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Photo by
hiloyuki
なめとこ山の熊
言語造形で取り組む、宮沢賢治の「なめとこ山の熊」。
コロナ渦を過ごしながら、これまでとは違う意識でことばの泉も動いています。
社会的なメッセージや誰かのためにやるのではなく、
私たち自身のためにやる。
という原点に戻り、思い切り楽しんでいます。
とりあえず、3月28日の発表に向けて練習に励みます。
この「なめとこ山の熊」は、猟師の小十郎と熊のお話です。
今日もひとりで練習をしながら、「いのち」のやりとりについて、
とても心に迫るものがありました。
「おまへはなにがほしくておれをころすんだ」
熊が小十郎に叫んだことば。
人間と自然がずっと織りなしてきた、「いのち」の対話。
わたしは言語造形により、
小十郎そのものであり、
熊そのものでもあることができる。
夏という時期だからか、この物語に感情がとても揺さぶられます。
芸術は繰り返し繰り返し、練習する中で、
決して同じものではない、生命に満ちた新しいものを私たちに贈ります。
今、音楽や演劇、さまざまな芸術活動が自粛される中で、
この芸術の持つ力、意味について考えます。
芸術は私たちにどんな力を与えてくれてきたのか。
こんな時期だからこそ、
私たちの言語造形をみてほしいと、思っています。