ワーママ4年生の子連れ出張記 奈良・月ヶ瀬編
当社が参画する、持続可能な地域社会を目指すコンソーシアムSustainable Innovation Lab(SIL)。
今年の3月、三重県尾鷲市での「22世紀に向けたサステナブルシティ」実現に向けての取り組みを発表するため、プロジェクトに賛同する企業や団体が集まって、尾鷲市の熊野古道センターで共同記者会見を実施しました。
広報として記者会見に参加した私は、この時生まれて初めて「子連れ出張」を経験。それをnoteにまとめシェアしたところ、ありがたいことに参画メンバーのワーキングマザーを中心に共感や賛同の声が集まりました。
これまでにも試行錯誤しながら子連れ出張の経験を重ねてきたメンバーもいたため話が盛り上がり、「SILで、親子ともにウェルビーイングな状態でいられる『子連れワーケーション』のパッケージ」を作ることができないか?」という構想のもと、トライアルを実施することに。
子連れワーケーションプログラムの構想についてはSILのnoteで詳しくお話しています。ぜひご一読ください。
SILへの参画を通じてご縁ができ、訪れるチャンスに恵まれた「奈良県奈良市・月ヶ瀬エリア」。月ヶ瀬梅林や名産の大和茶などで知られ、豊かな緑に囲まれた美しい渓谷のある場所です。今回のトライアルの拠点となった「ONOONO」は、かつては子どもたちがみんなで給食を食べる場所として使われていた「旧月ヶ瀬給食センター」を改修した施設。2022年3月にオープンし、現在は主にワーケーションと地域住民の交流拠点として活用されています。
自然豊かな月ヶ瀬での体験
今回のトライアルでは、ONOONOスタッフの皆さん・地域の皆さまに多大なるご協力をいただき「子どもたちに、都会ではなかなかできない体験をしてもらおう!」との思いから様々なプログラムを企画していただきました。
①地域の保育士さんによる見守りタイム
親がONOONOで仕事をしている間、地域の保育士さんに保育をお願いしました。親の姿が見えていることで安心するのか、すぐに順応し全力で楽しむ子どもたち。
②ONOONOキッズパーク
2日目の朝は、大きなビニールプールを出して「ONOONOキッズパーク」!あいにくの曇天でしたが、子どもたちはそんなことおかまいなし。地域の子どもたちと一緒に大はしゃぎしました。
③月ヶ瀬巡り&親子写真イベント
写真家・倉家eto修司さんによる月ヶ瀬の名所を巡りながらの親子写真イベント。
龍王の滝や茶畑などを巡りながら写真を撮影していただいたり、自分で撮影するときのコツをレクチャーしていただけます。
普段ほとんどの時間をワンオペで過ごす私にとって、子どもと過ごす自然な姿を撮ってもらえる機会はとても貴重。思い出に残るたくさんの写真を撮っていただけて、本当にうれしかったです。
④ONOONOde花火
2日目の夜は、ONOONO前の広場で花火。
都会では花火をできる場所がなかなかないですよね。貴重な体験にみんな大喜び。
⑤たつみ茶園さんによる茶畑見学&冷煎茶づくりワークショップ
最終日は、1957年から月ヶ瀬の地でお茶づくりをされているたつみ茶園さんにお世話になりました。
見学の後はたつみ茶園さんの店舗にお邪魔し、冷煎茶づくりのワークショップに参加。自宅でも簡単に作れるステップで教えていただき、子どもたちも真剣な眼差しで取り組みました。みんなで一緒に作った美味しいお茶の味は忘れられません。
(お茶を淹れ終わったあとの茶葉はオリーブオイルとお塩で食べても美味しいとのこと!)
⑥バーベキュー
出発前、最後のランチ。たっぷり遊んだ後、みんなと外で食べるごはんは格別ですね。花火やプール、バーベキューなど、広大な敷地を思いっきり活用できるアクティビティはローカルならでは。
私が思う子連れ出張のメリット
私にとって、仕事の場に子どもがいてくれることにより醸成される連帯感は特別なものです。「自分の子どもさえ見ていればOK」というスタンスではなく、「みんなでみんなの子どもを見る」ムードが自然と生まれ、お互いの気遣いや優しさを敏感に感じられます。
また、予想もつかない子どもの言動にみんなで笑ったり驚いたり感心したりと、予定調和ではないからこそ共有できる感情の種類も増えるのではないでしょうか。
もう一つの大きなメリットとして、「自分が仕事をしている姿を子どもに見せられる」ということ。リモートワークの普及により自宅で仕事をしている姿を子どもに見せる機会は増えたと思いますが、「自分の親がどんな人たちと一緒に働いているのか」を知ることは、子どもにとって新鮮な体験であるようです。
親の仕事を応援したいと思う一助になるほか、様々な出会いを通じて、世の中にはどんな仕事があるのかを知るきっかけにもなるかもしれません。我が子も「ママの仕事は『こうほう』で、かいしゃのおしごとをテレビや新聞にのせてもらうひと」(半分くらい正解かな)と、何度かの出張同行を通じて5歳なりに「広報」という仕事への解像度を上げている様子。
また、普段は日中別々の場所で過ごすことが多い親子にとって、いつも暮らしている場所以外での共有体験はとても貴重な機会です。お互いに今まで見えなかった一面を知ることができ、子育てにも新たな視点が加わるように感じます。
個人的には、子連れ出張を何度か経験することによってフットワークが確実に軽くなったことも良かった点です。プライベートでも子どもを連れて遠出することへのハードルが下がり、一緒にいろんな場所でいろんな体験をしたい!というモチベーションが高まっています。
まとめ
人によって程度はあれど、「周りに迷惑をかけてはいけない」という思いを抱えながら子育てしている親は多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人で、はじめて子連れ出張に行く前は「皆の手を煩わせずに、ひとりでちゃんと子どもを見なくては」と思っていました。でも蓋を開けてみたら、まわりの人のなんとあたたかいこと...自分と同様に子どももコミュニティの一員として尊重してもらえたことがとても嬉しく、子育てを応援してもらえているような気持ちになれました。
子どもに対しても「知らない人ばかりの中で、大丈夫かな.」と心配していたのですが、今思えば全くの杞憂でした。我が子だけでなくみんな、すぐに順応して、地域の魅力を全力で味わい楽しむ力を持っています。
当社グループではリモートワークや裁量労働制の導入、男性社員の育児休暇取得など、多様なバックグラウンドを持つ社員がフラットに協業することができる環境を目指して整備を推進しています。しかし、子育てへのサポートは「一企業の制度」だけでは限界があるのも現実。
スポットの滞在で終わるのではなく、そこでの出会いを長期的な関係性に育てていくことで、小さな意識の変容が連鎖し、いずれ大きなイノベーションの創出につながるのではないかという可能性を感じます。
全てのワーキングペアレンツが子どもを理由に何かを諦めなくてもいい世の中が実現できることを願って、引き続き社内外での議論を続けていきたいと思います。
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