考えるとじわっと怖い 「神隠し??」
連休も終了。とある観光地にある工房のバイトに駆り出されていたのですが、そこで些細な騒動が起こりました。怖い話ではありませんが、一時は
「今どき神隠し??」
と、慌てたのは事実です。そして、こういうことが行方不明に繋がるのかもしれないと感じました。
騒動が起こったのは午後3時過ぎ。
その日は連休初日とあって、悪天候ながらも体験コースの予約はいっぱいでした。オーナーはイベントに出ているため、接客は基本的に私一人。買い物客と電話の応対に加え、体験のお客様への事前説明と教室への案内、終了後のお会計業務も行います。
その前のコースが押してしまったこともあり、3時からのお客様に時間をあてる余裕がありません。そこで、説明をやや省略しました。そして、いつもは予約名と参加人数も個別に確認するところを、
「ご一緒に来られた方は全員お揃いになってますか?」
と全体に呼びかけるだけで確認し、案内することにしました。つまり、どのグループにどういった人がいるか把握できていなかったのです。
とにかく、全員揃っているということで、ようやく場所を移動することに。ここで、1組のご夫婦がトイレに行きたいというので行ってもらい、ひとまず他のお客様を先に誘導。大人数名と小学校低学年くらいの男の子1人が先に教室へ入っていきました。
(さて、トイレのお客様を迎えに行こう)
と戻ってみると、トイレの前でご夫婦が何やら慌てています。子供がいなくなったと言うのです。
ご夫婦とそのお子さん(男の子)でトイレに行ったものの、お子さんは先に外へ。一緒にトイレに入った父親は、外で待ってると思った子供がいないので、母親とともに探し始めたところでした。
(男の子?)
教室で見た男の子が浮かんだ私は
「先に行ったかどうか見てきます」
と夫婦に告げ、もう一度教室へ。先ほどの男の子は、お父さんと思われる男性と仲良く話しながら、エプロンをつけてもらっているところでした。
(やっぱり、この男性の子供だよね)
そもそも、トイレから出て教室へ向かったにしても、私自体その男の子を途中で見ていません。ならば、やはり教室へは行っていない筈です。一応インストラクターに
「男の子がトイレからいなくなったそうなんです。もう少し探してみます」
と伝え、ご夫婦のところへ。子供はまだ見つかっていませんでした。工房の敷地は広く、複数の建物が建っています。樹木も多いうえに竹林もありますし、そもそも敷地から出ていたら探すのは大変です。
「教室に男の子はいるんですが、他のお客様のお子様のようなんです。こうしてる間に入れ違いで入ったかもしれませんし、ひとまず教室へ行ってみましょう」
それでいないなら本当に捜索しないといけなくなるなと思いながら、ご夫婦をともなって再び教室へ。すると、そこで驚くことが判明。実は、初めからいた男の子がそのご夫婦のお子さんだったのです。
一緒にトイレに行ったというのに、一体いつ出てきて紛れていたのかはまったくわかりません。そのうえ、
男の子は、初対面の男性と親子のように打ち解けていた
インストラクターも他のお客様も男性と男の子を親子と思っていた
「子供がいなくなった」と言ったとき、男性も男の子も無反応だった
という条件が重なって、余計気づかなかったわけです。
今回は、その場に居合わせた人が親切に世話をしてくれただけですが、誰もが親子と思ってしまうほど違和感がないというのは、誘拐されたときを考えると怖いなと感じました。
人懐こい子供だと、意外とこういう感じで簡単に連れ去られてしまうのかもしれませんね。
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