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家に侵入してきたものは? 「深夜の訪問者」
これは、訳あり物件に住んでいるときに起こった出来事です。読み手にとっては怖い話だと思いますが、私にとってはあまり怖いほうには入りません。
一番怖かったのは「二階で常に感じていた何者かの視線」でしたから・・・。
深夜に鳴ったインターホン
あれは、夫も自宅で仕事をするようになった頃でした。夫は会社員時代のDTPスキルを活かして起業。私は下請けをしていた取引先が倒産寸前で、Webライターへの移行を始めていた頃です。
夫は突き当たりの仕事部屋で作業を続けていて、私は先に寝室で就寝。二人とも二階にいましたが、それぞれ居場所は別です。
眠りについた頃、ふいに鳴ったインターホンで目が覚めました。
ピン、ポ〜〜〜〜ン・・・・
(え?)
妙に反響する音。夜間で周囲が静かなせいか、音は不気味に響いています。
時刻は、恐らく二時頃。
ドアがいくらか開いているのか、夫の部屋からは薄明かりが・・・。ところが、聞こえないのか夫は反応しません。
(こんな夜中に?)
緊急にしても深夜の訪問とは余程の事情です。身内に何かあったにしても、まず電話が入るのが通常の流れでしょう。それとも町内の人?一体なにごとだろうと考えていると、再びインターホンが鳴ります。
ピン、ポ〜〜〜〜ン・・・・
やはり、夫は聞こえない様子。それより、こんな時刻の訪問自体、不自然で非常識ではありませんか。夫はスルーしているのか、でなければそのうち様子を見に降りるだろうと考えていました。
訪問者は意外な「もの」
ところが。
ガチャ・・・・
(え?)
玄関のドアが開く音がし、私は恐怖に包まれました。誰かわからない者が侵入してきたという恐怖です。二階へ上がる階段は玄関を入ってすぐ。逃げようがありません。
夫はまったく気づかない様子で、奥の部屋は相変わらず薄明かりが漏れているだけです。
そして、何者かがヒタヒタと階段を上がってくる気配が・・・。
(夫に知らせないと!)
体を起こそうとしたとき、自分の異変に気づきました。体がまったく動きません。声も出なくなっていました。
程なく、寝室に入ってきた「もの」。
それは、黒いシルエットだけでした。顔の造作も衣服もまったくわかりません。そもそも初めからそれらは一切なく、黒い人型といった感じです。
動けずにいると、黒い人型はベッドに飛び乗り、私の首を拳でゆっくり押さえつけてきました。
(このままでは殺される)
私はどうにかしようと、足をばたつかせてみました。そのうち、片足がどうにか自由になり、人型を蹴り上げることに成功。
その瞬間、人型は消え、体の自由も戻ったのです。
夫のいる部屋からは、やはり薄明かりが漏れているだけ。そして、静寂が戻っていました。
【解説】
これは、恐らく当時私を逆恨みしていた人の念だと思います。夫がパワハラされた件で、裁判で決着をつけた中小企業の社長ではないかと。夢でも何度か見ていて、嫌がらせの電話も執拗にありましたから。そして、ついに怪奇現象に。労基に相談をした私を、殺したいほど憎かったのでしょうね。似たような体験は他にもあります。そちらは正体が明らかです(顔が見えたので)。
私は勝ち気な性格なので、怖いというより「ふざけるな!」という気迫で蹴り上げてやりましたww