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本当は何がしたいの?
こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!
今回は、「パソコンを買いたい」と相談を受けた際に実感した、「買うこと」自体が目的になっていないかを考える記事を書きます。
そして、これは「パソコン」に限らず、どんな製品・サービスでも、最終的な目的を見失っては意味がないという話です。モノを売る先にある「理念」とは何かを考えていきます。
「パソコンを買いたい」と言われた
先日、「パソコンを買おうと思うんだけど、どれがいいの?」という相談を受けました。
家電量販店に行くと、最新のCPUだとか、メモリが何GBだとか、SSDがどうこうとか、いろいろな機種が並んでいます。
初心者の方だと、カタログを見ても用語がわからず、結局店員さんの言うままに高性能なパソコンを買いがちです。
しかし、本当に知りたいのは、「この人はいったい何をしたいのか?」というところです。たとえば、
ネットサーフィンとメールぐらいしか使わない
いわゆる「廉価版」のノートPCやChromebookでも十分かもしれません
なんならタブレットでも良いのかもしれませんね。中古PCもおすすめです。動画編集やゲームをがっつり楽しみたい
CPU・グラフィック性能が高いデスクトップ、あるいはゲーミングノートが必須になることがあります。外出先でもプレゼン資料を作りたい、持ち運びがメイン
軽量なモバイルノートPC、バッテリー駆動時間の長さやキーボードの打ちやすさ重視、といった視点が必要になります。
という具合に、「やりたいこと」から逆算してスペックを決めないと、オーバースペックにお金をかけることになったり、逆にやりたいことができないPCを買ってしまったりするわけです。
つまり、「パソコンを買う」という行為は、基本的には、何かを実現するための手段でしかありません。だって、パソコン自体の蒐集家なんて、ほとんど聞いたことありませんからね・・・。
そこを取り違えて「なんとなく良さそう」「最新スペックだから」などと買ってしまうと、結局使いこなせずに無駄になりがち、というのがよくあるケースです。
そもそも「買う」ことが目的になっていないか
これはパソコンだけの話ではありません。たとえば自動車、カメラ、スマートフォンなど、何でもそうですが、「いいモノだから」「流行ってるから」「高性能だから」といった理由だけで買ってしまいがちです。しかし、モノを買うこと自体がゴールではないですよね。
買った結果、何が変わるのか、何をしたいのか・・・
そこを明確にしておくことが、満足度の高い買い物につながりますし、ビジネスでも同じように、「その商品を売ること」が目的ではないという理念が大事なのではないでしょうか。
伊藤園の社是にみる「モノの先の理念」
私がとても印象的だと思うのが、伊藤園の姿勢です。
伊藤園は「お〜いお茶」をはじめとした緑茶、烏龍茶などで有名ですよね。もし伊藤園が「お茶を売ること」が最大の目的になっていたら、ここまで多角的なソフトドリンク展開はなかったかもしれません。
しかし、伊藤園の社是には**「お客様第一主義」「グローバル視点」「常に革新」**などの精神が盛り込まれており、「お茶を売る」ことに固執するのではなく、お客様の生活をより豊かにするための飲料全般、野菜ジュースや黒酢飲料など、多様な商品展開を進めてきました。
つまり、商品そのものが目的ではなく、商品を通じて実現したい世界観や価値が理念として存在しているというわけです。これが企業が永続していくための大きなポイントですし、パソコン購入など個人の買い物でも同じように、「このモノを通じてどうなりたいか?」を考えると、無駄遣いを防ぎ、適切な選択ができるようになるわけです。
なお、伊藤園の話は、以前書いた以下の記事でも触れていますので、よかったらご覧ください。
事例:PCの要件を明確化してみる
具体的にパソコンを買いたいと言われたら、こう聞き返すことをおすすめします。
何を主に使う?(動画編集?Web会議?ゲーム?SNS?)
予算はどれくらい?
持ち運ぶ予定はある?
既に持っている周辺機器やソフトウェアは?
これらを洗い出すことで、「スペックはそこまでいらないから安めでOK」とか、「外出先でも動画編集するならGPU付きのハイスペックノートが必要」など、具体的な選択基準が見えてきます。
さらに、「実はあまり持ち運びしないかも」という場合は、デスクトップのほうが費用対効果が高いこともあります。最新のゲームを快適に動かしたいなら、ゲーミングPCと呼ばれるものが良い、など、要件とパソコンの特性を突き合わせて決めると、満足度がぐっと上がります。
余談ですが、中古PCなどでも、記憶装置がハードディスク(HDD)ではなく、SSDであれば、ある程度快適に動くことが多いですので、覚えておいてください。ある程度詳しい人は、HDDの激安中古PCを買って、SSDに自分で換装することもあります。
経営への応用:理念を軸に製品を考える
パソコン選びの話を経営に応用すると、以下のようになります。
商品開発は手段であり、理念を実現するための一要素
何を作るかよりも「どんな価値をお客様に提供したいのか」のほうが大事顧客の課題を解決する視点
「スペックを上げれば売れる」はもう通用しない。お客様の本当のニーズは何かを見極める。変わりゆく社会に対応する柔軟さ
伊藤園がお茶だけでなく、ソフトドリンク全体に展開したように、理念を軸に商品を常に時代の風に合わせていく。
こうした視点で動く企業こそが、長期的に信頼を得て、時代の変化に合わせて成長していく力を持つ、すなわち永続する仕組みを持つ「千年企業」なのだと思います。
まとめ:モノの先にある目的を見つめる
パソコン選びにしても、お茶を売る企業にしても、「それ自体がゴールではない」という視点を忘れずにいると、選択や開発のミスマッチが減るのではないでしょうか。
伊藤園のように「お茶を通じてどういう価値を提供するのか」を大切にしていけば、新しい商品も生まれますし、企業も永く愛される存在になります。パソコンを買いたいときも、「どうなりたいか?」「何がやりたいか?」を見失わないようにすると、結果的により満足度の高い買い物や行動につながるはずです。
ぜひ皆さんも、何かを買うとき、「買うこと自体」が目的になっていないか、一度立ち止まって考えてみてください。そうすれば、本当に必要なモノが見えてきて、より少ないコストで最大の効果を得ることが可能になるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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