「言論の自由が暴走する時代」の危険な判決
あの事件にはびっくりした。
そしてご冥福をお祈りするだけだった。
私は政治にあまり興味が湧かないというか政治家が社会に価値を創り出すことに殆ど期待していないのだが、一方で政治家の悪口を真顔で言ってる人を見ると、正直「気持ち悪い」と感じることが多い。特に「●●辞めろ」「●●帰れ」みたいな、まともな品性の人ならあり得ない「呼び捨て+命令」発言をノリや集団心理だけでできてしまう人には違和感しかなかった。
そんな中、2022年3月に札幌地裁が不思議な判決を出していた。安倍首相(2019年当時)の選挙演説中に近くで「安倍ヤメロ」と連呼した人(以下の記事に動画リンクあり)を強制的に遠隔移動させた北海道警に「表現の自由の侵害」があったとして賠償を命じた判決である。
まあ「増税反対」などと政策反対的なヤジを叫ぶのは(繰り返し叫んで選挙演説を中断させるのでなければ)「守られるべき表現の自由」を適用してもいい範囲に思えるが、「●●辞めろ」「●●帰れ」とまで連呼するような品性がなく侮辱的で人権侵害的なヤジ行為は「守られるべき表現の自由」が適用されてはいけない行為だと感じる。ヤジ行為を一律に「守られるべき表現の自由」の対象として論じるのではなく、例えば「政策反対的なヤジ行為はセーフ、人権侵害的なヤジ行為はアウト」などと区分して論じるべきではないか。
という議論はさておき、安倍元首相へのヤジ排除訴訟の一審判決で北海道警に賠償命令を出した札幌地裁の判決による2022年3月のショックが、各都道府県警の内部に「安倍さんの警護でアレみたいに再び賠償命令されちゃ堪らんな!」という空気感を醸成して「結果として安倍元首相への警護を厳重にすることが難しくなっていた」という状況は少なからずなかっただろうか?
言論の自由は守られるべきものだが、品性が欠けた人権侵害的なヤジなど「言論の自由の暴走」には制限が加えられるべきだと思う。
現在は侮辱的な言論や人権侵害的な言論が暴走してメディアやネットで増幅すると(不特定多数の人から特定の人に対する憎悪の感情や攻撃的な言動が増幅して)結果として特定の人の命が奪われてしまう事件が多数起きているのだから。
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