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みつ
2022年3月1日 22:22
「今夜、きっと大きな荷物が届くでしょう」女は僕にたっぷり含みがあるような調子で語る。僕は何のことだか全くわからないという眼差し、眉の角度、口角の上がり方で女を見つめた。すると彼女は踵を返し、そこに甘いオークの香りを残し僕の前から消えてしまう。 そして、今、僕の家に大きな荷物が届いている。大きな荷物には宛先や送り主といった類の情報は一切記されておらず、配達されてきたような気配もない。