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「IT苦手」は経営者失格(6)生成AI時代の経営者が今すぐ始めるべき3つのこと

こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

7回シリーズで「IT苦手」は経営者失格 という記事を書いています。
今回の記事では、「生成AI時代の経営者が今すぐ始めるべき3つのこと」をテーマに、生成AIを活用した経営改革の第一歩として、経営者が今すぐ取り組むべき3つのことをご紹介します。もしあなたが経営者で、取り組んでいないことがあれば、ぜひ取り組んでみてくださいね。
経営者ではない方にとっても、ご自分で取り組める内容も多いと思いますので、参考にしていただけるかと思います。
何か1つでも実践してみてください!

生成AI(Generative AI)は、文章生成や画像作成、分析などを得意とするAI技術で、ビジネスの幅広い分野に変革をもたらしています。しかし、この技術を自社にどう活かすかは、経営者自身の積極的な関与が欠かせません。まずは「経営者自身が生成AIと向き合い、実際に使ってみる」ことから始めてみましょう。

(1) 生成AIの基礎を学び、自社の課題と結びつける

生成AIは、膨大なデータをもとに新しいコンテンツを生成する技術であり、文章、画像、音声、動画の制作やデータ分析、意思決定の補助など、さまざまな分野で活用が進んでいます。生成AIを効果的に活用するためには、まずその基礎を学び、自社の課題とどう結びつけられるかを考えることが重要です。

具体的なアクションプラン

1. 経営者自身が生成AIを体感する

生成AIを使いこなすためには、まず経営者自身がその技術を体感することが大切です。まずはテキスト系の生成AIを使ってみましょう。

  • ChatGPT:
    OpenAIが開発した対話型AI。文書作成やデータ分析など、幅広いタスクに対応。無料版でも高性能なGPT-4を利用可能。無料版でもユーザー登録をして使うほうが良い。
    https://chatgpt.com

  • Perplexity AI:
    検索エンジンと生成AIを統合したサービス。引用元を表示し、透明性の高い情報提供が特徴。
    https://www.perplexity.ai

  • Microsoft Copilot:
    Microsoft 365と連携し、ExcelやWordのデータを元に資料作成やデータ分析が可能。セキュリティも万全。 Microsoftアカウントでのログインが必要。
    https://copilot.microsoft.com/

  • Google Gemini:
    大量データを処理できるGoogleのAIツール。長文や複雑なデータ分析に適している。Googleアカウントでのログインが必要。
    https://gemini.google.com/

  • Claude:
    Anthropicが開発した生成AI。自然な会話とAPI連携が可能で、柔軟な業務活用に向いている。ユーザー登録が必要。
    https://claude.ai/

  • 具体例:

    • ChatGPTなどを使って「私は〇〇業です。こんな仕事をしています。生成AIを活用して〇〇したいと思います。どのように活用できますか?」と質問してみましょう。

    • たとえば、製造業の経営者であれば「在庫管理を効率化したい」「新商品のコンセプトを提案してほしい」といった具体的な課題を投げかけてみる。

    • AIの提案をヒントに、自社で実現可能な活用方法を考えます。

  • 結果: 生成AIの可能性や限界が具体的に理解でき、自社に最適な活用方法を見つける第一歩となります。

2. 社内セミナーや勉強会を開催する

生成AIの基礎を学ぶ場を作り、社内全体で共通認識を持つことが必要です。

  • 具体例:

    • 外部専門家を招いた講演会を企画、もしくは商工会議所などのセミナーに参加し、生成AIの基礎知識と事例を共有。

    • オンライン教育プラットフォームを活用し、生成AIについて学べるコンテンツを社員に提供。

    • チームごとに学んだことを発表し、どの業務に活用できそうかディスカッションする。

  • 結果: 社員全体が生成AIについて基本的な理解を持ち、導入への心理的抵抗が低減します。

3. 自社の課題を洗い出し、生成AIの適用領域を特定する

生成AIを導入するには、まず自社の課題を明確にし、それを解決するための適用領域を特定する必要があります。

  • 課題の洗い出し方法:

    • 各部署にヒアリングを行い、「どの作業が効率化できそうか」「どの業務が時間を取られているか」をリストアップ。

    • 顧客対応、在庫管理、マーケティング、デザインなど、生成AIの強みが発揮される領域に焦点を当てる。

  • 生成AI適用の優先順位付け:

    • 効率化が求められる業務(例:日常的な事務作業やカスタマーサポート)。

    • 新たな価値を生み出せる業務(例:クリエイティブ制作や市場分析)。

  • 具体例:

    • 「カスタマーサポートのFAQを生成AIで自動化する」。

    • 「営業資料のドラフトを生成し、作成時間を短縮する」。

  • 結果: 生成AI導入が現場で効果を発揮しやすくなり、経営層から現場まで一貫性のある導入計画を策定できます。

4. 業界での活用事例をリサーチする

他社の生成AI活用事例を参考に、自社への応用を考えます。

  • 具体例:

    • 製造業:在庫管理の最適化や需要予測。

    • 小売業:生成AIで個別化された顧客メールやプロモーションを自動生成。

    • 教育業:生成AIを活用した教材作成やカリキュラムの自動提案。

  • 結果: 業界のトレンドや競合企業の取り組みを把握し、生成AI導入の方向性を具体化します。

このように、生成AIを基礎から学び、自社の課題と結びつけるプロセスは、導入成功の第一歩です。まず経営者自身が生成AIを体験し、可能性を探るところから始め、次に社内全体での共通認識を作り、適切な導入計画を立てる。この段階で得られる理解と発見が、次のステップである「理念共有とルール整備」や「新規事業アイデア創出」に繋がる礎となります。

(2) 会社理念の共有と社内でのAI活用ルール整備

生成AIを効果的に活用するためには、単に技術を導入するだけでは不十分です。全社での活用を成功させるためには、「何のために活用するのか」「その活用が会社の価値観や目的に合致しているのか」を明確にすることが重要です。これが欠けると、AIの活用によって組織の方向性が混乱し、最悪の場合、会社が崩壊するリスクすらあります。

1. 理念の共有が生成AI活用の土台となる理由

理念が無いままの生成AI活用の危険性

生成AIは非常に柔軟で、さまざまなタスクを効率化できますが、その活用が明確な方向性を持たない場合、以下のようなリスクが生じます:

  • 倫理的な問題: 不適切な内容の生成や、会社のイメージに合わない表現が外部に発信される。

  • 組織の混乱: 各部署が独自にAIを導入し、バラバラの基準で運用することで、全体の一貫性が失われる。

  • 価値観の崩壊: 人間らしい判断や温かみを重視してきた企業文化が、効率性を重視するAI活用に押し流される。

理念の共有が成功の鍵

生成AIを導入する前に、会社全体で「我々は何を目指しているのか」「生成AIを何のために使うのか」を共有することが不可欠です。これにより、以下のメリットが得られます:

  • 判断基準の統一: AI活用の目的や範囲が明確になり、部署ごとのばらつきを防ぐ。

  • 社員の安心感向上: 社員が「生成AIが自分たちの仕事を奪うのではなく、会社の目的達成に役立つものだ」と認識できる。

  • 長期的な成長の基盤: 短期的な効率化だけでなく、理念に基づいた持続可能な活用が可能になる。

2. 理念共有の具体的なアクションプラン

全社で理念を再確認する場を設ける

生成AIの導入を機に、会社の理念やビジョンを再確認する全社ミーティングや研修を開催します。

  • 具体例:

    • 経営層が理念を直接社員に語る場を設ける。

    • 会社の価値観とAI活用を結びつけた事例を共有し、社員が「何のためにAIを使うのか」を理解できるようにする。

理念を文章化し、全社員で共有

理念やビジョンを簡潔に文章化し、加えて生成AI活用の指針を含めた「AI活用方針」として電子文書として配布します。

  • 具体例:

    • 「我々の使命は〇〇であり、生成AIはその使命を達成するためのツールである」という文章を明記。

    • 方針文書を社内ポータルや掲示板に掲載し、全社員がアクセス可能な状態にする。

現場の声を反映した理念の具体化

社員が日常業務で感じる課題や不安をヒアリングし、それを理念と結びつけて生成AI活用の方向性を具体化します。

  • 具体例:

    • 営業部の「提案書作成に時間がかかる」という声を反映し、「提案作成を効率化することでお客様との対話時間を増やす」という方針を作成。

3. 社内でのAI活用ルールの整備

理念に基づいて生成AIを活用するためのルール整備は、以下の点を重視する必要があります:

データの取り扱いルールを策定

生成AIを使用する際に、社内や顧客データをどのように扱うべきかを明確にします。特に、プライバシーやセキュリティに関するリスクを最小限に抑えることが重要です。

  • 具体例:

    • 顧客データや機密情報はAIツールに入力しないよう規定。

    • 使用するAIプラットフォームがデータを保存する場合、その取り扱い方法を事前に確認し、許可された範囲内で活用。

生成物のチェック体制を導入

生成AIが作成したコンテンツは、必ず人間の目を通してチェックするプロセスを設けます。これにより、AIの誤りや倫理的な問題を未然に防ぐことができます。

  • 具体例:

    • マーケティング用のコピーや画像を生成する場合、担当者が確認後に公開。

    • 自動応答メールやチャットボットのメッセージも、最初の運用期間は定期的に内容を見直し、改善を加える。

4. 理念とルールの共有方法

経営層からのメッセージ発信
理念やルールを、経営層が直接社員に伝えることで、全社的な共感を得やすくなります。経営層自らが生成AI活用の重要性や、それを支える会社理念を語ることで、従業員の理解と納得が深まります。全社ミーティングや動画メッセージを活用すると、より効果的です。

理念とルールの可視化
生成AI活用に関する理念やルールを視覚的に整理し、社内で簡単に確認できる状態を作ります。

  • 社内ポータルに専用ページを設け、理念やルールを分かりやすく掲載。

  • 動画やインフォグラフィックを使い、直感的に内容を理解できるよう工夫します。

  • 定期的にアップデートを行い、最新情報を常に反映します。

研修やワークショップの実施
社員全員がルールを理解し、実践できるよう、定期的に研修やワークショップを実施します。

  • 実際に生成AIを使ったシミュレーションを行い、具体的な活用イメージを共有。

  • チームでルールや理念を振り返りながら、実践的な事例を通じて深く学ぶ場を提供します。

生成AIに会社理念や重要文書を組み込む
生成AIを全社で活用する際には、以下のような重要な理念や文章を事前にAIに組み込むことで、一貫性と信頼性を確保します。

入れ込むべき会社理念や文書

  • 会社理念とビジョン:
    例: 「私たちは『すべての人が笑顔であり続ける社会をつくる』を理念とし、顧客に誠実であることを何よりも重視します。」

  • ミッションステートメント:
    例: 「革新的なサービスで業界をリードし、社会に持続可能な価値を提供する。」

  • ブランドガイドライン:

    • トーン&マナー(例: フレンドリーだが専門性を保つ)。

    • 禁止表現(例: 攻撃的な表現や誤解を生むフレーズ)。

  • 顧客応対の基本方針:
    例: 「顧客の声に耳を傾け、迅速かつ適切な対応を行う。」

  • 従業員ハンドブックの一部:

    • チームワークや多様性に関する指針。

  • 企業の目標やKPI:
    例: 「2025年までに顧客満足度を10%向上させる。」

ChatGPTでの具体的な設定方法

  • 「カスタム指示」に理念や方針を設定(有料版)
    カスタム指示機能を活用し、「応答を作成する際に考慮すべき内容」として会社理念やブランドガイドラインを登録。
    例: 「当社の価値観を反映したトーンで書いてください。顧客には誠実かつプロフェッショナルな対応を心がけます。」

  • 無料版の場合
    明示的に毎回理念を指示する形で利用。
    例: 「以下の会社理念をもとに提案してください: 『私たちは顧客との信頼を重視します』。」

プロンプトライブラリの活用
よく使う理念や指示をプロンプトとして保存し、従業員がスムーズに呼び出せる仕組みを作ります。

  • 例: 「当社のブランドガイドラインを反映した顧客対応メールを作成してください。」

生成AIの全社活用を支える基本文書の共有方法
生成AIの活用にあたって、全社で共有すべき基本文書を整備し、以下の場所に保存することで一貫性を保ちます。

  • 社内ポータル: すべての社員がアクセス可能な専用フォルダを設ける。

  • AIツールへの組み込み: ChatGPTのカスタム指示やプロンプトライブラリに登録。

  • 研修資料: 新人教育や定期研修で利用することで、理念の定着を図る。

これらを通じて、生成AI活用の基盤をしっかり整備し、全社員が一貫した理念のもとでAIを活用できる環境を構築します。

(3) 生成AIを活用した新規事業アイデアの創出

生成AIは、既存業務の効率化だけでなく、これまでにない新たなビジネス機会を切り拓く可能性を秘めています。以下では、新規事業の創出に向けた具体的なプロセスとアクションプランを紹介します。

新規事業アイデアの創出プロセス

  1. 市場と自社の強みを分析する

    • 生成AIを活用して、自社のリソースや強みを深掘りし、競争優位性を分析。

    • 市場調査をAIに依頼し、競合他社や業界のトレンドを素早く把握。

    • 例: 「当社のリソース(顧客データ、技術、ノウハウ)を基に、生成AIを活用した新規事業アイデアを提案してください。」

  2. ブレインストーミングを行う

    • チーム内で生成AIを活用したブレストを実施。AIが提案したアイデアを人間の視点で評価・改良する。

    • 例: 「製造業で生成AIを活用した新しいサービスのアイデアをいくつか提案してください。」

  3. プロトタイプを作成する

    • 生成AIを使用してプロトタイプを迅速に作成。アイデアを具体化し、実現可能性を検証。

    • 例: 「この新サービスに必要なキャッチフレーズやロゴ案を生成AIに作成させる。」

  4. 市場テストを実施する

    • プロトタイプを一部の顧客に提供し、フィードバックを収集。生成AIを活用して意見を分析し、改善点を抽出する。

具体的なアクションプラン

  1. 生成AIを活用したアイデア出し

    • チームで集まり、生成AIを活用したアイデア出しセッションを実施。

    • 例: 「現在のサービスを拡張する方法を3つ提案してください。新しいターゲット市場を想定してください。」

  2. カスタマーエクスペリエンスの向上

    • 顧客の声を生成AIで分析し、ニーズに基づいた新しいサービスや製品を開発。

    • 例: 「過去の顧客アンケートを分析し、改善すべきポイントと新サービスの提案をしてください。」

  3. 生成AIを活用したプロトタイプの迅速な作成

    • 新しいマーケティング資料やプロダクトデザインを生成AIに作成させ、コストを抑えながら短期間でアウトプットを得る。

    • 例: 「この新しいプロジェクトのためのプレゼン資料を作成してください。次の項目をカバーしてください...」

  4. ビジネスモデルキャンバスの作成

    • 生成AIを使用して、新規事業のビジネスモデルキャンバスを作成。収益源、コスト構造、リソースなどを可視化。

    • 例: 「新しいB2Bサービスのビジネスモデルキャンバスを作成してください。」

  5. 市場への適用とテスト

    • プロトタイプを限定的に市場に投入し、生成AIで顧客フィードバックをリアルタイムで分析。

    • 例: 「このサービスのプロトタイプについて、テスト結果を基に改善案を提案してください。」

生成AIが新規事業アイデア創出に役立つ理由

  1. 迅速なデータ分析
    AIが膨大なデータを瞬時に分析し、最適なアイデアやトレンドを抽出。

  2. 多角的なアイデア提供
    異なる視点や業界の事例を基にした提案が可能。

  3. コスト効率の向上
    プロトタイプ作成や市場調査のコストを削減しつつ、質の高いアウトプットを得られる。

成功事例:生成AIを活用した新規事業

  1. 教育業界: オンライン学習プラットフォームが生成AIを活用し、生徒個々の学習スタイルに応じたカスタム学習プランを自動生成。

  2. 不動産業界: AIで物件情報や周辺環境を分析し、顧客に最適な物件を提案するサービスを展開。

  3. 製造業界: 生産スケジュールの最適化や、品質管理の予測モデルを生成AIで構築し、効率化を実現。

生成AIは、企業が持つリソースを活かしながら、これまでにない新しい価値を創出する強力なツールです。まずは小さなアイデアから始め、大きなビジョンへとつなげる一歩を踏み出してみましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ついに、次回は、7回シリーズ「IT苦手は経営者失格」の最終回を迎えます!
最終回のテーマは、「2030年の経営者像」。急速に変化する技術や市場環境の中で、次世代を切り拓くリーダーに求められるスキルや哲学を紐解きます。
「未来を見据えた行動」を考える最終回、ぜひお楽しみに!

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