不思議な夢 「住む場所が違う」
これは、私がまだ訳あり物件に住んでいたときに見た夢です。
その頃、すでに異常な行動を取り始めていた家主。家主とあの家からどうやって逃げるか、そのことで毎日頭を悩ませていたときに見た、不思議な夢でした。
繰り返し見てきた夢
その前に、私はある夢を何度も繰り返し見てきました。それは、「実は、私たちの家はある」という夢です。結婚後、どういうわけか住まいに恵まれなくなり、計画通りに家の購入ができなくなった我が家。
しかし、夢では私たちの家は実はあって
「もう、自分たちの家へ帰ろう」
「やっぱり、家に帰ってくるのはいいねえ」
などと夫婦で話しているのです。実際には無いというのに。
厳密にいえば、継げそうな屋敷はあります。父の実家がそもそも空き家状態ですし、所有権は父が持っていたからです。私の実家も兄に何かあれば相続の可能性が高くなります。しかし、現時点で私たち夫婦の名義になっている物件はありません。
一体、なぜこのような夢を見るのか、今も不思議に思っています。
自分たちが「本来住む場所」へ帰る夢
そんなときに見たのが、ようやくあの土地から逃げ出す夢でした。ただ、夢に登場した行き先は家ではなく、緑の葉が生い茂る木立ち。それも小高い場所にあり、登るには多少難儀しました。
何しろ、緩やかな傾斜を登っていくのではなく、断崖絶壁のようなほぼ直角の場所にあったのですから。
高さの感覚としては、5階建ての建物くらいのものでしょうか。途方もなく高くはありませんが、上がってみると下の状況をよく見ることができました。葉が風にさわさわとなびく、陽光が差す心地のよい明るい場所。
そして、そこが私たちが住む場所だというのです。
木の葉の影から夫と二人で顔を出し、下の様子を見てみました。すると、下はゴミが散乱した汚れた街で、そこにやってきたのはあの家主だったのです。
オープンカーに派手な化粧の奥さんを乗せ、何やら私たちを必死で探している様子。しかし、上にはまったく気づきません。家主夫婦は、狂ったような様子で車を飛ばし、やがて視界から消えていきました。
彼らは、どうも上には上がって来られない人たちのようでした。
そして、ようやく私たちはホッとできたのです。
オープンカーは、当時実際に家主が乗っていたレクサスの2シーター・コンバーチブル。すでに80歳を超えていたかと思いますが、奥さんにねだられたと話していたのを覚えています。
本来とは違う場所に落ちてしまうこともある
その後、私たちは神仏の助けで現在の土地に移住したわけですが、今のところ常識のある人としか出会っていません。まさに神域という感じの場所です。
あの家に住んでいるときは卑しい人も多く、それまで付き合ったこともないような人たちが周囲に増えていきました。
自殺による事故物件が多いことも後で知りましたが、調べてみるとその昔は罪人を住まわせていた土地であったことも判明。処刑場跡地も近くにあります。
そもそも、あの家主の屋敷がある場所は、その昔は生き物の死骸を置く場所として使われていたのだそうです。これらの話は主に町内の高齢者から伺いました。
地名を変えてしまい、利便性を上げて住宅地として開発してしまえば、それ以前はどのような土地であったか知る由もありません。
そういったこともあり、何らかのはずみでポッと本来ではない場所に入ってしまったのだと思います。
ただ、そのようなことは、誰の身にも起こり得るのではないでしょうか。本来、付き合うべきではない人物と関わってしまうのも「何かのはずみ」ではないかと思うのです。