たのしいファイナンス基礎知識

さくっと、ファイナンスの基礎知識について

投資に通じる考え方を3つ概観してみます  

・効率的資本市場仮説
・リスク分散
・資本資産価格モデル  

効率的資本市場仮説  

ギルソンクラークマンによれば、
いかなる情報を用いても、株式市場で平均以上の利益を得ることはできないそうです。  

なぜなら、市場価格にはすべての情報が織り込み済であるから
すべて反映した価値が市場価格なんだということですね  

たとえば、
市場に対する詐欺理論という
アメリカのケーススタディがあります  

有価証券虚偽記載事件(民事)を考えます。  

原告は株の買主、被告は株を発行した会社で、  

財務諸表上の虚偽記載があった場合、  

原告は、虚偽記載と損害の因果関係を立証しなければならないのです。  

ところが、証券の市場価格は、実体である会社の価値を表してます。  

ですので、虚偽記載についても反映しているならば、  

市場価格で買っている以上、  

虚偽記載も込みで信頼していることになり、  

もし、損害を被っているならば、  

損害は発生している  

すなわち、因果関係を証明する必要はないという理屈です。  

因果関係を証明するのはハードルが高いので、
株主を保護するための論理として働きますね  

・リスク分散  

今では有名なリスク分散についての理論ですが、  

ハリーマルコビッツによってはじめてポートフォリオ組成が提唱されたと言われてます  

リスク分散というのは  

傘と日焼け止めの話が有名。  

傘を売る会社だけに投資すると、晴れの日が続く時期は損失を生みやすく  

日焼け止めを売る会社だけに投資すると、雨が続くような時期に損失を生みやすく  

両社を半々で持っておけば、同じコストでリスクを減らし、リターンを安定させることができるというかんじです  

ちなみに、ポートフォリオ対象とする資産は
(数だけで言うと、)30銘柄で確率上のリスク分散という目的は果たされることになります。  

資本資産価格モデル  

リターンのばらつきは分散不能なリスクで、
これを計測する技術がCAPMである  

また、株式の価格は、
リターンがマーケットの動きにどれだけ連動しているかに左右されるので  

過去の株式価格の反応がマーケットの動きに対してどう反応しているかを観察し  

そして、現在、将来の株式価格を評価していく  

という考え方です。  

この場合、過去ってどの範囲?  

という点が論点になります。  

ファイナンスの専門家は、ここ10年の収益動向を判断する資料とすることが多いのですが  

どこまで遡ってデータを集めるのかによって将来予測は変わりますよね  

1930〜1940の10年でいいのか?  

1930〜1950の20年にしたらデータは改善するか?  

改善するとしたら、60,70年もデータに入れるべきか?  

逆に、最近のデータを使った方が精度は上がるのか?  

その場合、近時のバブル現象はどのように考えるか?といったさまざまな問題が生じてきます。  

ファイナンスはまだ新しい学問なので、これからもっと理論が深まってくるんですかね。

法学系の切口だと神田先生、草野先生、田中亘先生辺りが本書いてくれるんでしょうか。草野先生は裁判官になったから書かないか。

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