【資金調達】初めてのエクイティファイナンスのためにしたこと
少し前に、当社初のエクイティファイナンスを実施しました。
お時間をいただいた投資家さん、そして投資家さんをご紹介いただいた方に御礼を申し上げます。
リリースを配信したPR TIMESでも旬速トレンド3位に掲載され、多くの方に認知いただくこともできました!
私自身、CVCとしての出資経験はあるのですが、出資いただく側としては初体験で体当たりなことも多く、「あぁしておけばなぁ」ということもありました。この経験が少しでも皆様の役に立てばと思い、
・どういうスケジュール感で、
・どのようにVCとお会いして、
・何をしていたか。
といったことを体験ベースで書いていきます。
スケジュール感
事業自体は兼業しながら進めてましたが、2022年6月にサラリーマンを退職。7月より投資家さんとお会いし始めたので、着金まで約半年かかりました。
その間、情報交換レベルも含めて25社のVC/CVCとお会いしました。
最終的に出資いただいたTHE SEEDさんとは10月中旬にオンラインでお会いし、12月頭に出資のお申し出をいただいたので、1.5ヶ月くらいのスピード感でした。
投資家とお会いするためにしたこと
投資家さんと会うためのアクションとしてはこの3つ。
①イベントに登壇/メディアからの紹介
②友人にVCの知り合いがいたら紹介してと伝える
③私の交友関係からVCの方に連絡
前職経験を活かして②③を有効に使えました。誰かの紹介ということで、お互いに安心感があったのは良かった気がします。
よく「イケてる投資家と話せ」と言われますが、イケてる投資家さんほど同業からの紹介が多いため、投資家さん伝いでご紹介をいただくことは有効だと考えます。
実際、私もTHE SEEDさんは友人に紹介いただきました。
また、今回はシードラウンドでの調達でしたが、投資ステージがシリーズA以降のVC/CVCとも多く面談させていただきました。次回ラウンドに向けたコミュニケーション、先々の成長のためのアドバイスなどもいただけたので、お会いして良かったと感じています。
*こちらからご連絡する際は、当社がシードラウンドであることをご理解いただいた上でお会いしました
*シードとかシリーズAとかの説明はこちらが分かりやすいと思います
ピッチ資料で気を付けたこと
細かい記載内容は各会社で推したいポイントが異なりますので、ここでの言及は避けますが、最終的に以下2つの資料を作成してました。
①1対1の説明用(15~20分)
②ピッチイベント用(5分)
当初は普通に①で説明してました。そのうち、イベント向けに①をコンパクトにした②ピッチイベント用を作成しました。
そして、その後①を使う機会はほぼ無くなりました。
あるとき、1対1の打ち合わせ時に②ピッチイベント用を使って7,8分ほどで説明したのですが、ディスカッションが盛り上がり、感触が非常に良かったんです。
おそらく説明に適度な隙間があったことで投資家さんとしても質問がしやすい。①で削った部分はAPPENDIXに入れてたので、こちらの説明も詰まることもない。そのためディスカッションが盛り上がったと推察しています。
シリーズA以降とかで事業がしっかりしていればそんな訳にはいかないと思いますが、シードでのピッチ資料作成においては、
ということが重要なんだなと感じました。
ちなみに文字サイズも28ptを基本とし、分かりやすさ重視にしました。
せっかくお会いできた忙しい投資家さんに、伝えきりたいというのは痛いほど分かるのですが、勇気をもってAPPENDIXへ移動させることをオススメします。
私もCVC時代、起業家さんに60分枠のうち50分説明を受け、十分なディスカッションができずに初回面談が終わるケースがあり、良い印象を抱いてなかったことも事実なので、あながち間違ってないと感じてます。
面談後のセルフラップアップと取捨選択
あとは、お会いしたVCさんの情報や言われたこと、改善ポイントなどは面談後にまとめ、ピッチ資料や説明に反映していました。拙い資料ですが、ご参考までにお見せします。
*#0のは、実際の内容をデフォルメしています
投資家さんからはありがたいアドバイスを多数いただき、全てメモって血肉にさせていただきました。でも、全てのアドバイスを鵜呑みにしていたわけではありません。
投資家さんもビジネスには精通されていますが、この事業ドメインについては自分たちが一番理解していますし、アドバイスに無思考に従うのではなく、選ぶという一定の頑固さも持ち合わせないと、フォームが崩れてしまうとも感じました。
投資家はどこを見ているのか
著名な投資家が話すイベントにも参加してお話しを聞いてましたが、シード段階で見るところは「経営者」とおっしゃる方が一番多かったです。
事業が今後どうなるか分からない環境下において、事業に対する熱意や解像度の高さ、状況に応じてピボットも選択できる柔軟さ等を見ているとおっしゃってました。
私自身どこまで当てはまっているかは分かりませんが、長く用意したディスカッションタイムで熱意が伝わったと認識しています。
当社のこれから
シードファイナンスの経験とその中で感じたことを記載しましたので、皆様の追体験として活かせていただけれますと幸いです。
当社は、ご出資をいただいたTHE SEEDの担当者さんと定期的にミーティングを行い、様々な角度でディスカッションしています。
事業に没頭するあまり、視野が狭くなりがちなところを目線を戻していただけるのは非常にありがたいです。
引き続き現状に満足せず、投資家の皆様とともにレバレッジを効かせた事業成長に向けて進んでいきたいと思います。