EAIの適用ユースケースについて考える
こんにちは、タケヒロです!
初投稿で何を書こうか悩みましたが、最近弊社で導入を検討しているEAIについてご紹介したいと思います。
EAIは”Enterprise Application Integration”の略で、社内および社外のシステム同士をつなぐ、データ連携ソリューションのひとつです。
「データ連携」と言うと、EAIの他にもETLやESB、比較的最近だと、ZapierやIFTTTと言った「サービス連携」のためのサービスも数多くありますね。
これらの違いについては、ネット上にたくさん情報がありますので、そちらにゆずりますが、一点だけ補足すると、EAIとETLは、言葉の定義は異なりますが、EAI/ETL製品の多くは互いの機能を取り込みしつつ進化してきており、その製品自体がEAIなの?ETLなの?と言った議論はあまり意味がないようです。
本稿では、EAI or ETLの意味でのEAIではなく、ETL機能も含んだ、製品としてのEAI(and ETL)について書いていきたいと思います。
EAIは、様々なシステムに接続するための「アダプタ」と、データを変換しつつ連携する機能を持っているのが特徴です。
例えば、KintoneアダプタとSalesforceアダプタがあれば、Kintoneで起票されたケースをSalesforceに自動で登録することができますし、メールアダプタを使えば、受信したメールに記載された申請情報をDBに保存する、と言った処理をGUIで簡単に実装することもできてしまうんです。
データ連携と言うシンプルな目的に特化したソリューションであるがゆえに、理論的には、どこからデータを取り、どう変換してどこに連携するか、と言う無限の組み合わせを実現できるわけで、アイデア次第でいろんなことに応用できそうです。
と言うことで、前置きが少し長くなってしまいましたが、今回は、私達がEAIをどんなユースケースに適用しようとしているのかを簡単にご紹介します。
まずは、主に以下の3つのケースかなと思っています。
1.社内業務の自動化・効率化、システム統合
弊社は歴史が古く、未だに手作業や非効率な処理が多く残っています。RPAやAI-OCRも使っていますが、それらのツール導入だけでは、EUC/EUDの実装技術をVBAからRPAに置き換えただけで、部分最適化の域を脱しません。
弊社でも業務の全体最適化までは至っていないのが現状で、なぜ全体最適化できないのか?と言ったところは、スキルの問題や、リソースの都合等いろいろありますが、その辺りの議論はまたの機会にお話ししたいと思います。
EAIに話を戻すと、社内業務の部分最適化から全体最適化へ駒を進めるためのひとつの武器としてEAIを使えるのではないか?と考えています。
どんな業務でも、必ず上流から流れて来た情報に何らかの変換を加え、その結果を下流に流す(または上流に戻す)、と言う形になっています。極論してしまえば、すべての企業活動は取ってきた情報の変換および連携と言う、正にEAIの機能そのものだと言えるのです。
だからと言って、もちろん、創造的な処理やイレギュラーケースの多い業務にそのままEAI適用するのは無理がありますが、BPR(業務改革 : 業務プロセスそのものの見直し)も同時に行い、業務を定形化・テンプレート化できれば、EAIを適用し、自動化・効率化を加速できるのではないか、また、業務をテンプレート化することで、逆に多くの業務バリエーションに展開できるのではないか、と言った辺り、EAIに期待していたりします。
2.社内データの利活用
社内ディスカッションの中で、社内に散在した顧客情報をCRMやSFAでシームレスに管理したいよね、とかBI使って分析したらイイかも!とか、AI使って学習させて、ビジネス予測に活用できたら面白そうじゃん!と言う話題が度々あがったりします。
既に弊社ではBIツールを使ったり、データ分析基盤を構築したり、と、いろいろトライしていますが、リアルタイム性やパフォーマンス、コストの課題から、社内のデータ資産をフルに活用しきれていないのが現状です。
ETLを使ってデータレイクにデータを蓄積してAI/BIに~と言うのは典型的な実装かと思いますが、前述のように、EAIと ETLは、ほぼイコールとして考えられるので、弊社でもETLの側面もフル活用し、データ利活用を促進したいと考えています。
データ分析については、これも個別にいろいろ語りたいことがあるので、このテーマもまた掘り下げてご紹介できればと思います。
3.社外向けサービス提供
弊社は、LPガスや電気と言ったエネルギー商材の卸・小売事業や、その関連サービスを軸に事業展開していますが、エネルギー以外の分野でも、例えばCLSの様に、不動産会社様の様な、私達と同じ生活事業者様と組んでプラットフォーマーとして、様々なサービスを展開しています。提携先とのシステム連携を進める上で必ず出てくるのが、連携先毎に異なるデータフォーマットやプロトコルの課題です。
そのような違いに個々にスクラッチでシステム開発していてはキリがありません。クイックかつ柔軟に構築できて、メンテもしやすい方法を考える必要があります。
そこで、いわずもがな、EAIの出番!となるわけです。
連携機能構築においては、単なるN:N(提携先×サービス)の連携処理をひとつずつ作り込んで行くのではなく、N:Nに耐えうる汎用的なデータ連携基盤として構築できるとカッコいいな、と思っていたりします。
今回は、弊社のEAIへの取り組みとして、3つのユースケースをご紹介しました。
「EAI」とネット検索しただけでたくさんの製品が出てきますが、いくつかピックアップしてFit&Gap分析の上、PoCを開始したところです。
今後また動きがあったら、この場でまた書きたいと思います。
このnoteの読者の皆様も、EAIをこんな使い方してるよ!と言うのがあれば、是非コメントお願いいたします。
●次回の記事