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こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

現在、日本の中小企業の多くが「事業承継」の時期を迎えています。経営者の平均年齢は60歳を超えつつあります。多くの企業が後継者が不在であったり、後継者が居ても具体的に承継をうまく進める方法がわからず、日々の業務に追われて問題を先延ばしにノウハウ不足に悩んでいます。私のまわりでも、そんな企業が多い印象を持っています。

今回は、この「事業承継」をスムーズに、そして笑顔で進めるために、DX(デジタルトランスフォーメーション) がどう役に立つかについてお伝えします。特に、創業20〜30年の中小企業で、60代後半の創業者が次世代へバトンタッチしようとするときに押さえておきたい具体的なポイントです。

事業承継にDXが必要な理由

1. “人”の交代だけでなく、“仕組み”を変える

事業承継は、「社長が変わる」「株式が移る」という法的な手続きだけではありません。日々の業務プロセスや、従業員が動いているオペレーション、さらには会社のビジネスモデル自体をどう次世代に合わせて刷新するかが重要になります。
ここで、DXを活用することで、紙や記憶ベースのノウハウを“見える化” し、さらに新しいテクノロジーを組み合わせて効率化・高度化する道が開けるのです。

2. レガシーの温存は次の成長を阻む

長年使ってきたシステムやExcel管理、紙の帳票に慣れきってしまうと、新体制の若いリーダーがいくら頑張っても変革が進みにくい構造が続いてしまいます。DXを通じて、“新しいやり方”を皆で受け入れる空気 を作ることが、後継者へのスムーズな権限移譲につながります。

3. 社内外との“絆”もアップデート

事業承継では、社員・取引先・顧客など、社内外のステークホルダーとの関係性が大きく変わる局面です。オンラインツールやクラウドサービスで情報共有を円滑に進めれば、取引先・顧客も巻き込んだDX へと発展し、企業価値を高める好機となります。

DXがもたらす具体的なメリット

  1. 業務プロセスの可視化と効率化

    • 例:クラウドの会計ソフトや販売管理ソフトで、拠点や部署を超えたリアルタイム共有が可能になります。

    • 承継後の引き継ぎ もスムーズになり「あの担当者だけが知ってる」情報のブラックボックスが解消されます。

  2. 経営者の意思決定スピードUP

    • KPIや損益情報を自動集計し、Looker Studioなどを活用してダッシュボード化すれば、いつでも会社の状態が分かります。

    • 後継者が客観的データを見ながら経営判断を下しやすくなるため、ベテラン社員・取締役会とも建設的に議論可能です。

  3. 若手のリーダー育成

    • DXプロジェクトそのものが「若手社員を巻き込む」絶好のチャンスです。

    • 新体制への移行と同時にチームを立ち上げ、次世代リーダーが主導して新しいシステムを社内に導入すれば、「自分ごと化」が加速し、モチベーションも高まる

  4. 企業価値向上と信用力UP

    • DXが進んでいることは、銀行や投資家、取引先からの評価にもつながります。もしM&Aを検討する場合でも「IT整備ができている会社」のほうが買い手がつきやすく、企業の評価額が上がるケースもあります。

具体的なステップ

ステップ1. 業務棚卸しとデジタル化の優先順位付け

まずは「今、業務がどう流れているか」 をシンプルなフローチャートや表でまとめましょう。

  • 紙ベースの受発注

  • Excelでの売上管理

  • 手書きの日報

など、いろいろあると思います。
なぜ、その形になっているのかの本質をとらえることが重要です。
紙を残さなければいけない、と考えていたときに、それは何故なのか、何故を5回繰り返すと、案外デジタル化につながることもあります。
そして、このまとめは、会社のさまざまな部署の立場で複数作成してみてください。だいぶ乖離があることがわかります。

後継者候補や主要従業員が一緒になって棚卸しするだけで、「ああ、こんな無駄があったんだ」と発見があります。

「これはアナログのまま残したい」「ここは最優先でデジタル化したい」という 優先度 についても、各々の立場で出し合ってみてください。

ステップ2. 小さなプロジェクトから手を付ける

「すべてを一気にDX化」すると混乱しやすいので、まずは小さな範囲 から始めましょう。

  • 例:経理部だけクラウド会計に移行

  • 例:営業チームがGoogleスプレッドシートで売上進捗を共有

  • 例:社内チャットツールを導入し、メールの量を減らす
    こうした 小さな成功体験 が積み重なると、社内全体が「デジタルって思ってたより便利じゃん!」となり、次の大きなプロジェクトへのハードルが下がります。

ステップ3. 後継者&若手リーダーが主体となって推進

承継前後は、どうしても先代経営者の意向が強く働きがちです。でも、DX推進の実務面は次世代リーダーが中心 となったほうが成功しやすいです。

  • ベテラン社員からの抵抗があっても、「将来こうなると便利ですよ」と若手が具体例を示せば納得感が増す

  • 後継者自身がDXのメリットを体感することで、承継後の経営にも自信が持てる

ステップ4. 「見える化」で誰も取り残さない

皆が笑顔でいられるようにするには「必要な情報が適切に共有されていること」が大事です。情報共有の不備が笑顔を奪います。

  • DXプロジェクトの進捗・目的・効果を分かりやすく社内に周知

  • 定例会議や社内掲示板で「今週はここまで進みました!」「コスト削減〇円達成!」をこまめに発信
    情報が共有されれば、「自分は何をすればいいのか?」「今後どう変化していくのか?」という不安が減り、笑顔で協力してくれる人が増えます。

ステップ5. 失敗OK&継続的PDCA

DXプロジェクトは短期で終わるものではありません。小さな失敗は当たり前として受け止め、PDCAサイクル を回し続ける習慣をつけることが大切です。PDCAサイクルで重要なのは、まず回すことです。最初の1周目のPlanでストップしてしまう例があまりに多いです。最初のPlanは1日くらいで済ませてしまって、まずDo(実行)してみることが大切なのです。

  • PDCAとは:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の繰り返し

  • 「上手くいかなかったから中止」ではなく、「何が原因かな? 次はこう変えてみよう!」とポジティブに捉える

よくある疑問

Q1. IT苦手な従業員が多いのですが大丈夫?
A. 大丈夫です。クラウドツールやチャットツールは、直感的に操作できるものが増えています。最初は説明会や勉強会を開き、先行導入チームがフォローしながら進めれば、次第に慣れていきます。専門家に丸投げするとうまくいきませんが、伴走してくれる専門家の活用は検討しても良いでしょう。

Q2. コストがかかりそうで心配…
A. 小さく始めて徐々に拡大していくやり方を取れば、月額数千円〜無料範囲のツール活用からスタートできます。クラウドサービスを利用すれば、大きな初期投資を抑えられるメリットもあります。外部専門家を利用するにあたっても、無料もしくは安価で自治体や商工会議所・商工会などの専門家派遣事業などが利用できる可能性があります。

Q3. そもそも後継者がいない!
A. DXは外部の協力者やアドバイザーと連携しながら進めることもできます。同時に、M&Aや後継者探しの際に「DXをここまで進めている会社です」と提示できると企業価値が上がるため、後継者候補の目に留まりやすくなります。

DXで次世代へ「笑顔のバトン」をつなごう

事業承継は、多くの中小企業にとって非常に重大な節目です。その成功は、次世代の経営力と企業存続に直結します。とはいえ、社員や取引先に大きな変化を求めるため、葛藤や抵抗が起きるのも事実です。
だからこそ、DXという「新しい仕組み」を上手に活用し、紙や口伝えに頼っていたノウハウをデジタルで「見える化」していくことで、後継者も従業員も安心してバトンを受け取り・手渡しできるのです。

最も大切なのは「皆がストレスなく、気持ちよく次の時代に進めること」です。小さな成功体験を積み重ね、業務効率化だけでなく、人間関係の円滑化にもDXを活かしてほしいと思います。
これからまさに承継を控えている会社であれば、ぜひ今回ご紹介したステップをヒントに、一歩を踏み出してみてください。次世代リーダーが主体的に取り組むことで、会社全体が一つのチームとなり、笑顔で未来へつながる良い循環が生まれるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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