おねだり焼肉
長女から電話がかかってきた。
「あのぉ、明日焼き肉しませんか?」
実はその数時間前に次女から、長女が焼き肉を食べたがっているという話を聞いていた。しかもそれは、長女宅ではなく、うちで焼き肉を食べさせて欲しいという話だったようだ。5人分となればそれなりの出費だし、しかも先週の土曜日もうちで焼き肉だった。私はその話、聞こえないフリをした。まさか本人から直接おねだり電話がかかってくるとは思わなかった。
「はぁ‥良いけど」
「じゃ、ちゃまにも言っといて」
ちゃまは喜ぶに決まっとるではないか。焼き肉も好きだし、何より長女の旦那さんとお酒が飲める、ちゃまにとってこれ以上の喜びがあるものか。そして、私がお肉代をケチって乗り気では無いというのは方向違いの無駄な懸念で、長女夫婦はちゃまへの「お疲れ様」の気持ちで、焼き肉代を奢ってくれるつもりだったのだ。ちゃまはこの4月で仕事を辞めてただのおじさんになった。まだまだ働ける年齢なのに、「やーめたっ」って感じでこの先働く気など全く無いとみた。正直経済的には心配だ。我が家に何千万も貯金があるならいいけど、貯金などあるはずもなく、それでもちゃまが「やっていける」と言うのであるから、それ以上お金の話はしないことに決めた。長女はお肉を買って来ると言うが、多分ちゃまはうちで買うと言うと思うよと言うと、だったら良いお肉じゃなくてもスーパーのお肉で良いよと、殊勝なことを言ってくれる。多分ちゃまはそれも却下して、良いお肉を買うはずだ。
それはさておき、長女いわく、ちゃまへのプレゼントがあると。それは何かと尋ねると、“長女の旦那さんと一緒にお酒を飲めるチケット10枚”だと言う。笑わせてくれるぜ。そんなのちゃまは喜ぶに決まっとるではないか。まあ冗談なのは分かっているが、一応ちゃまに報告しといた。
「明日は、ちゃまが長年よく働いたことへのお疲れ様会なんだって。それで○○(長女)からのプレゼントは、△くん(長女の旦那さん)と一緒にお酒を飲めるチケット10枚なんだって。良かったね。嬉しいでしょ。」
さてクイズです。ちゃまはなんと答えたでしょう?(皆さん、ちゃまが言いそうなセリフを、コメント欄に書いてね。答え合わせは明日の記事で。)