バカな人に「バカ」と言って、何が悪いのかは愛がない
あるビジネス系の人の発言で、「バカな人に「バカ」と言って、何が悪いのか」とありました。
相手がバカだと早くできるのだから、その方が有用ではないかと。
この言葉を読んで、なんだかモヤモヤすると思ってずっと考えていました。
発言に一理ある気がするけれども、どうにも納得できない。
どうしてそう思うのかずっと考えていたのですが、家でシャワーを浴びていたとき、その答えが湧き出しました。
愛がないから、です。
相手は人間でもその言葉は正しいか?
まず理由の1つ目、相手が人間ということを忘れています。
その発言をした人は数億円も稼いでいる、会社員の自分とは違った思考回路を持つ人です。
その人から見れば、バカに見える人は多く、またその人にとっては普通のことでもバカなことに見えることも多くあって、ストレスになるのだと思います。
でも、だからといってバカな人に「バカ」というのは、あまりに思慮がない。
親しい相手とのやり取りなど文脈によれば別ですが、一般的に「バカ」と言われたらムカつくとか敵意を持つと思います。
それが人間ですよね。
相手がその人間であるということを考えず、「バカ」と発言するのは良いのか。
そこまで思慮が及ばない人は、一体どうなのか。
相手がお客様だとして、おそらく「バカ」なんて言わないと思います。
誰に対してもできるならその発言に重みも増しますが、そんなことはない。
「バカっていう人がバカ」と言われても仕方のないことだと思います。
相手は命令の聞くだけの機械ではなく、同じ血の通った人間であるということを、忘れてはならない。
本当に「バカ」と言われたら「この人とは関わりたくない」とひきつった笑顔で後ずさると思います。
お金を大量に稼いでいれば正しいのか?
2つ目の理由が、お金が絶対軸になっており愛がない。
「バカ」発言はビジネスで数億稼いでいる人でした。
そして億単位ではなくとも、会社員とは桁違いに稼げている人に、たまーに道徳的にどうなのかと思える発言をたまに観測します。
生活保護の人に食わせる金があるなら猫を救ってほしい、ホームレスの命はどうでもいいと発言して炎上した人もいるほど。
そういう人を見ていて、どうしてイライラするのか、ずっと悩んでいたのですが、お金が人の価値だと判断しているからだと気づきました。
お金が価値だから稼いでいるほど偉い。
そういう側面も一部あるかもしれませんが、あまりに視野が狭いと思います。
例えば今は年金生活をしている人だって、働いていないで価値が低いなんてことになりますか?
65歳になるまでずっと働き続けてくれて、そのおかげで今私たちは豊かな生活ができている。
例えば蛇口をひねれば安全な水が出るとか、スイッチを押せば電気がつくとか、暮らしのインフラを整えてくれた貢献はとてつもなく大きいと思います。
食事だってすぐにできるのは、よくよく考えればとてつもなくありがたいことのはずです。
昔なら自分で狩猟採集してどうにかしなければなりませんでした。
食事のサプライチェーン含め、なくてはならないインフラを誰でも使えるような値段で使わせてもらえていることは、とてつもない感謝です。
ここでお金をとろうとすればもっと取れるのに、そうはせずに使いやすい金額で使わせてもらえている。
食材調達、電気、水など今の生活を送れるようになるにはいくら払うか、と言われたら正直青天井になりそうです。
今自分たちの仕事より、豊かに生活できる基盤を作ってくれた先人の方が、はるかに価値の高い仕事だと思えています。
そうなれば、高齢者の方に感謝こそすれ、暴言の類は出てこないと思います。
ホームレスの人だって、頑張って社会のために貢献してくれたけれども、お金を稼ぐのが下手だとか、社会に馴染めなくなってホームレスになったかもしれません。
過去のことに思いを馳せることなく、ただ邪魔だと切り捨てるのはいかがなものか。
愛が足りない。
もちろん、自業自得で生活保護(不正も)なりホームレスになっている人もいるとは思います。
けれども、十把一絡げに現状だけ見て意見を述べるのは、あまりに愛がない。
特に最近はメーカーが大変だと思います。
せっかく苦労して開発しても、コピーされたり価格競争に巻き込まれる。
だからSNSでバズるとか情報商材で儲けるとか、比較的簡単に儲けられる方で儲けてイキっている方が、どうかと思っています。
実物を扱って、生活を豊かにしてくれた人の方が、金銭的稼ぎは少ないかもしれませんが残してくれたものは偉大です。
電気をいつでも使えるように、ネットをほぼどこでも使えるように、PCだって開発してくれたから稼げている。
その目に見えない感謝を忘れるようなことは、どうなんでしょう。
目に見えないことこそ、思いを馳せ大事にすべき
今だって、残してくれたものを運用する人が多く働いています。
上下水道に勤める人とか、電力会社に勤めている人とか、土木会社に勤める人とか。
稼ぎが良いとは言えないかもしれません。
でも、その人たちのおかげで豊かに生活ができている。
そのことを忘れたら、自分本位な悲しいモンスターになります。
お金を軸に考えていたら、見失うものが多くありすぎる。
確かに多くお金を稼ぐことはすごいですが、それだけじゃない。
今当たり前のようにあるものだってとても大切。
むしろそれがあるから今豊かに生活できている。
お金を稼ぎまくった人が転落する話をたまに聞きますが、愛を忘れたからなんじゃないか、と思っています。