カーボンニュートラルLPガスってなんだろ?
皆さんこんにちは、三ッ輪産業常務の松下です。今回は、最近しばしば耳にする「カーボンニュートラルのLPガス」についてお話しします。
突然ですが、みなさんに3つの質問をしたいと思います。
① カーボンニュートラルのLPガス(以下、CN-LPガス)は燃やしてもCO₂は出ないのでしょうか?
答えはNOです。
LPガスは主にプロパンとブタンでできており、燃やして使用するのが基本的な使い方です。CN-LPガスもプロパンとブタンでできていることに違いはないので、燃やしてもCO₂が出ない…ということはなく、1kg燃やすと約3kgのCO₂を排出します。
では、次の質問です。
② CN-LPガスとは、どういうものでしょうか?
これを説明するにあたって、まずはCNとは何か。CNとは「温室効果ガス(GHG:グリーンハウスガス)の排出量と吸収量を均衡させること」を意味します。
温室効果ガス?CO₂だけじゃないの?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです。脱炭素化に向けて削減が必要なのは、CO₂だけではなくメタンなどを含めた全ての温室効果ガスなのです。
ちなみに温室効果ガスとは、「太陽から放出される熱を地球に閉じ込めて、地表を温める働きがある気体」を指します。具体的には、CO₂・メタン(CH₄)・一酸化二窒素(N₂O)・ハイドロフルオロカーボンのうち政令で定めるもの(以下化学式省略)・パーフルオロカーボンのうち政令で定めるもの・六ふっ化硫黄・三ふっ化窒素の7つ…ですが、ちょっと難しいので、主にメタンやCO₂などの気体だと思っていただければ良いかと思います。
ここまで説明してやっと、「CN-LPガスとは、『温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させたLPガス』である」ということがご理解いただけたのではないでしょうか。
最初にお話しした通り、CN-LPガスとはいえ、燃やすとどうしても温室効果ガス(主にCO₂)を排出するので、「排出されるCO₂の量と同量のCO₂削減を行い、排出量を相殺する(ゼロにする)」という仕組みになっています。
ちなみにCO₂削減の活動とは、森林保全/植林などの活動や、風力や太陽光などの自然エネルギーの利用、そしてこれらCO₂削減活動の権利(カーボンクレジット)の購入などがあります。
なお、現状のカーボンクレジットの市場は主に
1. 国際機関
2. 政府や自治体
3. NGOなどの民間事業者
などによるものがあり、まだ完全には整備されていません。日本で主流となっているJ-クレジットという制度においては、現時点ではCO₂排出量1トンに対して約3,000円程度で取り引きされています。
では、最後の質問です。
③ CN-LPガスを購入するにはどうしたら良いのでしょうか?
これは、LPガスの元売りに「CN-LPガスください」と言うだけなので簡単ですね(笑)
具体的にはアストモス社やジクシス社が取り扱っていますが、普通のLPガスよりは割高です。それでも、脱炭素社会実現の一助のためにご希望されるお客様がいらっしゃいますので、当社からもCN-LPガスを提供させていただいております。
世界的な脱炭素への潮流の中、上記のように「カーボンニュートラル」が付加価値になり、新たなビジネスチャンスが生まれ始めています。
環境激変化においてもこれを成長の好機ととらえ、業界内をリードする存在になれるよう引き続き走っていきたいと思います!
●前回の記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?