すればもっと子育てが楽かも知れない。
幼稚園に通う前は子どもが欲しがってるモノがわかったが、大きくなるにつれそれが定まらなくなる。「サンタさんに何をお願いするの?」と聞いても、聞くたびに答が違って、しかし親として子どもの欲しいモノを外すわけにはいかない。
「サンタさんも大勢の子どもにプレゼント配るからそろそろ用意しないと間に合わないのよ。欲しいモノ決めたらお手紙書こう」我ながらグッドアイディア。子どもたちは便箋に欲しいモノを書いて、私はそれを洗濯バサミで物干し場に留めた。何日かそのままにして、子どもたちが「サンタさん、まだお手紙読んでないね」と焦れてきたタイミングで、ある日私は手紙をはずす。それを見た子どもたちは「あ、手紙が無くなってる。サンタさんが持って帰ったんだ」と大喜び。なんという可愛さ。(そんな時もあったなぁ。)
うちの子どもたちは小学校低学年あたりでサンタさんのカラクリに気づいた節がある。うちに遊びに来た同級生の子が、うちの子のプレゼントを見て「あ、うちのと同じ包装紙だ。うちは○○(オモチャ屋さんの名前)で買ったんだって。△△ちゃんちも同じとこで買ったんだね」とこともなげに言い放った。
うちの子は納得いかなかったのだろう。後から「うちは違うよね?サンタさんが持って来たんだよね?」と可愛く聞いてきたので、「そりゃそうだよ。同じ包装紙なんていっぱいあるんだから、うちのはお店で買ったやつじゃないよ」と答えた。それでホッとした顔をしてくれたので安心したけど、疑念を植え付けられたのは間違いない。翌年からは、わざわざ包装紙を替えるという手間が増えた。
もう少し大きくなると、高額なゲーム機やゲームソフトを欲しがった。初期のポケモン世代なので、クリスマス商戦に向け毎年新しいソフトが発売されていたが、何しろ人気がありすぎて手に入らない。ゲーム機も品薄で、クリスマスまでに買えるかどうか。親として、ここは万が一の場合に備えて予防線をはる。
「プレゼントって、教会に寄付した額で決まるんだって。うちはあんまり寄付してないから、ゲーム機はもらえないかもしれないよ」「えー、お母さん、今から寄付してきて」「いや、間に合わないし、そんな急に寄付してもダメなんだって」「そうなの‥」
なんて可愛い。なんとしても手に入れて、子どもたちの喜ぶ顔が見たい。
オモチャ屋さんに何度も通いゲーム機やソフトがいつ入荷するか、入荷予定の貼り紙を見て、入荷当日は開店前から並ぶ。ここまで苦労してお目当てのゲームをゲットしていたなんて、子どもたちは知らない。知らなくて良い。これは親のプライドをかけた親の勝手な闘いなのだから。
小学校も高学年になるとさすがにサンタさんの存在については誰が教えるでもなく、いや多分学校とかでおしゃまな子が「サンタさんなんていない」と教えてくれたのだろう。自然の流れの中、サンタさんのことは口にしなくなる。こうなると楽勝。一緒に欲しいモノを買いに行けば良い。
お子さんがまだ小さいお宅は、今年もまたクリスマスの闘いが待っているのだろう。ご苦労様です。でも今のうちだから親も楽しんで欲しい。親にとっては、何より子どもの笑顔に勝るプレゼントは無いのだ。