クラウドサービス導入時の苦労話や勘所
こんにちは、BTI部のダイスケです。
今回は弊社のシステム開発におけるクラウドサービス導入のポイントをご紹介したいと思います。
弊社でもSalesforce、kintoneなど様々なクラウドサービスを利用しています。
クラウドサービスを導入する理由はいくつかありますが、以下のメリットが弊社のサービス開発とマッチしていることが大きな理由です。
・利用料を支払うだけで簡単にサービスを利用開始できる
・サーバーなど物理的に用意するものがなく、イニシャルコストを抑えられる
・提供している機能の範囲でカスタマイズが容易に高速で可能
メリットを活用できたシーンとして直近の業務系システムの導入事例をご紹介したいと思います。
最初期の要件を粗めにあげると次のとおりです。
上記の実現にあたり一番の課題は4で、アジャイル的にしているサービス開発のスピード感にマッチするアーキテクチャや体制です。
オンプレミス、スクラッチで開発しようとすると、サーバー端末の購入から構築や、開発委託先との調整コスト等々によるスケジュール面の問題を簡単にクリアできることから、クラウドサービスを利用することにしました。
結果からいうと今回はkintoneを採用させていただきました。
kintoneはノーコード/ローコードでアプリケーションを構築することができるクラウドサービスです。例えばExcelやCSVファイルを取り込むだけで項目や入力画面まで自動生成できて、管理画面上のマウス操作でページのレイアウトからセキュリティ設定まで簡単にできます。
また、多少込み入ったカスタマイズがしたい場合も、JavaScriptで細かい挙動の制御もできますし、APIで外部システムとの連携もできるので、しっかりと作りこむことができるのも特徴です。
インターネット上のナレッジやプラグインも多いので、目的を実現するための手段が豊富にあるのも開発者には嬉しい要素ですね。
今回の要件1~2は前述のとおり、データフォーマットさえ手に入れば、多少の微調整を加えるだけで簡単に作ることができます。
3は今回求められているスピード感と運用開始後に一定量発生する改修による影響が大きいことから、初期はマニュアル運用とし、後ほどEAIによる自動連携を実装することとしました。
また、当然ではありますが、粗めの要件でスタートしたこともあり、サービス開始後も運用レベルでの要件修正は日々発生しました。
いくつかのオペミスに繋がりかねないすぐに解消しないといけない問題が発覚しましたが、その日のうちに簡単に改修でき、オペレーションサイドの協力もあり翌日から運用にのせるようなスピード感で動くことができました。
クラウドサービス選定の観点からすると、今回の初期要件のみからならkintoneではなくても、例えばSalesforceで実現することもできますし、ノーコード/ローコードの機能面でも高度なことが可能です。
一方、kintoneの大きな特徴として、シンプルなユーザインターフェースと機能であるために、ユーザサイドが「できること」を理解しやすく使いやすいという点が挙げられます。
この特徴は結果として、運用開始後のユーザサイドからの追加要求要件の吸い上げやすさに直結するので、ローンチ後の改修においてスピード感をもって必要十分なカスタマイズを実現することに非常に効果的と言えます。(ここが個人的にkintoneを気に入っている部分でもあります。)
つまり、今回の案件で「運用開始後の改修が発生することも含めて“要件”として捉えられたこと」が「kintoneを選定し適切な開発の実現」に繋がったと言えます。
どのサービスがいいかは企業やサービススキームなど様々な要因によります。
多くの機能を備えた素晴らしいクラウドサービスはたくさんありますが、結局は「活用シーンの要件を正しく把握」することこそがサービス選定時の「勘所」となると感じています。
もちろん、日々生まれてくるクラウドサービスの特徴をリサーチしておくことは前提になりますね。
ぜひ、皆さんのイチオシのクラウドサービスや、サービス選定の際に大事にしている軸などあれば、教えていただけると嬉しいです。
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