今思うと「どうやって見たんだ?」と不思議になること
執筆が煮詰まったので、noteで不思議話でも。
2つありますが、いずれも訳あり物件に住んでいたときの話です。そのときは当たり前に受け入れていたのに、後から冷静になって
「あれ、なんで見えたんだろう?」
「誰目線でどこから見たんだろう?」
と妙に思ったことがあります。
玄関前にいる人
まず一つ目。
トップ画像はあの家の玄関ドアなんですが、全体的に黒、中央部分には磨りガラスがはまっていました。
磨りガラスですが意外に中が見えるので、リースの下ぐらいから鏡面タイプのシートを貼って対策。そのため、玄関の外側に立つと自分の姿が写ります。
ある契約の説明と見積もり提示のために業者さんが来訪したときです。インターホンが鳴ったので、すぐに2階の仕事部屋から出て1階へ。私が出るまでの間に、玄関ドアの鏡面部分で身だしなみを確認する業者さん。
(あの人かあ。契約、取って帰りたいんだろうなあ)
と思いながらドアホンで対応し、入ってもらいました。
夫と一緒に説明を聞き、見積もりも確認。内容は特に問題なし。ただ、契約はしませんでした。どうしてそういう流れになったのかは忘れましたが、今から銀行に行って欲しいと言い出したからです。
業者が来たのは午後で、うちは夫婦で仕事中。あらかじめ聞いていた話ではなく、いきなりそんなことを言われても都合がありますからね。
で、その人が帰ってから気づいたんです。
(どうして、あの人が玄関前で髪やネクタイを直してるのが見えたんだろう?)
と。
玄関にモニターを付けたのは、その後のことです。なぜ、あんなに鮮明に見えたのか、今でも不思議になります。
バスの窓から見た空き家
前にもどこかで書いていると思いますが、訳あり物件が建っていた土地は、元はある地主さんが持っていた広大な土地の一部でした。
2棟のマンション、専門学校、20台分くらいの駐車場、民家が4軒。地面師に狙われてもおかしくない広さを一人の人が所有していたのです。
結局、投資話を持ちかけられてハメられ、その人はすべての土地を失ってしまいました。最後に残ったのは事務所として使っていた建物で、100坪くらいの土地だったと思います。
うちが訳あり物件に入居した頃はその土地さえなくなり、建物も取り壊された後でした。ところが、私は空き家になってボロボロの事務所を見ているのです。
それは路線バスの窓からでした。ちょうど信号待ちで事務所の前に停まったときに、錆びた屋根や朽ち始めた外壁を見た記憶が鮮明にあります。
だから、あの家に住んで町内の人に事情を聞いてからは
(最後に残ったあの事務所まで、結局失ったなんて気の毒に)
と思っていました。
しかし、よくよく考えてみると、その頃の私はバスを利用することがほとんどなかったのです。仮に利用したことがあったとしても、あのルートの路線バスに乗る理由がありません。
でも、町内の高齢者から聞いた話と建物の特徴は合っているのです。
「私知ってます。こんな感じでしたよね」
なんて、普通に話していました。
映像は頭にあるのに、考えてみるとなぜ見えたのか、バスから見た記憶なのか、今でもわかりません。
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